奈良のご当地鍋「飛鳥鍋」の作り方 白みそと牛乳のまろやかなスープがポイント!
千年の歴史がある奈良のご当地鍋「飛鳥鍋」を、奈良育ちの別所史さんに教えてもらった。牛乳がベースになっている鍋なのだが、なんと奈良時代には乳製品がすでに存在していたんだとか。早速、歴史ある「飛鳥鍋」の作り方を見ていこう。
飛鳥人も飲んでいた「牛乳」がキーワード
奈良に伝わる「飛鳥鍋」は、牛乳を使った郷土料理。奈良時代には「蘇(そ)」や「醍醐(だいご)」と呼ばれる練乳やチーズに似た乳製品がすでに存在し、当時から牛乳を飲む文化があったことが知られている。
奈良県育ちの別所史さんは、「そこから着想を得て作られたのが、現代の飛鳥鍋なんです」と話す。
「厳密な作り方は決まっていませんが、ポイントは牛乳を使うこと。味付けも家庭や店によって、さまざま。うちでは白みそと練りごまを使い、まろやかでやさしい味に仕上げています。家庭でも簡単に作れるので、ぜひ、千年の時に思いを馳せながら、味わってみてください」
「飛鳥鍋」の作り方
牛乳でマイルドに悠久の時を感じるやさしい味わい
白みそと練りごまでコクを加え、滋味深いスープに。牛乳の代わりに豆乳で作ればよりヘルシー。入れる野菜は好みのものでOK。
【材料】
ごぼう・長ねぎ…各1/2本
にんじん…1/3本
えのきたけ…1/2パック
しいたけ…2個
白菜…200g
春菊…1束
豆腐…1/2丁
鶏もも肉…300g
白みそ…大さじ21/2
牛乳…2カップ
A:鶏がらスープ…1カップ 白だし…大さじ2 1/2 練りごま…大さじ1 酒・みりん…各大さじ1
★ご当地食材
古来、奈良で飲まれていたという牛乳がベース。白みそを使って白濁したまろやかなスープに仕上げる。シメに使う春雨は奈良の名産品で、国産春雨の全国生産量の6割を占めている。
【作り方】
【1】ごぼうはささがきに、長ねぎは3cm長さに、にんじんは1cm幅の半月に切る。えのきたけ・しいたけは石突きを取る。白菜・春菊・豆腐は食べやすく切る。鶏もも肉はひと口大に切る。
【2】鍋にAを入れて火にかけ、温まったらみそを溶かし、牛乳を加える。沸騰したらすぐに火を止める。
【3】春菊以外の【1】を入れ、弱めの中火で煮込み、具材に火が通ったら春菊を入れる。
★おいしく作るPOINT
強火で煮込むと牛乳のたんぱく質が固まり、分離してしまう。沸騰寸前の火力でじっくり加熱するのがコツ。
自分の好きな香辛料で味変
好みの香辛料を加えてアクセントに
粗びき黒こしょう、ゆずこしょう、ラー油、七味唐辛子を添えて。まろやかな味なので、辛味を足すと味にメリハリが出て飽きない。
シメは濃厚クリームパスタ
まるで濃厚なクリームパスタ! 春雨でヘルシーに
ゆでたパスタとチーズを加え、粗びき黒こしょうを振る。
戻した春雨を加えてキムチとラー油で。
教えてくれた人
別所史さん/あをによし・代表取締役
【DATA】住所:東京都中央区日本橋室町1-12-14
撮影/鈴木江実子
※女性セブン2023年1月5・12日号
https://josei7.com/
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