うるい、たらの芽、ふきで春の山菜レシピ|中華の名店「WASA」の料理人が伝授
独特の風味を味わう山菜。苦みを存分に味わいたいけれど、天ぷらしか思い浮かばない…。そんな方のために今回、家庭で簡単に作れるのに山菜の個性が際立つ絶品レシピを、今年初のひとつ星を獲得した中華「WASA」さんが特別に考案してくれました!
甘みを補うと山菜が活きる
野菜のていねいな下ごしらえと上品な味付けから生まれる、繊細な中華料理が評判を呼んでいる。
「山菜は香りや苦みはあるものの、旨みは少なめ。甘みは旨みになるので、甘酒や甜麺醤(テンメンジャン)などを調味料として使うと、バランスよく仕上がります。また、油通ししたり揚げ物にしたりと、油を使うことでもえぐみが抑えられ、旨みを感じやすくなります。
甜麺醤で作るふきみそは、ご飯のお供としてはもちろん、回鍋肉やえびチリといった料理の調味料として使ってもおいしいですよ」(山下さん)
うるいの甘酒炒め
繊細な香りと歯ざわりをやさしい甘さでシンプルに味わう
<材料>(2人分)
うるい…8本
長ねぎ…10g
しょうが…1片
サラダ油…大さじ1
水溶き片栗粉…小さじ1/2
[A]
甘酒…大さじ1
酒…小さじ1
塩…ひとつまみ
あさりのだし汁…大さじ1(水1Lとあさり500gを弱火で30分煮たもの)
三温糖…ひとつまみ
<作り方>
【1】うるいは3cm長さの短冊切りにし、茎はサラダ油適量で油通しをし、葉はサッと炒めてざるにとる。
【2】長ねぎとしょうがは小さな角切りにし、サラダ油とともにフライパンに入れて弱火にかける。
【3】【2】の香りが立ったら合わせた[A]を加え、ひと煮立ちしたら火を止め、水溶き片栗粉を加えて混ぜる。
【4】とろみがでてきたら【1】を加えて軽く混ぜる。
★油であくを抜く
うるいは、硬めの茎は約120℃に熱したサラダ油でサッと油通しし、柔らかい葉は軽く炒めておく。えぐみが抜け、食感もよくなる。
たらの芽の春巻き
サクサクふんわりの春巻き
<材料>(2人分)
たらの芽・春キャベツ・たけのこ(水煮)…各10g
ザーサイ…4g
太白ごま油・しょうゆ…各少量
春巻きの皮…2枚
サラダ油…適量
<作り方>
【1】たらの芽は葉を小口切りに、下の部分は、はかまを取り除いてせん切りにする。春キャベツは1cm幅の短冊切りに、ザーサイはせん切りにする。
【2】ボウルに【1】を入れ、なじむ程度のごま油としょうゆを加え、和える。
【3】室温に戻した春巻きの皮に【2】を等分にのせ、その上に薄く切ったたけのこをのせて(a)、巻く(b、c)。
【4】フライパンにサラダ油を入れて約80℃に熱し、【3】を入れて薄く色づくまで揚げる。
[a] 皮の角近くに具を置き、この角を持ち上げて巻いていく。具を細かく切り、あんを使わないことで巻きやすくなる。
[b] ひと巻き目は具を手で押さえてきつめに巻く。その後は空気を含ませるように、ふんわり巻いていく。
[c] 皮を巻いたら角を留める。最後に軽く握ると形が整う。揚げるとミルフィーユのようなサクサク食感に。
中華風ふきみそ
春巻きにほろ苦と甘みのアクセントを加える
<材料>※作りやすい量
ふきのとう…6個
太白ごま油…大さじ5
酒…適量
[A]
しょうゆ…小さじ1
三温糖…大さじ1
甜麺醤…大さじ3
<作り方>
【1】ふきのとうはみじん切りにする(a)。
【2】フライパンに太白ごま油と【1】を入れ、弱火でしんなりするまで炒める。
【3】ふきのとうがひたひたになるぐらいの酒を加えて煮立たせる。
【4】[A]を加え(b)、水分が飛んでとろみがつくまで煮詰める(c)。
[a] ふきのとうを丸ごと使っても、調味料の甘みで苦みが和らぐ。
[b] 焦げやすいのでフッ素樹脂加工のフライパンを使い弱火で調理。
[c] 水分が飛び、とろみがついたら完成。約2週間冷蔵保存可能。
教えてくれた人
山下昌孝さん
修業時代に岐阜の『開化亭』の店主と出会い、師と仰ぐ。同店で修業後、2005年に独立し、2020年に新たな店をオープン。今年、初のひとつ星を獲得。
中華「WASA」
住所:東京都渋谷区東3-16-1ベルサ恵比寿1階
撮影/深澤慎平 取材・文/西谷友里加
※女性セブン2022年4月7・14日号
https://josei7.com/
●春ならではの山菜絶品レシピ「わらびとあさりの混ぜご飯」「うどとうるいのしゃぶしゃぶ」