兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第206回 兄の夕暮れ症候群】
若年性認知症を患う兄の排泄トラブルはなかなか解消しないばかりか、その不可解な行動はますます加速中。一緒に暮らす妹のツガエマナミコさんは、あの手この手で対処を続けていますが、その斜め上のハプニングが起こってしまうのです。そして、排泄の他に、また一つ兄の不思議な行動が始まったというお話です。

* * *
夕暮れになるとオーライオーライをする兄
兄はどこでお尿さまをするか分からないので、毎日戦々恐々とした朝を迎えているツガエでございます。
先日は、洗面所に貼った使い捨て防水シーツの下にやられました。固定しているテープをわざわざ剥がしたと思われ、シーツの表面が乾いているのでしばらく気づきませんでした。あるとき若干の水気を発見したので拭いていたところ、「おや?」となりよくよく見ると、防水シーツの下にお尿さまが広がっておりました。「賢すぎるやろ」が第一声でございました。おトイレの場所はろくに覚えないのに、ごまかしたり、隠したりすることにかけてはたいへん頭がよく回る兄でございます。おトイレ以外でしてしまうことが良くないことだとわかっているからこういう行動をするのでしょうか?
そばにあった体重計の箱が床のお尿さまを吸ってぐしょぐしょ。この先タオルやドライヤーが入った引き出しの中にもや