猫が母になつきません 第310話「かんもうき」
夏毛になるとかなりほっそりした印象になるさび。その姿になるまでにはもう一匹猫ができるんじゃないかというくらい毛が抜けます。抜けていく冬毛はふわふわしているのでこっちも毛だらけになる覚悟で毎日ブラシする。同じブラシだとさびが飽きてくるので金属ブラシ、毛ブラシ、ゴムブラシ、のみ取りくしと4つの道具をとっかえひっかえ、仕上げは粘着シートでさびと自分をコロコロ。こんな時間が至福のリラックスタイムでもあります。わびの方は毛があまり抜けないタイプの猫で換毛期はなし。ブラシにもまったく興味なしです。人間も換毛して自然に体温調整できればよいのにと思います。母は昔の人なので下着をちゃんと着ないと、という思いがあって「夏でも厚着になりがち」な上に典型的な「体によくないからエアコン使わない派」。ある日「気分が悪い」という電話で急いで家に帰ると、締め切った暑い部屋で布団をかぶって横たわる母が。下着を2枚着ています。完全に熱中症なのですが本人は「暖かくしたほうがいいと思って」と。ほんとうに油断できません。
【関連の回】
第54話「さびのブラッシング」
第151話「みせつける」
第277話「とおくなる」
第70話「さびのごはん」
第153話「にぶい」
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。