「わかめ」加工も行う海藻専門店インタビュー、 国産わかめの8割は三陸産!塩蔵わかめの上手な戻し方他おすすめレシピも
私たちが普段食べている国産わかめはほとんど養殖されていて、約8割が三陸産だ。例年2~5月頃収穫され、新鮮な「生わかめ」が食べられるのは今の時期だという。宮城県で海藻専門店を営む海野海藻店・海野さん、小野瀬海藻・小野瀬さんのおふたりが、生わかめの魅力、加工法、おすすめレシピなどを教えてくれたのでご紹介します。
教えてくれた人
海野洋行さん/海野海藻店
海藻専門の卸売問屋として、わかめのほか昆布やのり、ひじきなども取り扱う。公式ホームページ(https://uminokaisou.jp)より全国どこからでも購入可能。
小野瀬勝宏さん/小野瀬海藻
わかめや焼きのりなどのほか、ふりかけなど加工食品の品揃えも豊富。
「国産わかめ」の8割は三陸産
国産わかめのほとんどは養殖で生産されており、その量は年間約4万7000トンほど。そのうち約8割を占めるのが三陸産(岩手県・宮城県)、約1.5割が鳴門産(徳島県・兵庫県)だ。
わかめ養殖 生産量
宮城…47%
岩手…30%
徳島…8%
兵庫…6%
夏にめかぶから採取した胞子を育て、苗となったものを海水温が下がった晩秋~冬にかけてロープに挟んで海に放出。ぐんぐん伸びたわかめは、例年2月頃から5月頃にかけて収穫され、全国に流通する。鮮度が命で2~3日しか日持ちがしないほど貴重な生わかめを食べられるのはいまだけ!
ひとつひとつ手作業で加工しています
旬のおいしさを年間通して味わうために、生わかめを、「塩蔵(塩漬け)」「乾燥」する方法がある。三陸出身の初代が開業し、国内では珍しい「海藻専門店」としてわかめの加工を行う海野海藻店の三代目店主(代表)・海野洋行さんが話す。
「収穫の時期は、私も三陸に足を運びます。水揚げされたわかめは、その場で沸騰した塩水に湯通しし冷却、水を切ります。脱水の後、茎、葉の部分に丁寧に分けて、それぞれ塩蔵や乾燥の加工を行います」
塩蔵わかめは、水に戻せばみるみるうちに生わかめの持つむちっとした食感になる。
冷蔵庫で3日間保存可能 ごま油やオリーブオイルと相性抜群
「水に戻す時間が手間というかたもいらっしゃるかもしれません。その場合は、戻し時間を少し短めにしておけば3日間ほどは冷蔵庫で保管できます。ごま油やオリーブオイルなど油との相性がいいので、そのまま和えても炒めてもおいしいです。私が好きなのは、カップ麺のトマト味にわかめをたっぷりのせる食べ方。トマトの酸味とマッチして抜群です!」(海野さん)
海野海藻店おすすめレシピ
わかめともやしのナムル
間違いない組み合わせ
<作り方>
【1】塩蔵わかめ30gを水で5分ほど戻し、1口大に切る。
【2】もやし1袋をシャキシャキ感が残る程度(約2分)ゆでる。
【3】【2】の粗熱が取れたら、【1】のわかめとしょうがすりおろし(チューブでも可)・鶏がらスープの素・しょうゆ各小さじ1、にんにくすりおろし(チューブでも可)小さじ1/2、ごま油小さじ2、塩・こしょう各4ふり、ごま大さじ1を加えて混ぜ、冷蔵庫で冷やして味をなじませる。
わかめとほたての梅肉カルパッチョ
梅の酸味がアクセント
<作り方>
【1】塩蔵わかめ1つかみを水で5分戻し、1口大に切る。
【2】ほたて2枚はそれぞれ薄切りにし、プチトマト3個は半分に、大葉3枚はせん切りにする。
【3】梅干し1個の果肉をたたいてみじん切りにし、オリーブオイル・酢各大さじ1、塩・砂糖各1つまみを合わせる。
【4】【1】、【2】を盛りつけ【3】をかける。
海野海藻店いち押し商品はコレ!
【1】「わかめ」(200g、724円)/ 海野海藻店
水戻し後、湯通しせずに食べられる塩蔵タイプ。シャキッとした食感がたまらない。
【2】「わかめ」(80g、411円)/ 海野海藻店
ちょっとだけ使いたいという人におすすめの少量の塩蔵パックも。ふるさと納税の返礼品にもなっている。
「海からの贈り物」を食卓にお届け
わかめの生育には海の環境が大切と話すのは、小野瀬海藻の店主・小野瀬勝宏さん。
「温度が高すぎるとうまく育たないので、気象状況は年間を通してチェックしています。おすすめの食べ方は、すりおろしたしょうがとポン酢をかけてそのままで。海の恵みをダイレクトに楽しめますよ」(小野瀬さん)
【DATA】海野海藻店
住所:茨城県東茨城郡大洗町磯浜町526
【DATA】小野瀬海藻
住所:茨城県東茨城郡大洗町大貫町249-1
撮影/川上朋子 取材・文/井上明日香、平井薫子
※女性セブン2024年6月6日号
https://josei7.com/
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