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連載

高木ブー、ハワイでアメリカ人ファンとも交流「応援にパワーをもらってます」|連載 第90回

「また来年もみんなで来ようね」――。ハワイでのステージが終わったあと、「1933ウクレレオールスターズ」のメンバーは、口々にそう言い合った。来年は90歳になったブーさんの歌声が、ハワイの空に響きわたる。帰国後、さっそく「志村けんの大爆笑展」に駆けつけるなど忙しく活躍するブーさんに、ハワイの思い出を語ってもらった。(聞き手・石原壮一郎)

雷様のケーキでひと足早く90歳を祝ってもらった

 このあいだまで行っていたハワイで、ひと足早く90歳の誕生日をお祝いしてもらったんだよね。「ウクレレピクニック・イン・ハワイ」に一緒に出場した「1933ウクレレオールスターズ」のメンバーをはじめ、ファンのみなさん、関係者のみなさんなど、全部で100人ぐらいの人が集まって、「おめでとう」と言ってくれた。嬉しかったな。

 バースディケーキにも感動した。雷様になった僕がウクレレを持っていて、頭に2本のツノと「9」と「0」のローソクが刺さってる。すごくよくできていて、運ばれてきた瞬間に思わず「うわっ!」って声をあげちゃった。関口和之君の奥さんのアイディアで、地元のよく知ってるケーキ屋さんに作ってもらったらしい。僕の顔もそっくりだよね。

 今回のハワイは雨や曇りの日が多かったんだけど、少しは青空も見られたから、まあよかったかな。「ハワイの晴れわたった青空に下でウクレレを弾いて歌う」というのは、また来年のお楽しみだね。「1933ウクレレオールスターズ」のステージが終わったときも、メンバー全員が口々に「また来年もみんなで来ようね」と言い合った。

 歌っているときも幸せだけど、ステージが終わってそう言い合えるのって、最高に幸せなんだよね。メンバーみんなが、お互いに「やり切ったね。がんばったね」とねぎらう気持ちと、「またこのメンバーでやりたい」という気持ちを伝えたり伝えられたりする。そのときの満足感は何とも言えない。音楽をやっててよかったと思える瞬間だね。

 日本に帰ってくる前の日だったかな、アラモアナセンターにあるウクレレ屋さんで、外国人の素敵な夫婦に声をかけられた。70代ぐらいかな。感激した様子でスマホの画面を見せてくれたんだけど、演奏している僕が写ってる。メインランドから観光でハワイに来て、ステージを見てくれてたみたい。「とても美しい歌声でした」なんて言ってくれた。

 ウクレレ屋さんに来てたってことは、もともとウクレレをやってたのかな。ウクレレピクニックを見て「自分たちも弾いてみよう」と思ってくれたのかな。そこは聞きそびれちゃった。どっちにしても、ハワイで買ったウクレレを夫婦で楽しんでほしい。記念撮影もしたけど、そのウクレレを弾くときに、僕のこともついでに思い出してくれたらいいな。

 日本に戻ってきてすぐに、多摩市の京王百貨店聖蹟桜ヶ丘店で2月末まで開催してた「志村けんの大爆笑展」の応援に行ってきた。いつもながらたくさんの人が来てたな。ハワイにいて初日には間に合わなかったんだけど、25日に行って写真撮影会をやった。嬉しかったのは、小学校2年生の女の子からファンレターをもらったこと。たぶん親御さんの影響だろうけど、子どもたちもドリフのコントを楽しんでくれてるのを実感した。

 さっきのハワイの夫婦もだけど、やっぱり僕はファンの応援にパワーを授けられてるんだなと思ったな。この連載の記事やインスタの投稿にも、いつもあたたかいコメントをたくさんもらってる。「まだまだがんばってください」なんて言われるたびに、「よし、まだまだがんばるぞ」って張り切っちゃう。我ながら単純だよね。

 3月1日には、加藤(茶)が80歳になった。1週間だけの「80代コンビ」で、8日には僕が90歳になる。80歳と90歳でキリがいいことだし、今年もいろんなことに挑戦してみたいな。そういえば加藤は80歳になったのを記念して、ツイッターを始めた。さっき見たら、まだ数日しか経ってないのに、フォロワーが8万人以上いた。さすがだよ。

 ふたつ目のツイートで、驚きの発表をしてたな。「7月に本を出版します。80年間の秘蔵写真やインタビュー、そしてファッションページまで盛りだくさんです。」だって。加藤が単独で本を出すのは初めてだと思う。どんなことが書いてあるのか、楽しみだな。

僕の著書が発売になります!

 本と言えば、じつは僕からもお知らせがあります。3月20日に2冊目の画集が出ることはもう話したけど、4月6日にもう一冊、僕の本が出ます。タイトルは『アロハ 90歳の僕 ゆっくり、のんびり生きましょう』。この連載をベースに、ドリフのこと、ウクレレのこと、家族のことなどなど、僕の全部を詰め込みました。秘蔵写真もたっぷり入ってます。

 もっと詳しく話したいけど、今回はこのぐらいで。高木ブーは「100歳まで現役」を目標に、ファンのみなさんのあたたかい声に支えられながら、さらに進化していきます。これからも応援してください!

高木ブー(たかぎ・ぶー)

1933年東京生まれ。中央大学経済学部卒。いくつかのバンドを経て、1964年にザ・ドリフターズに加入。超人気テレビ番組『8時だョ!全員集合』などで、国民的な人気者となる。1990年代後半以降はウクレレ奏者として活躍し、日本にウクレレブーム、ハワイアンブームをもたらした。CD『Hawaiian Christmas』『美女とYABOO!~ハワイアンサウンドによる昭和歌謡名曲集~』『Life is Boo-tiful ~高木ブーベストコレクション』など多数。著書に『第5の男 どこにでもいる僕』(朝日新聞社)、『高木ブー画集 ドリフターズとともに』(ワニ・プラス)など。YouTube「【Aloha】高木ブー家を覗いてみよう」(イザワオフィス公式チャンネル内)も大好評。同チャンネルでは期間限定で「ドリフ大爆笑」の名作コントのデジタルリマスター版を続々と配信している。毎月1回ニコニコ生放送で、ドリフとももクロらが共演する「もリフのじかんチャンネル ~ももいろクローバーZ×ザ・ドリフターズ~」が放送中。3月20日に『高木ブー画集RETURNS ドリフターズよ永遠に』(ワニ・プラス、2,700円+税)が発売。4月6日には、この連載をまとめた『アロハ 90歳の僕 ゆっくり、のんびり生きましょう』(小学館、2,200円+税)が発売!

取材・文/石原壮一郎(いしはら・そういちろう)

1963年三重県生まれ。コラムニスト。『大人養成講座』『大人力検定』など著書多数。1月26日に最新刊『無理をしない快感‐「ラクにしてOK」のキーワード108』(KADOKAWA)が発売。この連載ではブーさんの言葉を通じて、高齢者が幸せに暮らすためのヒントを探求している。

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