深い眠りを促す7つの生活習慣「死亡率が最も低いのは7時間睡眠の人」【睡眠専門医監修】
「3の法則―「30分以内に入眠できる」、「夜中に起きるのは3回未満」、「起床予定時間の30分以上前に目が覚めない」プラス、よい睡眠が取れていれば、日中3回以上眠くなることはありません」
達成できていない人は、下記7つの生活習慣を実践してみよう。
【1】7時間以上寝床にいない
【2】1日7000歩程度体を動かす
【3】1日7時間程度のデスクワーク(趣味や読書など)を行う
【4】うたた寝や長い昼寝をしない
【5】ストレスをためない
【6】昼間は太陽の光を浴び、夜は明るい光を避ける
【7】体温を上げる
「23時30分~6時30分」が理想の睡眠時間帯
睡眠の質を決めるのが、メラトニンとコルチゾールというホルモンだ。このホルモンが効果的に働く時間帯を狙えば、深い眠りとスッキリとした目覚めが叶うという。
「夜になるとメラトニンが分泌されて眠気を催し、朝が近づくと、コルチゾールの分泌が高まって目覚めます。メラトニンが多く分泌される午前0~6時が、最も眠りやすく、深い睡眠が取れる時間帯。一方、最も起きやすい時間帯は、コルチゾールの分泌がピークとなる午前5時30分~8時30分頃。これらを総合すると、『23時30分~6時30分』の7時間が、中高年の理想の睡眠時間帯で、この時間帯以外は寝床につかず、起きて活動すべきです」
残念ながら、加齢とともに夜間のメラトニンの分泌は減り、逆にコルチゾールの分泌が増えていく。これも眠りづらくなる要因なので、なるべく活動量を増やし、元気な体にしておきたい。
「また、中高年は昼間メラトニンの分泌が増えるため日中眠くなる傾向にありますが、メラトニンは太陽の光を浴びることで分泌が下がるので、日中は屋外で活動し、夜は照明を暗くして入眠の準備を」
人は、体温の急激な低下で眠くなるため、ふだんの体温を上げておくことも大事。そのためには、ウオーキングなどの運動が効果的だ。
教えてくれた人
遠藤拓郎さん/スリープクリニック調布院長
医学博士、元慶應義塾大学医学部特任教授。祖父、父と3代で90年以上睡眠の研究に携わる。近著に『75歳までに身につけたいシニアのための7つの睡眠習慣』(横浜タイガ出版)、最新刊に『脳と心を癒して心地よく眠る 和の花もようのぬり絵』(共著、日本文芸社)がある。https://www.sleepmedicine-tokyo.com/
取材・文/佐藤有栄 イラスト/はまさきはるこ
※女性セブン2023年5月4日号
https://josei7.com/
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