肺のまわりの筋肉を鍛えるトレーニング4選 深呼吸の基本「よこぶえ呼吸」をマスター
病気でもないのに、長引く咳や息切に悩んでいませんか。それは、“呼吸筋トレーニング”で治せるかもしれませんよ。毎日各1回ずつ行えば、肺も体も若返るはず。「吐く力」を強化する呼吸筋トレーニングを今から始めてみませんか?
正しい呼吸で肺まわりの筋肉を鍛える
肺はそれ自体が心臓のように動くわけではないが、肺の周囲に点在している呼吸筋群を鍛えることで、呼吸機能を向上させることが可能となる。では具体的にどう鍛えるか、見ていこう。
呼吸を正しく行うことで肺まわりの筋肉を鍛えられる。山王病院(東京・港区)副院長で呼吸器外科医の奥仲哲弥さんは、こう語る。
「その基本は、横隔膜を大きく動かす『よこぶえ&横隔膜呼吸』です。深呼吸というとほとんどの人がまず吸ってしまいますが、これは間違い。呼が先です。先に吐き切るのが深呼吸の大原則。息を吐き切ることで、吸おうとしなくても大きく息を体内に取り込むことができる。空き時間に“吐く力”を鍛えるこの呼吸法を実践するだけでも、肺のいいトレーニングになりますよ」(奥仲さん・以下同)
基本の「よこぶえ呼吸」から始めて、慣れたら鼻から息を吐く横隔膜呼吸に挑戦を。
「鼻から吐いて鼻から吸う“鼻呼吸”は、より難易度の高い上級者向けです。鼻呼吸には汚れた空気の浄化作用もあります。口を閉じて呼吸するために市販の鼻呼吸テープを利用するのもおすすめです」
さらに、呼吸に関係する筋肉を鍛えることも大切だ。
「呼吸筋は20種類以上ありますが、紹介している4つのトレーニングを毎日各1回行えば、呼吸筋とお腹の筋肉が鍛えられ、ぽっこりお腹も解消できますよ」
呼吸筋は骨格筋と違って体の深部にあり、ふだん動かしづらいだけに、腹式呼吸にかかわる横隔膜や、胸式呼吸に大事な肋間筋(ろっかんきん)、胸郭を広げるために重要な肩甲骨まわりのストレッチを毎日続けることが「肺活」に役立つのだ。
深呼吸の基本の「よこぶえ&横隔膜呼吸」
【よこぶえ呼吸】
【1】口から息を吐く
よこぶえを吹くイメージで口をやや横に広げ、薄く唇を開く。5秒ほどでしっかり息を吐き、吐き切ったら、さらにダメ押しですべて吐き切る。
【2】鼻から息を吸う
息を吐き切ったところで口を閉じて力を抜くと、鼻から自然と空気が体内に入ってくる。“口から強く吐く、鼻から自然に吸う”を繰り返し行う。
【横隔膜呼吸】
鼻から吐く
上級者になったら、本来の呼吸器官である鼻から吐いて鼻から吸う横隔膜呼吸にトライ。横隔膜を大きく動かし、“鼻から息をすべて吐き切って鼻から吸う”を繰り返すと、ダイエット効果も期待できる。