高木ブー「ももクロとのライブ、志村とドリフを描いたドラマ…年末に向けて盛り上がってます」
初めての画集が大ヒット、ドリフのコントに若手芸人が挑戦したテレビの特番、大阪でも東京でも大盛況だった「志村けんの大爆笑展」(11月6日から仙台で開催)、そして間近に迫ったももクロとの武道館ライブなどなど。高木ブーさんとドリフターズ周辺がこのところ一段と盛り上がっている。ブーさんに最近のあれこれを語ってもらった。(聞き手・石原壮一郎)
ドラマの中で僕の役を誰が演じるかはまだ内緒
このあいだドラマの撮影現場に行ってきた。『志村けんとドリフの大爆笑物語』っていう志村の半生を描いたドラマで、12月にフジテレビで放送される。志村を演じるのは、今をときめく山田裕貴君。脚本と演出は、映画もドラマも大ヒットした『今日から俺は!!』とか、面白い作品をいっぱい作っている福田雄一さん。間違いなく楽しめるドラマになりそうだよね。
ドラマのことが発表されたら、ネットで「長さんやカトちゃんは誰がやるんだろう」「福田組の俳優で高木ブーができる人となると…」なんて、いろんな推測が飛び交ったらしい。志村以外のメンバーを誰が演じているかはまだ内緒だけど、ドラマを見たら「あー、なるほど」と思うんじゃないかな。
僕の役をやってくれた俳優さんも、高木ブーの特徴をよくつかんでくれてた。並んで写真を撮ったんだけど、本当の身内みたいに見えるもんね。実際のドリフターズとの違いは、みんな背が高くてカッコいいところかな。そこも楽しみにしてください。
ドラマの撮影が始まる前だけど、スタッフの人が僕と加藤(茶)と仲本(工事)に聞き取りをしたんだよね。『8時だョ!全員集合』の稽古はどんなふうにやってたとか、入った頃の志村はどんな感じだったとか。でも、なんせ昔のことだから、細かいところになると3人の意見が食い違っちゃう。「あの時、長さんはこう言ったよね」「いや、こう言ってた」なんてね。同じ場所で同じことをやってたはずなのに、人間の記憶って不思議だなと思った。
戦隊ヒーローものは、孫と一緒によく見ていた
志村役の山田君は、僕にとっては『海賊戦隊ゴーカイジャー』のゴーカイブルーなんだよね。もう10年ぐらい前だけど、あれが彼のデビュー作なのかな。その頃は孫のコタロウといっしょに、スーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズを熱心に見てた。菅田将暉君と桐山漣君が『仮面ライダーW』に出てたのは、そのちょっと前かな。
その頃から戦隊ものとかは、お母さんを意識してなのかもしれないけど、イケメン俳優が出るようになったよね。そこでデビューして、一般のドラマで人気者になる俳優さんも多い。佐藤健君も『仮面ライダー電王』の頃から見てたし、松坂桃李君もいまだに「あっ、『侍戦隊シンケンジャー』のシバタケルだ」と思っちゃう。
『仮面ライダー電王』は、コタロウがとくに大好きだった。「電王」と『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のファン向けのイベントがあるっていうんで、いっしょにテレビ朝日に行ったんだよね。仕事じゃなくて、まったくのプライベートで。仮面ライダーたちと写真を撮る列に普通に並んでたんだけど、スタッフの人が僕を見つけて、あわてた様子で「す、すみません。混乱するといけないので、こちらへ」って控室に案内されちゃった。べつにそのまま並んでてもよかったんだけど。
僕のアルバムには、スーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズに出てた俳優さんと、コタロウや僕とのツーショット写真がけっこうある。これだけたくさん正義の味方と知り合いなら、もし悪者に襲われたりとか危ない場面になっても、すぐに助けに来てもらえそうだよね。あっ、だけど、どうやって呼べばいいのかな。
ツーショットといえば、今シーズンで引退した日本ハムの斎藤佑樹投手と撮ったのもある。彼が入団した年の沖縄キャンプの時だから、ちょうど10年前かな。甲子園で優勝した時の試合も見てたし、早稲田大学で活躍してた頃から応援してた。プロに入ってからはケガで苦労したけど、あきらめずによくがんばったよね。立派だったと思うよ。イケメンだし頭もいいし、引退後も引っ張りだこになるんじゃないかな。
11月18日の「『ドリフ&ももクロ ライブフェス』~コントもあるョ!全員集合」の準備は、そろそろ佳境に入ってくる。ドリフとももクロのコラボで何を歌うかとか、そのへんはだいたい決まってきた。コントの稽古は、これからが本番だね。
ももクロとのライブフェスも楽しみいしていてください
やっぱり日本武道館はドリフにとっては特別な場所だから、独特の緊張感がある。普通のホールとは広さがぜんぜん違うしね。雷様のコントにしても武道館に合ったやり方を工夫しないと。せっかくやるんだから、僕にしても加藤や仲本にしても、これまでのキャリアの集大成っていうか、最高のコントを見てもらいたいもんね。
ブーさんからのひと言
「山田裕貴くんが志村を演じる『志村けんとドリフの大爆笑物語』は、面白いドラマになりそうです。他のドリフのメンバーや僕の役を誰がやるのかは、まだ秘密。楽しみにしていてください」
高木ブー(たかぎ・ぶー)
1933年東京生まれ。中央大学経済学部卒。いくつかのバンドを経て、1964年にザ・ドリフターズに加入。超人気テレビ番組『8時だョ!全員集合』などで、国民的な人気者となる。1990年代後半以降はウクレレ奏者として活躍し、日本にウクレレブーム、ハワイアンブームをもたらした。CD『Hawaiian Christmas』『美女とYABOO!~ハワイアンサウンドによる昭和歌謡名曲集~』『Life is Boo-tiful ~高木ブーベストコレクション』など多数。著書に『第5の男 どこにでもいる僕』(朝日新聞社)など。YouTube「【Aloha】高木ブー家を覗いてみよう」(イザワオフィス公式チャンネル内)も大好評。6月に初めての画集『高木ブー画集 ドリフターズとともに』(ワニ・プラス)を上梓。毎月1回土曜日20時からニコニコ生放送で、ドリフの3人とももクロらが共演する『もリフのじかんチャンネル ~ももいろクローバーZ×ザ・ドリフターズ~』が放送中。11月18日開催の『ドリフ&ももクロ ライブフェス』~コントもあるョ!全員集合」は、イープラスでチケット好評発売中!
取材・文/石原壮一郎(いしはら・そういちろう)
1963年三重県生まれ。コラムニスト。「大人養成講座」「大人力検定」など著書多数。最新刊「【超実用】好感度UPの言い方・伝え方」が好評発売中。この連載ではブーさんの言葉を通じて、高齢者が幸せに暮らすためのヒントを探求している。