高齢者施設の種類と選び方|元気なうちから探すのが◎チェックポイントは?
高齢となり、介護を受ける状況となる時に重要なのが暮らす場所の選択。今は元気なうちから夫婦で施設に入居する人も増えている。まずは施設のタイプを把握しておこう。
介護施設 3つのタイプ
●注目は自立・要介護どちらにも対応するサ高住
介護コンサルタント・中村寿美子さんは、こう語る。
「高齢者向け施設は、“自立生活者向け”と“要支援・要介護者向け”、その中間の“自立、要介護どちらにも対応”の3つに分類できます。
なかでも今注目を浴びているのは、自立・要介護どちらにも対応の“サービス付き高齢者向け住宅”です。室内はバリアフリー構造で、安否確認や生活相談などサービスが付いた賃貸等の住まいです。
規則に縛られることなく自由に過ごせますが、24時間常駐の看護職員がいないというデメリットも。元気なうちに一緒に見学に行き、下のチェックリストを参考に、質のいい施設を探しておきましょう」(中村さん)
施設選びのチェックリスト
□運営会社に理念がある
□職員の定職率がいい
□スタッフの勤務体制
□費用の透明度
□ホームの入居率
□地域の評判や口コミ
●問い合わせの仕方は?
「情報を集め、気になったホームに電話で『重要事項説明書』『サービス一覧の書類』を見せてほしいと問い合わせを。また、見学のほか、体験入居してみると施設の質がよくわかります」(中村さん)
支援や介護を必要としている人向けの高齢者施設の種類
●特別養護老人ホーム(特養)
常に介護が必要な人向けの施設。多くの人が待機している。
●介護老人保健施設(老健)
長期利用は原則できない。退院しても自宅での生活が困難な人向け。
●有料老人ホーム
昼は看護師が常駐し、要支援・要介護認定を受けた人専用のホームもある。施設数が多く現実的な選択肢。社会福祉法人や医療法人、民間企業が運営するものなど、さまざまなタイプがあり、入居費用も低額から高額まで幅広い選択肢がある。
●介護療養型医療施設
長期療養が必要な人向けの介護施設。ベッド数が少ない。
→特養に早く入所する裏ワザ|判定会議で優先順位を上げる方法や狙い目
自立・要介護のどちらにも対応する高齢者施設の種類
●有料老人ホーム
住宅型なら介護保険の訪問サービス等を利用可能。
●サービス付き高齢者向け住宅
国が普及を促進しているバリアフリー住宅。訪問介護等を利用。
自立した生活ができる人向けの高齢者施設の種類
●ケアハウス
身の回りのことが自分でできる人。食事付きで、所得に応じた費用負担がある。
●シルバーハウジング
地方公共団体が供給する高齢者向けの住宅。みんなで暮らす“集居”が人気。専門員による生活相談や安否の確認などはあるが、基本は自由に生活。共有スペースがあったり、同世代のつながりも生まれやすい。
●有料老人ホーム
元気なうちから入居でき、体の状況に合わせたサービスが用意されている。
●軽費老人ホームA型
低所得者、身寄りがない人向け。食事や入浴付き。
●軽費老人ホームB型
低所得者、身寄りがない人向け。食事は自炊が条件。
教えてくれた人
中村寿美子さん/介護コンサルタント。介護業界の企業アドバイザー、カルチャーセンターのセミナー講師などで高齢者住宅に関する啓蒙活動を続けている。著書に『こんな介護で幸せですか?』(小学館101新書)などがある。
※女性セブン2013年1月10・17日号