聞こえにくくなっていませんか?加齢性難聴を遠ざける・悪化させる食品&生活習慣14選
外出の機会が増えて、さまざまなコミュニケーションの場が多くなっている。久しぶりの人との会話で、何度も聞き返していませんか。それは、聴力が衰えているからかもしれません。そこで、難聴になる前に試しておきたい【14のこと】を各方面から集めました。食事、生活習慣など…耳のためにあらためて見直してみませんか。
加齢性難聴かも?チェックリストで確認
川越耳科学クリニック院長の坂田英明さんによれば、自分が難聴だと気がついていない人も多いという。まずは「【1】加齢性難聴チェックリスト」で調べてみよう。1つでも当てはまれば、改善すべく行動を開始する必要がある。
●加齢性難聴チェックリスト
□聞き間違いが多く、会話がちぐはぐになる
□何度も聞き返すことが増えた
□テレビやラジオの音が大きいと言われる
□呼びかけられても気がつかないことが多い
□話し声が大きくなったと言われる
1つでも当てはまれば加齢性難聴の初期症状の可能性あり。
聞こえのために食生活の見直しを
「加齢による難聴の場合、耳の機能そのものを改善させることは難しいものの、それを食い止めたり、音を聞き取りやすくしたりすることは充分可能です」(坂田さん・以下同)
そのためにまず取り組むべきは、食生活の見直しだ。
「真っ先に摂ってほしいのは、正常な血液を作る働きがある【2】ビタミンB12。耳に血液が行き渡らないせいで機能が落ちている人も多いため、難聴や耳鳴りの患者さんに内服薬として処方されることもあります」
ビタミンB12が豊富なのは、あさり、しじみなどの貝類、レバー、卵、チーズ、さんま、真いわし、焼きのりなどだ。
「加えてしっかり食べてほしいのは体の老化を食い止める抗酸化作用を持つ【3】ビタミンC。みかん、キウイ、アボカドなどをバランスよく食べてください。また、難聴に伴う認知症対策としては、その原因物質であるアミロイドβが脳に蓄積するのを防ぐとされる【4】ぎんなんを食べるのも効果的です」
疲労物質を減らす作用を持つ「ビタミンB1」
ストレスや疲れが難聴を悪化させているケースも多いため、糖を代謝させてエネルギーを作り出し、疲労物質を減らす作用を持つ「【5】ビタミンB1」も忘れずに摂りたい。
「多く含むのは、豚肉、うなぎ、大豆、黒ごまなど。そばや玄米などの全粒穀物にも含まれています。ごまから摂取する場合、すった状態の方が吸収率が上がります」
目と耳の治療院『日本リバース』院長で整体師の今野清志さんも、スタミナをつけて疲労を取ることが難聴改善につながると声を揃える。
「来院するシニア層の中には、栄養失調で慢性的な疲労を抱えていることが難聴を悪化させている原因になっている人もいる。そうした人たちに共通しているのは、たんぱく質が足りていないこと。年を重ねるほど、肉をしっかり食べてパワーをつけるべきでしょう」(今野さん・以下同)
夏こそ「熱々の料理」を作るべし
食材そのものに加え、調理法にも気を配るとさらに効果的。今野さんが推奨するのは温かい食事だ。
「これからの時期は、暑さ対策として冷たいものを食べたり飲んだりする人が増えると思いますが、体を冷やしすぎると自律神経が乱れ、難聴の原因になりやすい。【6】夏こそ温かいものをしっかり摂ることが耳の健康を守ることにつながります。その際、【7】自分で料理するとさらに効果的。鍋がぐつぐつ煮える音や、フライパンで肉や野菜を炒める音などで耳が刺激され、脳にもいい影響があります」
クリアな聴覚のためには、「【8】控えるべき食材」もある。
「糖質とカフェイン、辛いものの3つはなるべく摂取を避けてほしい。疲れると甘いものが欲しくなりますが、分解時にビタミンB1を多く消費するので、食べすぎは禁物です。カフェインと辛いものは神経を興奮させる作用があり、内耳の神経にも負担をかけます」