高齢者の運転 賛否両論のアンケート結果をどう考えるべきか
3月12日には道交法が改正され、高齢者の運転がますます注目されることに。そこで、「高齢者の運転」をテーマに、『女性セブン』読者にアンケートを実施(※)。すると、賛成は44.6%、反対は55.4%と賛否両論。あなたはどう考える?
※セブンズクラブ会員(全国の20~80代の男女)560名が回答(実施期間 2017年3月17~29日)
運転に自信がある高齢者ドライバーの過信が事故につながる
警察庁の調べによると、2005年末からの10年間で、75才以上の免許保有者が2倍以上に増加。高齢ドライバーは今、全国的に増えているのだ。そんな中、今年3月の道路交通法改正で、事故防止の強化とし、75才以上の高齢者講習は認知機能検査の結果で受講内容が変わることに。
「高齢ドライバーの多くは、自分の運転に自信があり、その過信が事故につながることが多いんです」と、新東京自動車教習所の横川亘さん。
「身体機能は徐々に衰えるので自覚しづらい。特に視野が狭くなるのが問題で、例えば、狭い路地から大通りに出る時、本人は左右確認をしているつもりでも、斜め後ろまでは見えていないことが多いんです」(横川さん)
ではやはり、身体能力が衰えた高齢者は、運転を控えた方がいいのだろうか。一方で、免許を返納すると問題が起きると、山梨大学工学部機械工学科の伊藤安海さんは言う。
運転をやめると、認知機能低下が加速する例も
「認知機能が低下気味の人が運転をやめると、症状が加速するケースも」(伊藤さん)
目や耳、脳などの五感をフル稼働させ、道の選択や瞬時の判断をする運転は、最適な“脳トレ”なのだ。
「認知症による事故ばかりが注目されていますが、心筋梗塞などの病気による事故の方が死亡事故につながっています。また、高齢者が事故を起こすリスクは初心者の若者に比べて低いという統計データも」(伊藤さん)
技術と健康、両面を客観的にチェックを
地方では、車を奪われれば、生活の足がなくなり、死活問題に。運転を続けるなら、家族が同乗したり、ドライブレコーダーに運転している姿を記録して、運転技術と健康の両面を客観的にチェックするなどが大切といえる。
※女性セブン2017年5月11・18日号