名医が本当にのんでいる市販薬を大公開 風邪薬、アレルギー薬、鎮痛剤は?
医者にかかれば症状に見合う「処方薬」が出されるが、「市販薬」は自分で選ばなければならない。とはいえ、長いカタカナ語の成分表示を見ても、何がどれぐらい効くのか、見当もつかない──
そこで、病気や薬のプロの女性医師たちに、普段遣いしている薬を聞いた。彼女たちのチョイスを参考に、薬箱を見直してみては?
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160商品以上。これは、ドラッグストア大手『マツモトキヨシ』のオンラインストアで販売される風邪薬の数だ。
1つの症状だけでもここまで膨大な種類がある市販薬は、何をどう選ぶのが正解なのか。13人の女性医師が自身の経験に基づいて出した“処方箋”を症状別に発表しよう。
風邪薬
風邪をひく暇もなく働く医師たちから圧倒的な支持を得たのは『葛根湯』だ。
土佐清水病院皮膚科医の宇井千穂先生が言う。
「風邪のウイルスは暖かいところを嫌うので、症状を悪化させないためにはとにかく体を温めること。葛根湯は体温を上げる効能があるので、私は風邪の前触れ段階でのんでいます。一般的な顆粒よりも、液体の方が即効性があります。味が特徴的なので、苦手な人には錠剤がおすすめです」
症状が出始めてしまったら、何をのめばいいのか。『カコナール2』『パブロン滋養内服液』『ルル滋養内服液』のどれか、と言うのは三河安城クリニック産婦人科医の加藤智子先生。
「液状で味がついているのでのみやすいうえ、タウリンやビタミンを配合しており、栄養補給にもなる。カフェインを含んでいないため、夜寝る前にのんでも安心です」
前出の宇井先生が推すのは『パブロンSゴールドW』。
「病院で処方される風邪薬と成分が同じなので、よく効きます。ただし、配合されている抗ヒスタミン酸の副作用で眠くなる可能性があるため、運転されるかたは要注意です」
花粉症・アレルギー薬
パブロン同様、処方薬と成分が同じで、「よく効く」という理由から医師たちが常備している薬は他にもある。
花粉症や鼻炎などのアレルギー症状に効く『クラリチンEX』をのんでいると話すのは、耳鼻咽喉科医の木村聡子先生だ。
「『クラリチンEX』も抗ヒスタミン酸が配合されているので、鼻水やじんましんなどのアレルギー症状が出た時におすすめです。のむのは1日1回。寝る前にのめば『副作用で仕事中に眠くなると困る』という人でも安心です」
湘南美容クリニックの美容皮膚科医・西川礼華先生は花粉症対策として、鼻炎薬の『アレジオン20』をすすめる。
「鼻がグズグズするけれど、病院で薬をもらう時間がないといった時には『アレジオン20』を使います。花粉症の薬は何種類も市販されていますが、眠くなるのが難点。『アレジオン20』は眠くなりにくいのがメリットです」
鎮痛剤
鎮痛剤では、やはり処方薬と同じ成分を持つ『ロキソニンS』を手元に置いているという医師が多かった。
「仕事の疲れからくる腰痛と頭痛によく効きます」(前出・木村先生)
ただし、処方薬と同じ成分を配合する薬はそれだけ“強い”ということでもある。
東邦大学大橋病院(産婦人科医)の高橋怜奈先生が言う。
「私もロキソニンをのんでいますが、胃の粘膜を刺激する作用があるので、食事が取れない時には胃薬を一緒にのむようにしています。『バファリン』は、ロキソニンよりもマイルドなので普段遣いには向いています」
救急救命医の中島侑子先生もバファリン派だ。
「頭痛、発熱、生理痛の時は『バファリンプレミアム』をのんでいます。ただ、マイルドなバファリンであっても、連日のんでいたら胃を傷めてしまったことがありました。どんな薬でものみすぎは要注意です」
渋谷セントラルクリニック院長でアンチエイジング専門医の河村優子先生は、『ロキソニンS』でも『バファリン』でもなく『タイレノールA』を愛用している。
「外出先で生理痛になった時はすぐに『タイレノールA』をのみます。胃が荒れる成分が入っていないため、仕事に支障が出ないのです」
※女性セブン2018年10月4日号