覚えておきたい「熱中症」の応急処置チェックリスト 経口補水液の作り方【専門家監修】
【対策】経口補水液とスポーツドリンクの違いは濃度
熱中症の際の水分補給には「経口補水液」が推奨されているが、スポーツドリンクとは何が違うのだろう。
「塩分と糖分の濃度が違います。経口補水液は電解質濃度が高く、水分が体に素早く吸収され、細胞に行き届くように作られたもので、医療現場でも使われています。
スポーツドリンクも水分やミネラルが効率よく吸収されるように作られていますが、スポーツ時のエネルギー補給としての役割もあり、経口補水液に比べて糖濃度が高くなっています。
熱中症の際の水分補給としては経口補水液の方が効率よく、発熱や嘔吐・下痢などによる脱水症の際にも有効。健康なときに飲むと味が濃く、飲みにくく感じられるかもしれませんが、脱水状態のときは、本当においしく感じるから不思議です。糖尿病や高血圧、腎臓病、心不全などの持病がある人は、塩分、糖分の摂取に制限があるはず。持病を悪化させることもあるので、医師に相談しておくといいでしょう」
熱中症や災害時の備えとして、市販のものを準備しておくといいが、どちらも簡単に手作りできるので、試してみよう。
●経口補水液の作り方
塩も砂糖もやや多めで、体内に効率よく吸収できるようきちんと計量した砂糖と塩を、水に入れてよく溶かすだけでOK。冷蔵庫で保管し、24時間以内に飲み切る。
●レモンスポーツドリンクの作り方
名古屋市消防局がおすすめしている「レモスポ」。少量の湯にはちみつ(または砂糖)と塩を溶かしたら、水、レモン果汁と混ぜるとよい。レモンのクエン酸が疲れによる食欲不振にも効果的。
教えてくれた人
杉本弥生さん/看護師。都営戸山ハイツアパート(東京・新宿区)にある「暮らしの保健室」でよろず健康相談にのっている(予約不要・無料)。
取材・文/山下和恵 イラスト/うえだのぶ
※女性セブン2023年7月27日号
https://josei7.com/
●災害時の熱中症対策、防災袋に入れておきたい経口補水液よりもおすすめなもの