あなたは“ゴリラ”?“ペンギン”?「歩き方」を動物で診断!理想の「フラミンゴ歩き」で12kg痩せた人も【医師監修】
コロナ禍で歩く機会が極端に短くなっていませんか。その影響から、いまいちイケてない「動物歩き」になっているかもしれませんよ。背中の丸いペンギンや、ポッコリお腹のペリカン、お尻の大きなゴリラ…足の力を十分に使えていない動物のような歩き方をしていると体の痛みが出る原因に。美しい歩き方を意識して、健康への「第一歩」を踏み出してみませんか。
接客業は「ペリカン」歩き、管理職は「ゴリラ」歩き
医療法人社団足ノ会理事長の吉原正宣さんは、このコロナ禍で、歩き方に不調や不安を抱える人が、想像を絶する割合で増えていると話す。
「コロナ禍で健康意識が高まったという側面もありますが、外出自粛やリモートワークによる筋肉の衰えも一因でしょう。以前と比べると、歩きにくさを感じる人が急増している印象です」
ウオーキングスペシャリストの山口マユウさんによれば、本当に効率のいい歩き方ができている人は少なく、多くの人が「イケてない姿勢」で歩いているという。歩くときの「イケてない姿勢」は大きく「ペリカンタイプ」「ペンギンタイプ」「ゴリラタイプ」の3パターンに分けられる。
「反り腰かつ猫背のペリカンタイプは、接客業の人に多い歩き方で、腰痛や肩こりが出やすいタイプです。デスクワークが多いと、腰まで丸まってペタペタ、よちよちと、ペンギン歩きになりやすい。肩や首のこりに悩んでいる人が多く、胸筋が縮こまって呼吸が浅くなりやすいのも特徴です。
そして、よくヒールをはく人に多いのが、ゴリラ歩き。責任ある立場にいて、胸を張って颯爽と歩いている人に多いのですが、反り腰でお尻を突き出して前ももに力が入るので、腰痛だけでなく、太ももやひざに負担がかかりやすい」(山口さん・以下同)
■あなたはどれ?いまいちイケてない「動物歩き」
●ペリカンタイプ
反り腰で、肩を丸めて歩く。足をあまり上げずに、左右の足の間を広くしてバランスを取ることが多い。腰痛や肩こりのほか、やせているのにポッコリお腹になりがち。
●ゴリラタイプ
胸を張って歩くが、反り腰でお尻が突き出て、あごが上がっている。腰痛持ちが多く、前ももの筋肉が縮んでいることも。お尻が大きく見えやすい。
●ペンギンタイプ
腰まで丸まった猫背で、ひざを曲げたままよちよち歩く。首こりや肩こり、ひざ痛を抱えていることが多いほか、お尻や胸が垂れたり、老けた印象になりやすい。
9割が歩くときに足の筋肉を充分に使えていない
こうした歩き方がクセになっている人は、足首とふくらはぎに柔軟性がなく、足の筋肉を充分に使えていないことが多いという。
「道行く人の9割が、歩くときに足の筋肉を充分に使えていません。本来なら、後ろ足の指やふくらはぎを使って地面を蹴ることによって、“第二の心臓”われるふくらはぎがポンプのような役割を果たし、血流がよくなります。ところが、ほとんどの人が、“ただ、足を前に出すだけ”になっていて、ひざが曲がっていたり、前傾姿勢になっていることが多いのです」
これでは、歩幅が狭くなり、その分、歩隔(ほかく)(左右の足の間隔)を広げて、左右に揺れながら歩くことになる。40代以上になると、筋力の低下もあり、こうした歩き方をする人が急増するという。
吉原さんによれば、骨格や筋肉のつき方、足の形などには個人差があるため、3つのうちどれかに当てはまっていたとしても、必ずしもそれが「間違った歩き方」というわけではない。
「確かに、これらはあまり運動効率がよくなく、疲れやすく、痛みを感じやすい歩き方です。ただし、こうした歩き方であっても、8000歩ほど歩いてみて痛みがなければ、健康上の問題はないので、安心してほしい」(吉原さん)
自分にとって本当に理想的な歩き方ができているかどうかは、靴底やヒールの減り方を見るのも1つの手だ。歩き方にクセがあると、かかとの内側ばかり極端に減ったり、ヒールが削れやすいという。
「壁にかかととお尻と頭をつけて、まっすぐ立ってみてください。このとき、ほとんどの人は、肩と壁の間に3cm以上隙間ができてしまうはず。自分では背筋を伸ばしているつもりでも、歩くときも肩が前に丸まったままになっている証拠です」(山口さん・以下同)