入居者の「自宅」という理念を徹底した介護付有料老人ホーム
オープン間近の話題の施設や評判の高いホームなど、カテゴリーを問わず高齢者向けの住宅全般を幅広くピックアップし、実際に訪問して詳細にレポートしている「注目施設ウォッチング」シリーズ。
今回紹介するのは、介護付有料老人ホーム「トラストガーデン常磐松」だ。
「トラストガーデン常磐松」
常陸宮邸の杜に護られた邸宅地である常磐松(ときわまつ)。その名前の由来は「千両の値打ちが付くほどの銘木」とされた松の古木だ。空襲で焼失してしまったため今は「常磐松の碑」として街を見守っている。
介護付有料老人ホーム「トラストガーデン常磐松」は由緒ある渋谷区東に2016年4月にオープンした。まずはその恵まれた立地環境が特長として挙げられる。周辺には國學院大學、実践女子大学、青山学院大学、聖心女子大学があり文教地区としての顔も持っている。渋谷最古の神社である渋谷氷川神社も徒歩3 分。境内の敷地は約4000坪あり、散策を楽しむこともできる。他にも近在には有栖川宮記念公園、山種美術館、白根記念渋谷区郷土博物館・文学館がある羨 望の地である。
「施設とは呼んでいないんです。入居者様のご自宅、つまりホームであるということをトラストガーデン常磐松は理念にしてい ます。スタッフの採用時にもそのことを話して、理念に共感してもらってから採用を決めています。私自身がこの仕事を始めた時の最初の上司に教えてもらって からずっと大切にしてきたことです」
とトラストガーデン常磐松の支配人、畑村恵さんは語る。
トラストガーデン常磐松はハード面、ソフト面共にその理念を体現している。看護師が24時間365日常駐しており、入居者の健康を常に見守っている。もちろん介護スタッフも24時間365日常駐しており、モーニングケア、身の回りのサポート、入浴のサポート、ナイトケアと入居者が自宅として快適に過ごせるように手厚い環境を整えている。
外部から専門家を招き、歌や音楽、水彩画、フラワーアレンジメント、動物との触れ合いを楽しむこともできる。訪れた際も「トラストいきいき体操」と名付けられている体を動かすプログラムが行われており、入居者と講師の笑い声が聞こえてきた。
「お食事には力を入れています。やはり毎日のことなので、味だけではなく見た目にも気を配っています。健康にも直結するので絶対に手を抜けないところです。グループ会社でリゾートホテルを運営しているのでその強みを活かしています」(畑村さん)
何と元々リゾートホテルでその腕をふるっていたシェフが料理を作っており、入居者にも好評とのこと。食事が口に合わずに退去してしまったという話を残念な がら介護の現場では聞くこともあるが、ここではその心配はなさそうだ。見学の際に試食を実施していることからもその自信がうかがえる。見学で試食をした来 客者がそのおいしさに驚くことも多いという。
館内の厨房で手作りされる料理は、減塩食・糖尿病食などの治療食、ソフト食、ミキサー食と健康状態に合うように個別対応もしており、管理栄養士、調理師によって栄養バランスの取れた食事を楽しむことができる。