兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第111回 「生物学」で現実逃避の巻】
「人はなぜ生きるのだろうか」という深淵なテーマが今回のお話です。認知症だった母の介護や看取りを経て、現在は若年性認知症を患う兄と2人で暮らすツガエマナミコさんが、“生物学的”な視点で認知症を考えてみたのですが…。
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

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認知症は長寿の中で枝分かれした多様性なのか!?
「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」
これが画家ポール・ゴーギャンの作品タイトルだと知ったのは、お恥ずかしながらつい最近のことでございます。いわずもがな知的YouTubeチャンネルのクイズで知りました(笑い)。
両親を見送り、若年性認知症の兄を介護するようになる前から、この手の疑問はわたくしの中にもありました。「なんでどうせ死ぬのに生きなければいけないのだろう」という中2病的な発想でございます。
でも、50歳を過ぎて身内の死や介護を経験するようになって、益々「生きている意味」が掴めない状況になってきました。いえいえ、ご心配なさらないでいただきたい。お話ししたいのは「生き物全般」であり、いわば「生物学的に」ということでございます。
そんな折、本屋さんで出