ホームヘルパーの魅力発信事業、2024年度予算の概算要求に5800万円 厚労省
厚生労働省は、2024年度予算の概算要求において、介護人材確保を目的とした新規事業を提案している。特に訪問介護の現場で重要な役割を担うホームヘルパーの確保が焦点となっており、広報活動や地域での協力体制を強化することで、介護現場の人材不足に対応する方針だ。 今回の新規事業では、ホームヘルパーの仕事の魅力を発信し、潜在的な人材に対して就業を促進することが主な目的となっている。厚労省は、この事業を通じて、ホームヘルパーという職業に持たれがちなネガティブな不安要素を取り除き、やりがいや価値などの認識を高める狙いだ。
5800万円を投じた広報事業でホームヘルパーの魅力を伝える
2024年度予算の概算要求には、ホームヘルパーの魅力を発信するための広報事業として5800万円が計上された。この広報事業では、YouTubeやSNS、ポスター、リーフレット、パンフレット、漫画など、多岐にわたるメディアを活用して、ホームヘルパーのやりがいを伝えることが計画されている。
訪問介護の現場では、1人で利用者宅を訪問することが多く、初めての人にとって不安要素が多い。そこで、この広報事業を通し、現場で働くホームヘルパーのポジティブな声や実体験を紹介し、不安を解消する内容を重点的に発信する。これにより、介護業界に関心を持つ層をターゲットに、人材の確保を進める狙いがある。
協議会設置のための費用を補助
また、今後の取り組みとして、厚生労働省は都道府県の介護保険部局を中心に、地域の介護業界団体や都道府県労働局、福祉人材センターが連携して、介護人材確保のための協議会を設置する方針を示している。厚労省は、この協議会設置にかかる費用を補助することで、各地域に応じた人材確保策を推進し、現場のニーズに対応した対策を強化していく。
今後の展望
地域ごとのサービス提供体制の維持に向けて、小規模な事業所同士が協力し、人材の確保・育成に取り組むことが期待される協議会設置や、ヘルパー職の魅力発信事業は、今後より必要となる介護人材確保への取り組みの一環だ。これらの取り組みが進むことで、地域全体での介護人材が確保でき、サービスの質が向上し安定した介護サービスが提供されることを目指す。
構成・文/介護ポストセブン編集部