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85才現役パズル作家馬場雄二さんに密着「元気の秘訣は“筋トレ”“散歩”“好きを楽しむこと”」馬場さん作のパズルにも挑戦!

 馬場雄二さんはフジテレビの「目玉マーク計画」の監修などを手掛けたビジュアルデザイナー。そんな馬場さんのもう1つの顔が「パズル作家」である。馬場さんの作品はどれも「解くと頭が柔らかくなる。脳トレになる」と評判だという。85才になっても今なお制作を続けている馬場さん、その元気の秘密に密着した!

→85才の現役デザイナー&パズル作家・馬場雄二さんに学ぶ「ボケない柔らか頭」の作り方

80代にして週1回筋トレ

 御年85才にして意気軒昂な馬場さんだが、健康面ではどんなことに気をつけているのだろうか?

「高齢になっても元気に創作活動を続けていく原動力となるのは体力と気力です。ですから、体力づくりと健康管理には気をつけています。仕事柄、パソコンに向かって終日デスクワークをすることが多いので、足の筋肉の衰えが気になりますが、そんなとき背中を押してくれたのが、精神科医・和田秀樹さんの『いくつになっても筋肉はつけられる』『歩かなければ歩けなくなる』といった言葉です。そこで区の介護予防総合センターに週1回通い、マシンを使った筋トレをするようになりました。それがぼくの体力保持の秘密兵器になっています」(馬場さん・以下同)

散歩のきっかけはインストラクターの一言から

 当初はマイカーで通っていいたけれど、インストラクターに「なんのために来ているんですか。近いんだから歩きましょう」と言われて大笑い。それ以降は歩いて通い、脚力もつけている。

「スポーツセンターに通うようになったおかげで、行き帰りの途中で喫茶店などに立ち寄って、行き交う人を観察したり、看板やビル、ショーウインドーなどを眺める機会が増えました。移動するときは、なるべく違う道を通って、違った景色を楽しむようにしています。

 で、帰りは来た道と同じ道を戻るのがポイントです。同じ道を逆にたどることで、看板の表と裏や、ちょっとした角度による景色の違いに気づけるのです。私は、面白そうなものに出会ったら、スマホで写真を撮って記録し、後で見直すようにしています」

 馬場さんにとって街歩きは体力づくりの手段であると同時に、好奇心をかき立て、目に映るものすべてを楽しむ場でもある。あれこれに触れるにつけ、興味を抱き、「なぜ? どうして?」と野次馬精神を刺激するのが習慣になっている。

「筋トレに関して言えば、80才を超えて筋肉をつけるのは簡単なことではありません。気力が足りないと思うときもあります。でもそんなときは、『二度と来ない今日という日を大切に』という言葉や、『今日の自分がいちばん若い』というフレーズを励みに、日々歩くようにしています」

食事は薬と思って食べる

 そのほかの健康法について尋ねると、「食事や睡眠に関してはあまり自慢できない」と苦笑しつつ、「心構えが大事です」と答えてくれた。

「もともとグルメというわけではありません。量もそれほど食べませんが、朝食だけはハムエッグ、ヨーグルト、納豆、4分の1膳のご飯、みそ汁などを“あくまでも薬のつもり”で食べるようにしています」

無理に寝ようとする必要なし

「睡眠に関しては、23時くらいからずっと、NHKの『ラジオ深夜便』をつけっぱなしの“ながら睡眠”で、朝8時半頃まで寝るのが日課です。眠れず番組内容を覚えていることもあれば、寝てしまう場合もあります。その時間は熟睡している証拠と判断します。高齢になると『眠れなくて困る』という人が多いですが、そんなとき、『ながら睡眠でも眠りは充分足りている。だから無理して眠ることはない』と考えると不思議と寝つくことができます。責任は持てないけれど、お試しあれ」

 また、ふだんから脳トレのつもりで奥様と一緒にやっているのが、トランプの神経衰弱ゲームだという。

「52枚全部を使うのは夫婦ふたりでは大変なので、20枚に枚数を減らして時々やっています。枚数は10枚でも8枚でもいいんですが、遊べる時間や記憶のレベルに合わせてルールをアレンジしたりすれば、脳の衰えが心配なかたも手軽に遊べると思います」

好きを楽しめば人生が面白くなる

 これ以外に注目したいのが、馬場さんは好きを楽しむことにとにかく積極的な点だ。

「もともと阪神タイガースが大好きな野球少年でしたが、高校野球も好きで、地元の上田西高校野球部のユニホームをデザインしました。春の県大会で優勝している同校の今年の活躍が楽しみです。また、学生の頃にハワイアンギターを買って友人とバンドを組んだ経験があり、縁あって高木ブーさんにウクレレを習っていた時期もあります」

 さらに極め付きは、大好きな東京タワーが見える地にデザイン墓石を建てたことだ。

「墓石には、『楽あれば苦あり、苦あれば楽あり』という座右の銘を、漢字を組み合わせたデザインで表現しました(右上写真)。死んだ後、息子たちにヘンな墓を建てられるのも癪ですから(笑い)」

 自宅からも事務所からも東京タワーを望むが、この墓石を作ったことで東京タワーを未来永劫眺められると笑う。

「体力的に衰えても、気力はまだまだ。80才を過ぎても常に『最高傑作は次回作!』の心づもりでいます」

 好きをとことん楽しむ気持ちを忘れない姿勢こそ、<85才現役生活> を楽しく過ごす秘訣のようだ。

馬場雄二さんの作品

馬場さん考案「脳活パズル」!

 解けば解くほど脳年齢が若返ると言われている馬場さんが作ったパズルを解いてみよう!

【問1】書き足してパズル

1本の線を書き加えて、A・Bそれぞれの意味が「大きくなる」ようにしてください。(ヒント/Aはアルファベット、Bは漢字)

【問2】正しい数式にしてパズル

 書き足したりせずに、1枚のカードを動かして正しい数式になるようにするには、どうしたらいいでしょう?

解答

【問1】図Aはアルファベット小文字の「h」を大文字の「H」にする。図Bは漢字の「大」にする。

【問2】図のように「+」のカードを45度回転させて「×」にすると、正しい数式になる。

教えてくれた人

馬場雄二さん / ビジュアルデザイナー・パズル作家

昭和13(1938)年、長野県上田市生まれ。東京藝術大学大学院修了(1期生)。東北芸術工科大学名誉教授。遊び心あふれる洒脱なデザインにファン多数。

最新刊『脳がよろこぶ ひらめきパズル365』(永岡書店)は54冊目の刊行。85才・パズル作家の挑戦は続く。

取材・文/北武司

※女性セブン2023年8月17・24日号
https://josei7.com/

●今年90才!料理家・小林まさるさんの健康レシピ「食事で糖尿病予備軍を克服」

●【脳活性トレ】トランプカードでゲームに挑戦!「単純なルールだけど脳が汗をかく」

 

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