専門家が10人が選んだ「脳卒中・心筋梗塞を防ぐ食品」ランキング|1位の成分は血栓を溶かす
脳卒中は月曜の朝が要注意
野菜や魚、スーパーフードといった並みいる健康食を制し、「最強の食品」として、2位に倍近くの差をつけてトップに君臨したのは、「納豆」だった。管理栄養士の菊池真由子さんは「週末の夜」に食べることを推奨する。
「納豆が含有する酵素『ナットウキナーゼ』には、血管の詰まりである血栓を溶かす働きがあります。脳卒中や脳梗塞は月曜日の朝に起こりやすいというデータがあるため、日曜日の夕食に特におすすめ。ナットウキナーゼの作用は8~12時間持続するとされており、夕食で食べると朝に効果が得られるからです」
ナビタスクリニック川崎の内科医・谷本哲也さんは、納豆の原料である大豆製品に熱視線を送る。
「納豆に限らず、豆腐などの大豆製品には良質なたんぱく質と食物繊維、そしてイソフラボンという抗酸化成分が含まれている。それらはすべて、血管の健康を維持することに役立ちます」
EPAやDHAには血流をサラサラにし、血栓が作られにくくする
今回のランキングには「青魚全般」をはじめとして「あじ」や「さば」が続々ランクイン。その理由は「脂」にあった。
「青魚が多く含有する不飽和脂肪酸であるEPAやDHAには血流をサラサラにし、血栓が作られにくくする効果があります。干ものは塩分が多いうえ、EPAやDHAが酸化している場合もあるので、新鮮な刺し身や生の魚を調理するのがおすすめ。缶詰でもOKです」(管理栄養士の浜本千恵さん)
菊池さんが一票を投じたのはいまが旬のあじ。
「良質な脂が含まれていることに加え、動脈硬化のもととなる過酸化脂質の分泌を抑えるビタミンB2が豊富です」
白身魚で唯一ランクインした6位の「サーモン」も積極的に摂りたい一品だ。
「青魚と同じく不飽和脂肪酸のオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいます」(群星(むりぶし)沖縄臨床研修センター総合診療医の徳田安春さん)
加えてサーモンの身を赤く染めているアスタキサンチンという色素には高いアンチエイジング効果があるため、青魚と日替わりで食卓にのせてほしい。
魚の良質な脂とともに専門家たちがこぞって推奨したのは、4位にランクインした植物油である「オリーブオイル」。渡辺さんが解説する。
オリーブオイルには、循環器疾患のリスクを下げるエビデンスも
「常温で液状の植物油は、悪玉と呼ばれるLDLコレステロール値を下げる効果が期待され、特にオリーブオイルには、循環器疾患のリスクを下げるエビデンスがある。逆に常温で固形のココナッツ油やパーム油は、LDLコレステロールを増やしてしまうため、血管病予防のためにはオリーブオイルを積極的に選んでほしい」
→医師が教える”血管おそうじスープ”の効果と作り方「高血圧や脳梗塞の予防にも」
バナナとアボカドの「塩出し」効果に期待
脳卒中や動脈硬化を防ぐための食事として、ナットウキナーゼや良質な脂を摂ることと同じかそれ以上に重要なのは塩を減らすことだ。
医学博士の佐野こころさんが解説する。
「塩分の摂りすぎは高血圧を招き、血管を弱めるため、なるべく塩を減らすことを意識したメニュー作りを心がけてほしい」
その際に強い味方となる一品が、11位にランクインした「きのこ」だ。
「旨み成分の強いきのこを料理に使うことで、調味料の量を減らすことができる。また、きのこはコレステロールの吸収を抑える食物繊維の含有量も多いため、一石二鳥です」(佐野さん・以下同)
食事から取り入れる塩の量を減らしつつ、摂った塩は積極的に体外に排出したい。佐野さんは「カリウム」がひとつのポイントとなるとアドバイスする。
「バナナやアボカドには、塩の主成分であるナトリウムを尿とともに体外に排出する作用を持つカリウムが豊富。塩分の摂りすぎを調節してくれる排塩フードといえるでしょう」
※女性セブン2023年8月17・24日号
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