認知症予防のエンタメ!「若返りリトミック」人気の秘密
リトミックといえば、音楽を使った幼児教育として、昔から知られているが、最近は、高齢者を対象とした「若返りリトミック」という講座が東京都をはじめ埼玉県や宮城県など、複数の自治体で開催され、人気を集めているという。
「若返りリトミック」とは、実際どんなものなのだろうか。そして、どんな効果が期待できるのか? 若返りリトミック指導者として、全国で活躍する音楽療法士、濱田幸子さんと松島裕子さんの2人に解説してもらった。
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「セラピー」+「レクリエーション」で若返り
濱田さんと松島さんは、東京都世田谷区にある国立(くにたち)音楽院で「音楽療法」を学んだ同級生。在学中から、音楽療法のメソッドを活用して実習やボランティア活動を行ってきた。5年前、学院の勧めでコンビを組み、自治体や老人会などが主催する若返りリトミック講座の講師を務めている。
まず、元音楽教員で、日本音楽療法学会の認定音楽療法士でもある松島さんに、若返りリトミックについて解説してもらった。
「若返りリトミックとは、音楽の力を使って『あたま』『からだ』『こころ』の3つを若返りさせていこうとする音楽療法です。音楽療法とは、音楽が持つさまざまな働きを通じて、心身の機能の維持や回復、生活の質の向上などを目指すセラピーのこと。本来ならクライアント一人ひとりのニーズや課題を見極めて、それに応じた音楽活動を行い、振り返りをしてまた次につなげていくといったことをしていくのですが、高齢者施設など大人数で一斉に行う場合は、なかなかそうもいきません。
そこで、音楽療法のメソッドにレクリエーション的な要素を加えたものが、若返りリトミックです。大勢が一緒に楽しみながら、心身の健康を維持・向上させることができる、まさに『いいとこ取り』のセラピーなんです」