65才以上は注意!誤嚥性肺炎予防にのどを鍛える「昭和のおもちゃ」「パタカラ体操」
現在、日本人の死亡原因の4位に入るのが肺炎。その中で、65才以上の罹患率の96%を占めるのが、誤嚥性肺炎だ。専門医によると、誤嚥性肺炎を防ぐためにはのどを鍛える必要があるという。おすすめのグッズとトレーニング方法を紹介する。
誤嚥性肺炎の死亡率は65才以上が96%!
「年齢を重ねると、筋肉の衰えは避けられません。そのために足腰を鍛えることも大切ですが、それ以上に気をつけなければいけないのが誤嚥です。
誤嚥(ごえん)は、本来食道に入るはずの食べ物や飲み物、さらに唾液が誤って気管に入ってしまうもの。誤嚥性肺炎で亡くなる人は年間4万人近くいますが、高齢者がかかる肺炎の中で最も多く、65才以上が96%を占めています」
と言うのは、長年、介護予防トレーナーとして活躍している久野秀隆さん。
誤嚥の原因は、ものを飲み込み、異物を外に押し出す嚥下反射機能の低下が考えられる。
「この機能は、加齢によってのどの筋肉や腹筋が衰え、肺活量が衰えることで低下し、誤嚥を引き起こします。コロナ禍で人と話す機会が減ったいまは、この機能の低下が深刻です。その上、マスク生活で呼吸も浅くなっているので、声を出す、肺活量を増やすなどのトレーニングを行うことが大切です」(久野さん・以下同)
のどを鍛える「昭和のおもちゃ」
久野さんは、トレーニングには、昔ながらのおもちゃが効果的だと言う。
「昭和のおもちゃの『吹き上げパイプ』は、吹くときに自然と腹式呼吸になるので腹筋が鍛えられ、肺活量が増えます。これでのどの筋肉も同時に鍛えられますよ」
●『吹き上げパイプ』
「1日3分間を目安に口をすぼめてフーッとボールが浮くまで、長い息で吹き上げパイプを吹きましょう。顔まわりや舌の筋肉、腹筋や肺活量を鍛えられます」
●『長息パイプ』4378円/アメイズプラス
液体力学と人間工学に基づいて開発され、1日3分吹くだけで、飲み込む力と吐き出す力が鍛えられる。
食べる前に「パタカラ体操」を
パタカラ体操はお口の代表的な体操のひとつ。食べ物を上手にのどの奥まで運ぶ動作を鍛えるための運動です。食前には「パ」「タ」「カ」「ラ」をはっきりと発音する体操を。
「パパパパパ」「タタタタタ」「カカカカカ」「ラララララ」を各3回繰り返すのもいい。
口腔ケアも重要なポイント
さらに、久野さんは続ける。
「虫歯や歯周病など口腔内には雑菌がいて、それらを含んだ唾液が肺に入ると肺炎を起こします。常に口腔内を清潔にしておくことが予防には不可欠です。
それと、意外に見落としがちなのが舌。舌の上にある『舌苔(ぜったい)』は雑菌のかたまりなので、専用クリーナーで取り除きましょう。洗口液で口の中を洗い流し、常に清潔に保っておくことも大切です」
●口内ケアを念入りにし雑菌繁殖を防ぐ
●舌の汚れを除去できる『Dr T’s 舌苔美人』(330円)
●絹のような歯ブラシ『Dr T’s シルク歯ブラシ』(770円)
●ともに湘南メディカルパートナー。重曹とお茶の力でニオイをオフ。
『歯磨撫子 重曹すっきり洗口液 200ml』(1650円・石澤研究所)
安心安全なおうち時間を過ごすために、できることはいろいろありそうだ。
教えてくれた人
久野秀隆さん/介護予防トレーナー
取材・文/廉屋友美乃 イラスト/鈴木みゆき
※女性セブン2021年11月14日号
https://josei7.com/
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