認知症の症状と予防法「8つの脳内番地別・脳を鍛えるエクササイズ」【専門家解説】
【1】思考系脳番地:休日の予定を他人に決めてもらう。
第三者に決めてもらうことで、普段使わない思考パターンで動くことになり、脳の働きが高められる。
【2】運動系脳番地:歌いながら料理する。
料理は五感をフル稼働するうえ、手と口を同時に動かすので脳が活性化される。
【3】伝達系脳番地:知らない人と話す。
自分の意見を正確に伝えるにはどうすればよいか考えるようになる。
【4】理解系脳番地:街で見かけた人の心理状態を推測する。
相手の表情や雰囲気、持ち物など、その場の状況から判断する訓練につながる。
【5】記憶系脳番地:新語・造語を考える。
何かを暗記するときよりも、新しい言葉を考え出すときの方が記憶系脳番地を使うといわれている。
【6】視覚系脳番地:電車やバスなどの動く乗り物の中から、何らかのテーマを決め、数字や色などを探す。
何かを見たり、動きを捉える能力が鍛えられる。
【7】聴覚系脳番地:ラジオを聴きながら寝る。
目から入る情報を遮断することで、意識を耳に集中させる。続けると聴いたことを忘れにくくなる。
【8】感情系脳番地:甘いものなど好きなものを10日間断つ。
感情系脳番地に負荷をかけることで、気持ちの変化に敏感になる。
教えてくれた人
脳内科医 加藤俊徳さん
医学博士。加藤プラチナクリニック院長。MRI画像を用いて1万人以上の脳を診断。主な著書に『マンガでわかる「認知症の人には、こんなふうに見えています」』(宝島社)など。
介護福祉士 尾渡順子さん
介護老人保健施設あさひな勤務。介護福祉士として働きながら研修講師や執筆、在宅高齢者向けのデジタルコミュニケーションサービス「寄り添いコミュニケーション 星輝しおり」の開発にも携わる。主な著書に『認知症の人を元気にする言葉かけ 不安にさせる言葉かけ』(中央法規)など。
取材・文/鳥居優美 イラスト/河南好美
※女性セブン2023年7月27日号
https://josei7.com/
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