お餅を喉に詰まらせないために!高齢者も安心してお餅を楽しむヒント【まとめ】
餅が硬くなるのは、餅に含まれるでんぷんの老化が原因。
「でんぷんは数時間放置しただけで水分を失い硬くなります。やわらかくするには、餅に少し水をつけて加熱してください」と語るのは、女子栄養大学短期大学部の食物栄養学科准教授豊満さんだ。
加熱は電子レンジか、鍋でゆでるかによって仕上がりが変わる。
「電子レンジ加熱では、表面がやや乾燥するものの中はやわらかくなり、一方、鍋でゆでると全体がトロトロになります。食感の好みで選ぶとよいでしょう」(豊満さん)
保存は冷凍がおすすめ。冷蔵は餅が最も硬くなる温度のため避けて、冷凍でも1か月以内に食べ切りたい。
電子レンジで手軽にやわらかく
【1】水にくぐらせる
ボウルにためた水に餅全体をくぐらせる。長くつけると加熱後に水っぽくなるため、サッと湿らせる程度でよい。
【2】平皿にのせてラップをかける
餅を平皿にのせてラップをふんわりとかける。水分を逃がさずに効率よく温めるために、端までぴったりと閉じる。
【3】電子レンジで温める
600Wの電子レンジなら2分を目安に温める。加熱時間は餅の状態を見ながら調整を。
出来上がり
でんぷんの老化が激しい表面は硬さが少し残るが、中は充分やわらかくなりおいしく食べられる。
二重に包んで冷凍臭を予防
【1】小分けにしてラップに包む
餅は小分けにしてラップでしっかり包む。1個ずつか、2~3個なら重ねずに横並びで包むとくっつきにくい。
【2】ジッパー付き保存袋に入れる
ラップで包んだ餅をさらにジッパー付き保存袋に入れる。二重に包むことで、冷凍臭をある程度防ぐことができる。
【3】冷凍室に入れる
冷凍室に入れて保存する。解凍せずに加熱してもよいが、事前に冷蔵室に少し置いてやわらかくすると時短になる。焼いて食べる時は、中までよく火が通るように火加減は弱めにするとよい。
鍋でゆでればトロトロに
【1】鍋に湯を沸かす
鍋にたっぷりの水を入れて火にかけ、煮立ったら餅を入れる。
【2】弱火でゆでる
餅2個なら弱火で2~3分程度ゆでる。餅がやわらかくなったら形が崩れないように取り出す。
出来上がり
溶けるようによく伸びてやわらかくなる。
教えてくれた人
豊満美峰子(とよみつみおこ)さん/女子栄養大学大学院了。同短期大学部の食物栄養学科准教授。調理学を専門に教鞭をとる。
撮影/下重修
要介護度が進み、嚥下機能が衰えてきた人には、お餅のような食感で喉に詰まりにくいレシピをご紹介するのでぜひ活用してほしい。