症状別【絶対に必要な栄養素】「疲れた時に焼き肉やうな重」はウソ!
疲れやすい、寝つきが悪いなど、なんとなく不調を感じるものの病気ではない"不定愁訴"。その原因は、栄養不足かも。お腹いっぱい食べているのに必要な栄養素が摂れていない人、今増えているんです。インフルエンザや胃腸炎の流行するこの時期、症状別に必要な栄養素を知って、食事で元気になりましょう!
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「うな重や焼き肉は“スタミナ料理”の定番。しかし、脂質と糖質が多いこってりしたメニューは消化・吸収が大変なため、体には負担になるんです」とは、ブレインケアクリニック院長で栄養療法を行う今野裕之さん。
胃腸は自律神経によってコントロールされているので、胃腸の負担が大きければ、自律神経にも負担がかかり、より疲れさせてしまうという。
「量を摂るのもNG。ドカ食いをすると、血糖値が急に上がるため、その後、低血糖になって、エネルギー不足になります」(今野さん・以下同)
疲れた時ほど、やさしい味つけの、消化しやすい食事がおすすめだという。そして、普段の食事で必要な栄養素を摂り、疲れにくい体にすればいい。
「風邪などの感染症状も、体に充分栄養があれば細菌が入ってきても対抗できます。栄養が不足するとウイルスに対抗する白血球が作れず、闘えません」
いろいろな食材をバランスよく、1日3回食べることが理想だが、そもそも私たちに足りない栄養素って何?
症状別に足りない栄養素をご紹介。「眠れないのはビタミンB12不足」とわかれば、食事で対応できるはず!
症状別・絶対摂りたい栄養素
※複数の症状に該当する人は、いろいろな食材を試してみよう。ただし、特定の栄養素ばかりを摂るのは御法度。“バランスよく”が鉄則。
●風邪
「予防にはビタミンCとDが大切。風邪をひいた後は、ビタミンB群で細菌やウイルスへの抵抗力をつけて」
【必要な栄養素】
・ビタミンB群(豚レバー、牛レバー、卵、生のまぐろ、生のかつおなど)
・ビタミンC(赤ピーマン、ブロッコリー、レモン、キウイなど)
・ビタミンD(乾燥きくらげ、しらす干し、真いわしなど)
・亜鉛(かき、煮干し、豚レバーなど)
●疲労
「エネルギー不足による疲労にはビタミンB1、疲労を回復したい時は、鶏胸肉に豊富に含まれるイミダゾールジペプチドを。この栄養素は熱に強いので、唐揚げや蒸し焼きにしても◎」
【必要な栄養素】
・ビタミンB1(豚肉、落花生、うなぎの蒲焼き、黄大豆、生たらこなど)
・イミダゾールジペプチド(鶏胸肉など)
●不眠
「眠りを誘うホルモン・メラトニンは年とともに減少します。メラトニンを作るビタミンB12、たんぱく質、鉄の補給を。ビタミンB12の量はしじみが圧倒的ですが、鉄分も一緒に摂れるレバーもおすすめ」
【必要な栄養素】
・ビタミンB12(しじみ、赤貝、のり、レバーなど)
・たんぱく質(肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品など)
・鉄(煮干し、レバー、卵など)
●頻尿
「自律神経の乱れによる頻尿ならビタミンB群、鉄、たんぱく質を。膀胱炎には粘膜を強くする亜鉛やビタミンDを。ビタミンD、B2、鉄、亜鉛は、いずれもきくらげに豊富です」
【必要な栄養素】
・ビタミンB群(豚レバー、赤身の生魚、しじみなど)
・鉄(煮干し、レバー、卵など)
・たんぱく質(肉類、魚介類、大豆製品、卵、乳製品など)
・亜鉛(かきなど)
・ビタミンD(きくらげ、しらす干しなど)
●頭痛
「血行不良や神経過敏が原因の頭痛には、ビタミンB群、鉄、たんぱく質を。炎症による頭痛にはオメガ3脂肪酸を。レバーなどの動物性食品は、数種類の栄養素が一度に摂れて効率的」
【必要な栄養素】
・たんぱく質(肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品など)
・ビタミンB群(豚レバーなど)
・鉄(煮干し、豚レバー、鶏レバー、卵など)
・オメガ3脂肪酸(青魚、えごま油など)
●冷え
「エネルギー源になるビタミンB群、血液量を増やす鉄、血液の循環を促すビタミンEを。豚肉、レバー、卵にはB群と鉄の両方が豊富なためおすすめです」
【必要な栄養素】
・ビタミンB群(豚肉、レバー、ひき割り納豆、生たらこ、にんにくなど)
・鉄(煮干し、レバー、牛肉、卵、のりなど)
・ビタミンE(アーモンド、モロヘイヤなど)
●乾燥
「亜鉛が不足すると皮膚や粘膜が荒れ、毛も抜けやすくなります。貧血予防にも亜鉛はおすすめ。かきにレモンを搾ると、ビタミンCが鉄の吸収を高めてくれます」
【必要な栄養素】
・亜鉛(かき、ビーフジャーキー、パルメザンチーズ、煮干し、ピュアココア、豚レバー、牛肉など)
・ビタミンC(赤ピーマン、ブロッコリー、レモン、キウイなど)
●高血圧
「マグネシウムで血圧上昇を抑え、ストレスを緩和するビタミンC、動脈硬化を防ぐオメガ3脂肪酸を併せて摂ろう」
【必要な栄養素】
・マグネシウム(あおさ、わかめ、乾燥ひじき、豆腐、きな粉、玄米など)
・ビタミンC(赤ピーマン、ブロッコリー、レモン、キウイなど)
・オメガ3脂肪酸(さば・いわし・あじなどの青魚の脂身、アマニ油、えごま油など)
● 肩こり・腰痛
【必要な栄養素】
・ヘム鉄(まぐろ、かつお、レバー、煮干し、卵の黄身など)
・非ヘム鉄(のり、ごま、きな粉、豆腐など)
●便秘
【必要な栄養素】
・マグネシウム(あおさ、わかめ、乾燥ひじき、豆腐、きな粉、玄米など。硫酸マグネシウムが豊富な"エプソムソルト"を入浴剤として湯に入れてつかるのも手)
● 更年期症状
【必要な栄養素】
・オメガ3脂肪酸(さば・いわし・あじなどの青魚の脂身、アマニ油、えごま油など ※熱に弱いので、生の状態で摂取)
・イソフラボン(豆腐、きな粉など) 必要な栄養素】
●骨粗しょう症
【必要な栄養素】
・カルシウム(牛乳他乳製品、小魚、干しえび、小松菜など)
・ビタミンD(鮭、うなぎ、さんま、きくらげ、卵など。日光浴も◎)
・ビタミンK(納豆、ほうれん草、小松菜、にらなど)
●関節痛
【必要な栄養素】
・ビタミンB群(豚肉、レバー、生たらこなど)
・コンドロイチン(山いも、里いもなど)
※女性セブン2019年2月14日号