光熱費を節約しながら暖かく!“寒さ対策”の工夫と便利アイテムを家事アドバイザーが指南
電気代やガス代が値上がりして、冬の暖房を節約しなければと考えている人も多いだろう。しかし、シニア世代にとって寒さを我慢しすぎて体が冷えてしまうのも危険。そこで、節約・家事アドバイザーの矢野きくのさんが、光熱費を抑えながら暖まる“寒さ対策”を教えてくれた。100円ショップのアイテムなど工夫次第で、節約ポカポカ生活を目指そう!
節約しながら暖かく!寒さは我慢しすぎないで
連日値上げのニュースがメディアに流れる中、光熱費の高騰も気になるところ。今年はとくに政府からの節電要請もあり、“冬季の省エネ・節電”の呼びかけは、テレビCMなどでも目にする機会が多くなっています。
そんな背景から、寒さを我慢して「冬は暖房費を節約する」とがんばりすぎてしまうシニア世代の方も多いのではないでしょうか。
電気やガスの無駄遣いはもちろん好ましくないですが、暖房費の節約をがんばりすぎて健康を害するようなことは避けなければなりまんせん。
そこで、節約も意識しながら効率よく暖を取るための”寒さ対策”についてご紹介します。
部分暖房と全体暖房を意識して使い分ける
「暖房費の節約」といえば、必ず話題に上るのが、「エアコンとサーキュレーターを併用して部屋全体に暖気が行き渡るようにしましょう」というもの。しかし、必ずしも部屋全体を温める必要があるとは限りません。
複数人がひとつの部屋にいて、広く散らばっているのであれば部屋全体を温める必要があるでしょう。逆を言えば、部屋にひとりしかいないのであれば、部屋全体を温める必要というのはあまりないのです。
部屋にひとりしかいない場合は、その人だけが暖を取れればいいので、その場合は電気毛布やこたつなどの部分暖房で足ります。標準的なものであれば、エアコンよりも部分暖房の家電のほうが消費電力は少なくなります。
まずは「全体暖房」と「部分暖房」の使い分けを意識することが大切。”必要なところだけ暖める”習慣が、節電にもつながるのです。
窓からの冷気をカット「日が沈む前にカーテンを閉める」
部屋の中にいて窓ガラスに手を近づけると、ひんやりと冷たい空気を感じます。窓の向こうは外なので、窓を超えて冷気が伝わってきてしまうのです。
太陽が沈む前に、カーテンを閉めるようにしましょう。その際に、できるかぎりカーテンの下は床につくような長さにすると、冷気が入ってくるのと暖気が逃げるのを防ぐことができます。
床からの冷気をカット「100円ショップの断熱シート」
とくに1階の部屋は床から冷気が伝わりやすくなっています。そんなときは、こたつやカーペットの下に100円ショップでも売っている銀色の断熱シートを敷いたり、ダンボールを敷いたりすることで冷気を伝わりづらくすることが可能です。
布団で寝ている場合は、マットレスの下に断熱シートやダンボールを敷くことで冷気をカットし、布団の中が温まりやすくなるのでおすすめです。
コンセントで充電できる「蓄熱湯たんぽ」
昔ながらの湯たんぽは熱いお湯を入れれば長時間使え便利です。1回のお湯を沸かすガス代(IHの場合は電気代)はかかりますが、その1度の光熱費で8時間や12時間など長時間使うことができるので結果的に節約になります。
しかし、シニアにとっては熱いお湯を湯たんぽの小さな口に入れるというのは、場合によっては危険を伴うことも。最近は電子レンジで加熱する湯たんぽや、コンセントを差し込んで蓄熱する湯たんぽもあり、それであればシニア層でも安心です。
筆者が使っているのは、15分蓄電すると、60度になり布団に入れて使うと保温時間は7時間となっています。60度から徐々に温度は下がっていきますが、一晩寝るには十分に暖を取れます。
また、金属製の湯たんぽと違い、柔らかいので肩周りに置いたり、胸元に置いたりして使うことも可能です(ただし、低温ヤケドには注意が必要です)。
高齢者はとくに気になるヒートショック対策を
室内での寒暖差が原因となるヒートショック。近年メディアで取り上げられることも増えたので、対策をしている人も増えてきていることでしょう。寒い脱衣所やお手洗いなどに暖房器具を置いておくことを検討しても良いのではないでしょうか。
筆者宅で使っているのは、人感センサー付きの温風ヒーターなので、人を感知するとすぐに温風が出てきます。センサーをオフにしてつけっぱなしにすることも可能、オフタイマーもついているので、消し忘れを防ぐこともできるものです。
同樣の製品が1万円前後で販売されていますので、お手洗いや脱衣所が寒いご家庭では導入を検討してはいかがでしょうか。
寒いのに我慢をして節電し、健康を概するのは絶対に避けたいところ。節約を意識しながらも、上手に寒さ対策をして冬を過ごしたいですね。
執筆
家事・節約アドバイザー・矢野きくのさん
家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ・講演・連載などで活動。NHK『ごごナマ』準レギュラー他テレビ出演多数。新聞での連載のほか自動車メーカー、家電メーカーなどの企業サイトでコラムの執筆経験も。近年は中高年層の家事アドバイスや家庭でできるSDGsについての講演、SNSでの情報発信でも活動している。著書『シンプルライフの節約リスト』、『「節電女子」の野菜レシピ!』など。https://yanokikuno.jp/