高木ブー、年末も大活躍「クリスマスライブにドラマ、ももいろ歌合戦…楽しみです」
「今年は盛りだくさんな一年だった」と、高木ブーさんは88歳を迎えた2021年を満足そうに振り返る。年末に向けても勢いは止まらない。豪華メンバーとのクリスマスライブを目前に控え、12月27日(月)にはテレビドラマ「志村けんとドリフの大爆笑物語」が放送される。「高木ブー」も登場するドラマへの期待をブーさんに聞いた。(聞き手・石原壮一郎)
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「生きているうちにドリフのドラマが見られるなんて光栄です」
ドラマの中で役者さんが自分を演じているのを見るのは、どんな感じなのかな。12月27日(月)の夜9時から「志村けんとドリフの大爆笑物語」が放送される。志村(けん)の役は山田裕貴君で、僕を演じてくれるのは加治将樹君。志村が長さん(いかりや長介)に弟子入りを志願して、やがて人気者になっていく中でのいろんなことが描かれているらしい。
あくまで志村がメインだけど、こうやってグループ丸ごとをモデルにしたドラマって、なかなかないんじゃないの。生きてるうちにドリフターズのドラマが見られるなんて、光栄だし嬉しいよね。加藤(茶)や仲本(工事)も、そう思ってるんじゃないかな。
撮影現場に激励に行ったことは、この連載で前にも話したっけ。そうそう、そのときは山田君以外の配役はまだ発表されてなかったんだよね。僕がスタジオに入っていったら、加治君が真っ先に、走って挨拶に来てくれた。
「高木さんの役をやらせていただく加治将樹です。夢みたいです」なんて言ってたかな。
僕のことをしっかり勉強してて、感心したな。横にいた娘を見て「かおるさんですよね」って初対面なのに名前を呼んだから、かおるが「どうして知ってるの?」と尋ねたんだよね。やり取りを聞いてた福田雄一監督が「彼はブーさんのYouTubeを見てますから」って。
演じる5人は、動きが本人によく似ている
演じる人について調べるのは当たり前と言えば当たり前なんだけど、昔のコントを見るだけじゃなくて、今の僕のことも知ろうと思うのはたいしたもんだ。たぶん、この連載も読んでくれてるんじゃないかな。
行ったのは、撮影初日だったんだけど、最初に「ドリフ大爆笑」のオープニングシーンをやってた。みんなで階段から下りてきて、腕を振りながら「ド、ド、ドリフの」って歌うやつ。5人とも動きが本人によく似てた。かなり練習したんじゃないかな。僕の役をやった加治君も似てたけど、たとえば加藤(茶)は体を少し傾けてちょっと粋な感じで揺れるんだよね。加藤役の勝地涼君は、指の動きも身体の揺れ方も加藤そのまんまだったな。
別の日に雑誌の対談で、僕と仲本と、それぞれを演じた加治君と松本岳君で話したんだけど、そのシーンを撮ったときは「みんなで喜びを嚙みしめた」って言ってた。「威勢のいい銭湯」のコントを撮ったときの話もしてて、みんなで長さん役の遠藤憲一さんを威勢よくガシガシ洗うのは楽しかったらしい。僕らもあのコントは、長さんへの日頃の恨みをぶつけることができたから、やってて楽しかったもんね。
ドラマの直前には、「ドリフ大爆笑」や「志村けんのバカ殿様」の人気コントを集めた「ドリフ&志村けんの年末爆笑コント祭り!」も2時間の特番で放送されるらしい。たっぷりドリフに浸ってください。懐かしいっていうだけじゃなくて、あの時代のパワーを感じたり見ていた頃の自分を思い出したりして、たくさんの人が元気になってくれるといいな。
「1933ウクレレオールスターズ」のクリスマスライブ
ドラマも楽しみだけど、その前にも楽しみなことがある。16日(木)には「1933ウクレレオールスターズ」で、クリスマスライブをやるんだよね。僕が1933年生まれだから「1933」。7人のメンバーにはそれぞれ“役職”が付いていて、サザンの関口和之さんはキャプテン、野村義男君はウクレレ王子、荻野目洋子ちゃんは歌姫。そして僕は、なぜか象徴。よくわかんないけど、けっこう気に入ってます。
今月に入ってからは、そのリハーサルがけっこうハードだった。でも、ウクレレや音楽のプロが集まってるから、たくさん刺激をもらえるし、演奏してて手ごたえみたいなのをすごく感じる。ほかの人の演奏を見て「そういう弾き方もあるのか」って勉強にもなるしね。
このあいだの日本武道館での「ドリフ&ももクロライブフェス」でもあらためて感じたけど、やっぱりお客さんの前で演奏するのは楽しい。やっとまたライブがやれるようになったもんね。長かったなあ。来年はハワイに行けるかな。行きたいなあ。
先日発表されたけど、大みそかには「第5回 ももいろ歌合戦」に出ます。あっ、会場はまた武道館だ。「日本武道館に出演した最高齢アーティスト」の記録を少し更新できるのかな。まだ言えないんだけど、大みそかの予定はそれだけじゃないんだよね。盛りだくさんだった一年を盛りだくさんに締めくくることができて、僕は幸せものです。
→高木ブー快挙 日本武道館に出演した最高齢アーティストに!「もっと記録を更新したい」と意欲満々
ブーさんからの一言
「ドリフとしても個人としても盛りだくさんの年だったな。コントにドラマ、年末はたっぷりドリフに浸ってください」
高木ブー(たかぎ・ぶー)
1933年東京生まれ。中央大学経済学部卒。いくつかのバンドを経て、1964年にザ・ドリフターズに加入。超人気テレビ番組『8時だョ!全員集合』などで、国民的な人気者となる。1990年代後半以降はウクレレ奏者として活躍し、日本にウクレレブーム、ハワイアンブームをもたらした。CD『Hawaiian Christmas』『美女とYABOO!~ハワイアンサウンドによる昭和歌謡名曲集~』『Life is Boo-tiful ~高木ブーベストコレクション』など多数。著書に『第5の男 どこにでもいる僕』(朝日新聞社)など。YouTube「【Aloha】高木ブー家を覗いてみよう」(イザワオフィス公式チャンネル内)も大好評。6月に初めての画集『高木ブー画集 ドリフターズとともに』(ワニ・プラス)を上梓。毎月1回土曜日20時からニコニコ生放送で、ドリフの3人とももクロらが共演する『もリフのじかんチャンネル ~ももいろクローバーZ×ザ・ドリフターズ~』が放送中。1933ウクレレオールスターズが出演する16日の「プレミアムパーティー・ウクレレクリスマス2021」は、チケットはすでに完売(ライブ配信チケットは好評発売中)。
取材・文/石原壮一郎(いしはら・そういちろう)
1963年三重県生まれ。コラムニスト。「大人養成講座」「大人力検定」など著書多数。最新刊「【超実用】好感度UPの言い方・伝え方」が好評発売中。この連載ではブーさんの言葉を通じて、高齢者が幸せに暮らすためのヒントを探求している。