山岡まさえさん、白髪染めをやめたらラクになった「ファッションも生き方も還暦過ぎて自由になった」
SNSの総フォロワー数20万人を超え、そのライフスタイルにも注目が集まる山岡まさえさん。美しいグレイヘアやシンプルな着こなしは60代女性のお手本にもなっている。お気に入りのものに囲まれて暮らし、好きな人たちとつながることを大切にしている山岡さんの将来や終活について聞いた。【Vol.3/全3回】
プロフィール/山岡まさえさん(61才)
1965年大阪府生まれ。ハンドメイド技法「グルーデコ(R)」を考案し、2013年に一般社団法人日本グルーデコ協会を設立。代表理事として講師育成や技法の普及に取り組む。「グルー継ぎ(R)」の普及にも力を注ぐ。著書に『60歳、服を7割手放して「ときめく暮らし」がはじまった』(Gakken)、『60代からの着こなし365日』(自由国民社)など。著書3冊の累計発行部数は3万部を超える。Instagram Threads note
60才になって自由になった
60才で服を7割手放したいきさつやコーディネートを公開した著書が話題となりました。「還暦」を迎え、心境の変化はありましたか。
「だって私もう60才だからね」って、還暦をふりかざして開き直れるようになったというか(笑い)。言いたいことを言えるようになりましたね。「こうあらねばならない」とか、心の“かせ”のようなものがなくなって、自由になった気がしています。
――グレイヘアが素敵ですが、何かきっかけがあったのでしょうか。
10年ぐらい前から白髪染めをやめて、グレイヘアにしています。
若い頃から白髪体質だったので、長年白髪染めを続けていたんです。ずっと子供たちの授業参観や入学式、卒業式に出るとき、母親が白髪だと子供はどう思うかなと考えてしまってなかなか踏み切れませんでした。下の子が大学卒業したのをきっかけに、グレイヘアにしようと白髪染めをやめました。
ちょうどその頃、芸能人や著名なかたたちにもグレイヘアにされるかたが増えてきたこともあって、グレイヘアにしたらもう、いいことばっかり!
――キレイなヘアを保つ秘訣はありますか。
私の頭皮には『牛乳石鹸』がすごく合っているんです。いわゆる“赤箱”と呼ばれているもの。頭皮が弱いので市販のシャンプーに含まれているシリコンが合わないみたいで…。
頭皮も肌の一部ですから、刺激がなくて肌にやさしいものをと思って、長年使い続けています。洗った後に髪がきしむので、トリートメントはたっぷり使っています。牛乳石鹸を使い始めてから頭皮の状態もすごくいいんです。
長年2週間に1度、白髪染めをしていたのですが、もともと敏感肌なんです。頭皮にかゆみがあってフケも出るのがコンプレックスでした。白髪染めをやめたらそれが一切なくなって、美容師さんからも頭皮の状態がすごくいいと褒められるようになりました。
――ファッションにも変化があったとか。
グレイヘアにしたことで、服の選び方も変わりましたね。白髪の自分に似合う色を探すようになりました。黒とか暗い色の服だとより老けて見えるので、明るい色のアクセサリーを合わせるとか。カジュアルな服装のときこそ大ぶりのアクセサリーを身につけるとか。ネックレスは顔まわりを華やかに見せてくれるのでマストアイテムです。
年齢とともに似合う服は変わってくると思いますが、振り返ってみると、私はずっと理想の自分を追い求めて、「いい母でなければいけない」「いい人でなければいけない」「頑張っている姿を見せなくてはいけない」って、勝手に他人の評価を気にして自分をがんじがらめにしていたんです。
これまで子育ても介護も経験して頑張ってきたんだから、他人の評価ではなく、「自分がどうしたいか」を大切にして生きていこうと思ったら、ラクに生きられるようになりました。
元気なうちに自分の最期を考えておきたい
――現在61才ですが、ご自身の老後のことを考えていますか。
元気なうちから高齢者向けの住宅で暮らせたらいいなと思っています。賃貸ではなく、分譲型のマンションなら子供たちに資産として残せるかなと思って。動けなくなってから施設に入るのではなく、元気なうちに自分で選んで暮すのが理想です。
住んでいる人たちが同じ世代なら、コミュニティも作りやすいかなと思います。同じマンションに住んでいる人たちと習い事をしたり、映画を見に行ったりね。
私はハンドメイドを通じて、たくさんのコミュニティを作ってきたから、やっぱり好きなことでつながっている人たちと一緒に過ごしたい。同じ環境で、好きなことが一緒の人たちとコミュニティを作っておけば、老後も楽しい暮らしができるんじゃないかなと思います。
先日、おいしいお寿司屋さんに行ったとき、70代後半の高齢女性が5人くらいで、とても楽しそうなんですね。
お話を聞いてみたら、同じ高齢者向けのマンションに住んでいて、月に1度おいしいものを食べているというんです。旦那さんたちはみんなでゴルフに行っているので、ゴルフ代と同じくらいの金額でお寿司を食べに来られたそうです。こういう関係が理想だなと、彼女たちのような存在は心強いですからね。老後は子供に頼るんじゃなくて、身近なコミュニティを作って助け合えたらいいじゃないですか。
――お子さんとも老後や介護の話をされるんですか。
ええ、よく話しをしますね。息子たちは私たちが親の介護をしているのを見ていたので、次は自分の番だと思っていたようですが、考え方が変わってきたそうなんですよ。
職場の上司や先輩たちが、「親の介護はプロに任せて、その費用を自分たちで出すつもりで稼げる人になった方がいい」と話しているんだそうです。
最近は企業でも社員が介護で疲弊しないように、働きながら介護をするための制度を整えていますよね。介護があっても社員がゆとりを持って働き続けられる。そういう社会にもっともっと近づいていくのが理想ですよね。
――ご自身は親の介護を経験されましたが、お子さんには介護は望まないと。
これからの時代、介護される側も意識を変えていかないといけませんよね。私たちの時代は、親の介護は子供が担うのが当たり前みたいな風潮でしたけど、今は時代が違いますから、子供たちには迷惑をかけたくないですよ。
私自身も介護はプロに任せたい。その方が気持ちも割り切れるような気がしますね。最期まで自宅で過ごしたいという声も聞きますが、家にこだわって家族の手を患わせるのなら、施設に入ったほうが気持ちの面で自由な気がします。
還暦を過ぎて今61才ですが、「もう老後のことを考えているの?」と言われることもありますが、これから先は自分が生きたいように生き、最期も自由に自分で決めていきたいと思っています。
シニア世代にこそSNSはおすすめ
――シニア世代への読者にメッセージをお願いします。
これまで好きなハンドメイドを通じてコミュニティを作ってきました。そして50代からはSNSを通して、多くのかたたちとつながることができました。 思い返せば、これまで人とつながるコミュニティの大切さをずっと伝えてきた気がします。好きなアイドルとか、推し活でもなんでもいいと思うんですが、共通の思いがある人たちとつながるのってとても楽しいものです。
リアルで知り合った人じゃなくても、SNSであっても血が通ったコミュニティがあるんです。フォロワーさんとコメントでやりとりをするのも好きな時間です。
介護中は孤独になりがちですが、SNSで同じ思いをしている人とつながれば、「自分ひとりじゃない」と感じることができて、気持ちもラクになると思います。SNSで何かしらのコミュニティに属していれば、安否確認にもなると思いますし、寂しい老後にはならないんじゃないかな。
自分が好きだっことは何か、自分が楽しいと思うものは何か、本当に着たい服は何か、もう一度思い出してみましょう。世界の中心はあなたです。
取材・文/廉屋友美乃
