兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第205回 深夜のパソコン事件】
ライター、つまり文章を書くことを生業にしているツガエマナミコさんは、若年性認知症の兄と2人暮らし。兄の生活全般をサポートしながら、家で仕事をすることも多いマナミコさんの大事な仕事道具はパソコン。そのパソコンに異変が起きてしまったというのです!

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深夜の悪戦苦闘
パソコンというものは便利なようでたいへん不便でございます。久々にパソコンのトラブルに見舞われて、深夜に四苦八苦したお話しでございます。
その日は、夜11時にはお風呂から上がり、眠かったのですぐに眠るつもりでございました。兄をトイレに誘導し、寝る部屋までご案内し、ベランダにある兄のお尿さま掃除も終え、あとは寝るだけでございました。でも「最後にメールチェックだけしよう」と思ったのが運の尽きだったのでございます。
画面にそれまでに見たこともない「このアカウントのパスワードを入力してください」といった指示が出てまいりました。パソコン様は時折、いつもと違う動きをしては人を驚かせるいたずら小僧でございます。これまでの経験の中で、こんな時は慌てずに一度電源を切って、もう一度やり直すと案外問題は解決するものだと学習してまいりました。
しかし、今回は