「変な絵」の謎を解いて脳を活性化|資産家の家に入った強盗の狙いを暴け!
昨秋発売の謎解きミステリー長編『変な絵』(雨穴(うけつ)著)は奇妙な絵に秘められた謎を解く快感が話題となり、30万部の大ヒットとなったのはご存じだろうか。視覚、思考、想像力をフル活用して解いていくので脳トレにも最適だ。早速、話題となった謎解きを体感してみよう。
強盗の身勝手な犯行を暴け!
<問題の解き方>
不穏さに満ちた「変な絵」をじっくり見ながら、設問を順番に解いてください。イラストの中に隠された“鍵”を見つけて、絵に描かれた事件の謎を解明してください。
【問題】
Q1:ある資産家の家に強盗が入ったと通報があった。強盗の狙いは何だったのか?
Q2 :警察官は、室内から「あるもの」が盗まれていないことに違和感を抱いた。それは何か?
Q3 :家の主人は今家に帰って来たばかりで、驚いてすぐに通報したと言う。だが警察官は、「これをつける余裕はあったんですね」と指さした。それは何か?
Q4:「とても寒かったので、警察を待っている間に火を起こした。ついさっきのことです」と主人は言った。しかし、それは嘘だ。それがわかるのはどの部分だろう?
<解答>
A1:金庫の中身。
金庫が開いて空っぽだ。家の主人は社長で、社員の給料となるお金が入っていたらしい。
A2:壁の絵。
明らかに高そうだが、盗まれていない。主人は美術品コレクターらしい。犯人は絵に気がつかなかったのだろうか?
A3:暖炉の火。
金庫が空っぽになっているのに、ゆっくりと暖を取る気になるだろうか。どうも臭い。
A4:窓が、しずくが垂れるほど曇っている。
かなり長い時間、部屋が温まっていないとこうはならない。主人は外出などしていなかったのだ。その後、金に困って自作自演をしたことを認めた。
世界では認知症予防に「認知トレーニング」が推奨されている
2019年に世界保健機関が公表した「認知機能低下および認知症のリスク低減のためのガイドライン」によれば、バランスのとれた食事や禁煙、社会活動などに並び、認知トレーニングの実施が推奨されている。
「たとえば2枚の絵を見比べて間違いを探すゲームは、思考や判断力を中核とする前頭前野の右側を活発化させ、一時的な記憶を司るワーキングメモリーの活動を鍛える訓練になります」
こう解説するのは、脳神経科学に詳しい諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授。
今回のようにイラストにちりばめられた答えを設問から導き出すゲームにも、同様の効果が期待できるという。
「イラストを見ながら設問を読んで論理的に考えることは、前頭前野でも左側、言葉の理解に関わる側頭連合野などを活性化させるトレーニングとして有効です」(篠原氏)
謎解きを楽しみながら、脳を活性化させよう。
謎解き推理ゲーム「イラスト探偵」
1枚のイラストから事件の謎を解き明かし、簡単な操作で探偵気分を味わえる。問題数は100ステージ・400問。AppSeed合同会社 https://app-seed.com/
※上記の問題は「イラスト探偵」の設問を一部改変しています。
教えてくれた人
篠原菊紀さん/諏訪東京理科大学・教授
取材・文/小野雅彦
※週刊ポスト2023年2月24日号
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