こんな歯科医には要注意!歯のプロが教える「歯の寿命をのばしてくれる歯科医の見つけ方」
日本は健康寿命が世界一となり、多くの人が100才以上の長い人生を生きるといわれている。そのためには、生涯を通じた健康づくりが重要だ。とりわけ、「生きること」に直結する「食べること」は最期の瞬間までついてまわる。口の健康を保つために歯みがきなどの毎日のセルフケアは大切だが、歯科医との付き合い方が「歯の寿命」を大きく左右する。信頼できる歯科医の見つけ方を歯のプロに聞いた。
教えてくれた人
角田達治さん/アルカディア歯科・矯正歯科院長、照山裕子さん/歯科医・東京医科歯科大学非常勤講師、小林保行さん/キーデンタルクリニック院長
かかりつけの医者があなたを救う
セルフケアの徹底とともに、欠かしてはならないのが、デンタルクリニックでの定期メンテナンスだ。
「年を重ねると口腔環境が変化しやすくなるうえ、歯周病の初期症状は痛みがないため気がつかず、『すきっ歯になった』『歯がグラグラする』など進行した状態になってから見つかることが多く、最悪の場合、突然歯が抜けることすらある。そのため、定期的にプロの手を借りて常に自分の歯の状態を把握しておくことは必須です」(アルカディア歯科・矯正歯科院長の角田達治さん・以下同)
理想は3か月に1回、少なくとも半年に1回は定期健診を受けたい。
「その際セルフケアでカバーしきれない歯石などの汚れを取ってもらえば、さらに清潔な状態を保つことができますし、かかりつけを作っておけば、いざ治療することになったときも“きちんとした説明なしに歯を抜かれる”といったトラブルも防げます」
では、コンビニの数よりも多いといわれるほどデンタルクリニックが乱立する中で、信頼できる歯科医はどう見つけるべきか。
歯科医で東京医科歯科大学非常勤講師を務める照山裕子さんは「患者にどう説明するか」に着目してほしいと話す。
「まずは“お試し”で健診や歯石の除去に行ってみて、その際に『口腔内の状態や虫歯や歯周病のリスクについて、わかりやすく説明してくれるか』『歯磨きなどセルフケアについてアドバイスをもらえるか』をチェックするといいでしょう。また、日本歯周病学会や日本矯正歯科学会など、自分にとって必要と思われる治療技術を専門とした学会の認定医であることも、見極めるべきポイントのひとつです。一軒でも信頼できるデンタルクリニックを見つけておけば、専門外の治療が必要になっても、知り合いの歯科医を紹介してもらえることができます」
治療方針も「歯の寿命」を大きく左右する。
「100才まで“噛む力”を維持するためには、歯を失わないことが最優先。できる限り自分の歯を残す方針で治療をしてくれる歯科医を選ぶべきです。もちろん症状によっては難しいこともありますが、その場合もきちんと理由を説明してくれる歯科医は信頼できる。もし治療方針を聞いて不安に思ったら、セカンドオピニオンを受けてみるのも手です。別のデンタルクリニックに問い合わせて、『通院中の歯科医からこういう治療の提案をされているが、セカンドオピニオンをお願いしたい』と聞いてみる。そのときの対応も1つの試金石です。受診を断ったり、問い合わせをすげなく扱うようなところは、最初から行かない方がいい」(キーデンタルクリニック院長の小林保行さん)
専門家のアドバイスのもと患者に寄り添い、最適な治療法を提案してくれるオンリーワンの歯科医を見つけてほしい。
「ただし、愛想ばかりがよく、患者の意見をすべて肯定するだけの歯科医には要注意。治療に対する考え方が食い違ったとしても、根気よく説明してくれる歯科医を選ぶべき。また、留学経験や学歴など、立派な肩書ばかりを前面に押し出している歯科医も中身が伴っていないことが少なくありません」(角田さん)
「歯の寿命」左右する信頼できる歯科医に巡り合うための5か条
【1】診察時の説明が丁寧である
【2】学会に属している「認定医」である
【3】できるだけ歯を残す方法で治療しようとする
【4】患者と意見が食い違ったときに粘り強く説明する
【5】経歴や肩書ばかりを押し出さない
写真/PIXTA
※女性セブン2024年3月28日号
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