介護は1人で抱えない!頼れるアウトソーシング相談先・サービス一覧【専門家監修】
介護保険の申請や入院・退院などの手続きなどは行政には頼めないケースが多い。しかし、それさえ代行してくれる民間サービスがある。これにより、“まったく介護をしない”という選択肢もアリの時代に!
身体的な介護は施設などに任せられるが、各種手続きや医療・介護者との連絡、報告などは、どうしても配偶者や子供といった家族が担うことになる。
それすらも行うのが難しい場合、代わりにやってくれるのが「家族代行サービス」だ。
家族代行サービスを運営する「LMN」では、命にかかわる判断や金銭管理、契約書の署名を除く、親の介護に関するほとんどのサポート業務を代行している。
「数年前までは、老老介護に悩む高齢者からの依頼が中心でしたが、1年半ほど前から子供世代からの依頼が大半を占めるようになりました。行政とのやりとりから死後の納骨まですべて依頼される人から、介護保険の申請代行や、親からの呼び出し対応だけ依頼される人まで、内容はさまざま。地域包括支援センターは、申請代行をしてくれないところもあるので、行政に頼れず、うちに依頼される人も少なくありません」(代表理事の遠藤英樹さん・以下同)
特に多い依頼は、家族の代わりに親や医療機関などから24時間連絡を受けるサービスだ。スタッフは、一部地域を除き全国に駐在しており、昼夜問わず駆け付けてくれるという。
「定期的な訪問、病院などへの同行の依頼も多いですね」
初期費用はコンサル料や登録料などをあわせて約33万円。その後は、1回稼働するごとに1万1000円かかる。病院の付き添いや部屋の片づけなどで1日8時間程度稼働した場合は2万2000円で、交通費は別だ。遠方に住む子供が会社を休んで新幹線などで駆け付けることを考えれば割に合う。
「親の介護は一切したくないという人でも代行依頼をしたことで気持ちに余裕が生まれ、親との関係を見つめ直せる人も多いんです。契約時は、葬儀にすら参列したくないと言っていたかたが、最後は葬儀に参列し、お別れを言えたというケースも。長い介護では何が起こるかわかりませんから、一括よりも都度料金を払う形で契約することをおすすめしています」
行政サービスと違い費用はかかるが、サービスを使うことで子供だけでなく親も安心できる。万が一に備え、覚えておいて損はない。
教えてくれた人
介護・暮らしジャーナリスト・太田差惠子さん、介護問題に詳しいジャーナリスト・石川結貴さん、コラムニスト・吉田潮さん
※女性セブン2022年9月1日号
https://josei7.com/