スマホカメラで映え写真に挑戦!知っておくべき基本設定の使い方をプロカメラマンが伝授【最新アプリ紹介つき】
多彩な機能を搭載し、一眼レフカメラ並みにきれいな写真が撮れるスマホカメラ。しかし、使いこなせていない、という人も……。そこで、スマホ撮影がもっと上手になる簡単テクをプロカメラマンから教えてもらいました。
教えてくれた人
吉住志穂さん/プロカメラマン、iPhoneフォトアドバイザー、花写真家
日本写真家協会会員、日本自然科学写真協会会員。個展開催のほか、写真専門誌やウェブサイトでの執筆、撮影講座の講師としても活躍中。著書に『ほんのひと手間で劇的に変わる スマホ写真の撮り方』(技術評論社)。
鈴木朋子さん/ITジャーナリスト
素敵な写真を撮るのに“最新機種”は必要なし!
「スマホカメラの性能は年々上がっているものの、使い方がよくわからないし、センスがないから撮影は苦手……という人がいらっしゃいます。でも、代表的な機能を覚えてコツをつかめば、誰でも素敵な写真が撮れますよ」
とは、スマホカメラ撮影の指導を行うプロカメラマンの吉住志穂さん(「」内以下同)。
必ずしも最新の高性能機種を購入する必要はないと吉住さんは言う。
「最近のスマホカメラは、広角レンズと超広角レンズを搭載した2眼レンズタイプか、望遠レンズをプラスした3眼レンズタイプが主流。レンズの数が増えるほど写真の精度もアップしますが、使いこなすべき機能は古い機種や2眼レンズにも搭載されている基本的なものなので、最新機種にこだわる必要はありません」
具体的な撮影テクを紹介する。
※本企画では、「iPhone14」の画面とアイコンを使って解説しています。操作方法もiPhoneのカメラを例にしているため、すべてのスマホカメラと共通しているわけではありません。
<Before>
<After>
2つの写真は同じケーキセットを撮ったもの。違いは皿の配置とアングル、スマホカメラのモード設定だ。
「食べ物の場合は特に、最も見せたい主題(ケーキ)を手前に置き、奥行きを出すのがおすすめ。さらに『ポートレート』モードにすると、主題にのみピントを合わせて背景はぼかせられ、雰囲気のある写真になります」(吉住さん)。
<映え写真になるテク基礎編>絶対に使いこなすべき設定&機能4選
昨今のスマホカメラにはさまざまな機能が搭載されているが、どんな撮影にも活用できる“技”が上記だ。「設定しておくと便利なのが『グリッド線』、覚えておくと便利なのがピントの合わせ方と、広角&望遠レンズの使い方、『ポートレート』モードの使い方です」(吉住さん・以下同)
これらの機能や設定を覚えたら、背景やアングルも意識してみよう。
「撮りたいもの(主題)に目が行きがちですが、看板や通行人など余計なものが背景に写らないように注意することも大切。撮り方がわからないときは“素敵”と感じる写真のまねをしてみましょう。構図やアングルの参考になります」
百聞は一見に如かず。実践しながら覚えていこう。
<1>さまざまな設定はメニューから
うまく写真が撮れない、という人ほど基本設定や機能を知らないことが多い。まずはさまざまなアイコンをタップして試してみよう。
上部の「∧(メニュー)」を押すと、アイコンが下部に表示される。機能は左から「フラッシュ」、暗くてもきれいに撮れる「ナイトモード」、シャッターボタンを押した前後1.5秒ずつの映像と音声を記録する「Live Photos」、撮影方法をカスタマイズできる「フォトグラフスタイル」、1:1、4:3、16:9と画面のサイズを変えられる「比率設定」、明るさを変えられる「露出」、「タイマー」、写真にカラーエフェクトを適用できる「フィルタ」など。それぞれ試して使い方を覚えよう。
<2>ピントを合わせる
撮りたいものにピントを合わせると主題が明確になる。
「ピントを合わせたい部分にタッチすると黄色い枠が表示されます。そのままシャッターを押せばOK」。
枠の隣に表示される太陽マークを指で上下にドラッグすれば、露出(明るさ)調整もできる。
<3>グリッド線を設定する
縦横を3分割する「グリッド線」を設定すると、バランスのいい構図で撮影できる。
「特に風景写真などでは、この線上に水平線や地平線を合わせると◎」。
iPhoneの場合、「設定」→「カメラ」→「グリッド」をオンに。
<4>広角と望遠を使い分ける
スマホカメラには通常、広い範囲の撮影に適した超広角・広角レンズと、遠くの被写体を撮影できる望遠レンズがあり、ピンチアウト(※)や指一本で切り替えできる(操作方法は下記参照)。
「0.5倍が超広角、1倍が広角、2倍以上が望遠。1倍以下では被写体に寄るほどゆがむので人物撮影時には要注意」
※画面上に2本の指を置いて、間隔を広げるように動かす操作。