介護リハビリを無料で! デイサービス閉鎖で広がるコロナ支援の輪
新型コロナの影響でデイサービス閉鎖が相次ぎ、これまで通りの介護やリハビリが受けられない…。利用者の運動不足や身体機能の低下を不安視する理学療法士や作業療法士などの専門職たちによる、リハビリ動画や運動マニュアルを無償提供する支援が始まっている。
コロナでデイサービス閉鎖の悲鳴・続報
「介護施設の利用者さんたちは、外部のデイサービスに通っていましたが、3月初めごろからデイサービス閉鎖でみんな鬱々としています」と、介護現場で働く40代の看護師から悲痛な声が寄せられた。→関連記事「介護現場の悲痛な声」を読んでみる
「その後もデイサービスは閉鎖されたままで、みんなストレスがかなり溜まっていますよ。デイサービスに行けないから施設内で体操をしてもらうなど、普段と違うプログラムを組んでいますが、新たな仕事が増えて働く人たちの疲れも増しています。車いすからの転倒などヒヤリハット事例も増えていて…」(40代看護師)
コロナの影響で介護現場の悲痛な声は増す一方だ。そんな悩みを抱える人に向けた、自宅でできるリハビリや運動の無料サービスを紹介する。
症状に合わせたセミオーダーのリハビリ動画
「感染が不安でリハビリを休んでいる」
「外に出ないので、体が弱ってしまうのが心配」
兵庫・西宮を拠点に活動する理学療法士の生野達也さんの元には、コロナの影響でデイサービスやリハビリに通えなくなった人たちの相談が急増しているという。
そこで「日本全国の困っている人たちの笑顔のためにできる支援をしたい」と、生野さんが運営するリハビリ施設『動きのコツ研究所リハビリセンター』ではリハビリ動画の無料提供サービスを開始。
このサービスは、個人の悩みや症状に合わせたリハビリ動画を選定し、メールで届けてくれるというもの。
脳梗塞や脳出血による後遺症のリハビリ動画のほか、高齢者のひざ痛や、足腰の弱りなどの相談も受け付けている。無料期間は、2020年4月30日までとなっている。
●リハビリ動画のメールが届くまで
【1】動きのコツ研究所リハビリセンター(0798-32-8502)に電話で症状や悩みを相談。
【2】YouTube上に公開している550本の動画の中から、症状に合わせたリハビリの動画を厳選し、リハビリの手順が整理されたメールが届く。
【データ】
動きのコツ研究所リハビリセンター
電話0798-32-8502 https://ugoki-no-kotsu.com/
2500種の運動マニュアルを無料提供
「コロナへの感染の不安からデイサービスに行けず、自宅療養している利用者さんも数多くいらっしゃいます。高齢者の身体能力低下を防ぐには、毎日少しずつでも適度な運動を続けることが大切です」
こう語るのは、作業療法士の大久保亮さんだ。
大久保さんが代表を務めるRehab for JAPAN(リハブフォージャパン)では、デイサービス向けにリハビリ訓練ソフト『リハプラン』(https://rehaplan.jp/service)を提供しているが、この状況下に少しでも、高齢者の介護予防に寄与できればと、一部サービスの無料提供を開始。
「コロナの影響でデイサービスの閉鎖など、これまで通りの介護やリハビリを受けられなくなった高齢者の運動不足や身体機能低下を防ぐために、緊急支援として『自宅でできる介護リハビリ』特設サイトを設置しました」(大久保さん)
特設サイトでは、通常は『リハプラン』の契約事業所のみに提供している約2,500種類の『運動マニュアル』を希望者に無償で提供している。なお、現時点では無料期間は2020年4月30日までを予定している。
●2500種の運動マニュアル利用方法
【1】利用登録して特設サイトにログイン
【2】運動マニュアルを検索する
【3】マニュアルを印刷して利用する
【データ】
Rehab for JAPAN特設サイト「自宅でできる介護リハビリ」 https://rehaplan.jp/keeprehab/
構成・文/介護ポストセブン編集部
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