《1日1分の足踏みで足腰が変わる》100才まで歩ける体を目指す「超歩行」の正しい立ち方と3つのステップ
背筋を伸ばし、地面を蹴ってきびきびと歩く――ウオーキングは体を引き締め、健康長寿につながる効果があるが、無理をすれば足や腰の痛みを引き起こすことに。60才を過ぎたら、「痛まず、疲れず、いつまでも元気に歩く」のが正解。そのヒケツが、東洋医学にありました。足裏全体でなめらかに着地し、地面を蹴らずに足を上げて進むことで体への不可がかかりにくく、100才まで歩ける足が目指せる「超歩行」について、鍼灸師の稲村崇さんが教えてくれました。
「超歩行」の基本の立ち方
「超歩行」といっても、さほど難しくないと稲村さん。
「ただひざを真上に上げ、下ろす動作を繰り返すだけ。それよりも重要なのが、重心を整えることです」(稲村さん・以下同)
最初にやるべきことは、「正しい姿勢と重心で立つ練習」《1》。実践する前に、自分が思う「いい姿勢」で立ってみよう。
「多くの人は胸を張り、腰を反らし、ひざがぴんと伸びた姿勢になってしまいます。しかし、その姿勢だと反り腰になって重心が前方にかかるため、痛みやゆがみが起きてしまう。それでは超歩行の効果が出ません」
効果を得られる超歩行の基本の立ち方を、稲村さんが解説する。
「軽く足を開き胸を張らず、股関節とひざを軽く曲げて立ちます。曲げるといってもゆるませる程度です。
このとき、かかとの外側あたりに重心がきます。『こんなに後ろなの?』と怖く感じる人は、前傾姿勢になっている証拠。この姿勢の状態で親指を軽く上げてみると、正しい重心を体感できます。まず、この重心を体に覚えさせることから始めましょう」
骨格で見ると、すねと足の骨をつなぐ「距骨」の真上に重心があるのが理想。
「この重心で立った姿を横から見ると、耳・肩・股関節・くるぶしがタテ一直線上に並んでいます。体の一部分に負担をかけることなく、骨格全体で体を支えられている状態です」
実践:「超歩行」の体づくり
「正しい重心で立てたら9割歩けたも同然」と稲村さん。自己流のクセがつかないよう、家の中で歩く練習をしてみよう。次は、「その場で足踏みする」《2》に進もう。
「ふだんのかかと着地と、足裏着地との違いを感じながら1分足踏みします」
《2》「その場で足踏みする」やり方
「正しい立ち方と重心」がきちんとできていることを確認したら、片方のひざをまっすぐ上げてそのまま下ろし、反対側のひざをまっすぐ上げて下ろすを繰り返すだけ。ひざは軽く上げればOK。
ひざを伸ばしきらないよう、軽く曲げた状態で行うこと。地面を蹴ったり、どしんと着地したりするのは間違いだ。
「筋力がないと足踏みだけでもつらく感じるかもしれませんが、毎日1分程度続けていると確実に足が上がりやすくなります。足裏全体で着地していることに意識を置きながら、ゆっくりと行いましょう。体に痛みがある場合は無理して行わず、痛みがなくなってから行うようにしてください」(稲村さん・以下同)
次に紹介する「スワイショウ」《3》は体の軸を整える中国の健康体操だ。
《3》「スワイショウ」で体の軸を整える
【1】足は肩幅くらいに広げ、肩の力を抜いて立つ。
【2】腰に手を置き、顔は正面を維持したまま、骨盤を軸に体を左右にねじる。肩で回さないように注意する。
【3】【2】が慣れてきたら、左右の腕の振りを加える。腕に力を入れず、骨盤を中心に回旋している(腕はあくまでついてくるイメージ)のを意識すること。これを4分間行う。
「シンプルですが、筋肉をほぐし、体の軸を整えることができるおすすめの体操です。体に力を入れず、脱力するほど効果があります。起床時や、入浴後に行うと体がスッキリします。手を振る際、腎のツボに刺激が加わるため、夜間頻尿や冷え症に悩むかたにもぴったりです」
「歩くときに体が左右に揺れたり、よくつまずく人がこれを行えば、歩行姿勢が安定します」
重心・姿勢・足踏みを体得したら、あとは足を前に出して歩くだけ。腕は自然に下ろしておこう。
「足裏全体で優しく着地し、骨盤の移動に伴って足が自然と後ろへ抜けるのが理想の歩行。コツは、股関節とひざをゆるめる意識を持つこと。そして、2本のライン上を歩くイメージで体をひねらないよう注意する。この歩き方は、赤ちゃんの『よちよち歩き』と同じ。まさに超歩行のお手本です。
はじめのうちはぎこちない歩き方になりますが(笑い)、慣れると自然に歩けます。荷物を持たずに歩き、股関節とひざ、重心を意識しましょう」
超歩行の場合、難しいのが靴選びだ。
「主流のスニーカーはかかと着地の歩きを後押しするデザインのため、超歩行には適していません。はだしに近い感覚で歩ける『ベアフットシューズ』やぞうり、フラットなビーチサンダルなどがおすすめです」
スニーカーを厳選するなら、「アーチサポートのないもの」「足指のつけ根で曲がるもの」「わずかにねじれるもの」「かかと部分に芯材が入っていて、しっかりしているもの」を選ぼう。
◆教えてくれた人・鍼灸師・稲村崇さん
足専門の治療院「京都コンディショニング」院長。登録者数50万人超の人気YouTube「足底筋膜炎専門ちゃんねる」を運営。新著に『10年治らなかった足・腰・膝 慢性の痛みがつまんで、ひっぱるで消えた』(KADOKAWA)がある。
取材・文/佐藤有 出典/稲村崇著『痛み・体調不良・病気すべて解消できる超歩行』扶桑社
※女性セブン2026年10月1・8日号
