老人ホームの選び方 入居前に朝昼見学、食事の介助で判断を
今や人口の4人に1人が65才異常の高齢者という超高齢社会。老後をいかに過ごすのかは大切なテーマだ。とりわけ重要なのが「介護」。そこで、多様化する老人ホームの最新事情をお届けします。
終の棲家で安心して過ごすには自分のニーズにあった老人ホームを探すことが鉄則だ。以下、それぞれの特徴を見ていこう。
特別養護老人ホーム
介護保険法に基づいて設置され、「介護老人福祉施設」とも呼ばれる。事業主体が自治体や社会福祉法人のため、費用の安さがメリット。
「ただし、安さゆえに建物がきれいでなかったり、トラブルが多かったり、暮らすうえでの快適さはさほど期待できません」(老人ホーム探しを支援するNPO法人「二十四の瞳」理事長・山崎宏さん)
それでも人気は高く、厚労省の発表によれば入居待ちは全国で約52万人にのぼる。今年4月から新規入居は原則「要介護3」以上に限定。
介護付有料老人ホーム
事業主体は民間企業などで、「特定施設入居者生活介護」に指定された有料老人ホーム。特養と同じように、施設のスタッフによる介護サービスが受けられる。
「入居一時金が必要なところが多く、月々の費用も割高です。そのかわり施設は快適で、質の高いサービスが受けられます」(山崎さん)
住宅型有料老人ホーム
介護付有料老人ホームと違い、介護スタッフが常駐しているわけではない。
「介護が必要な場合は外部スタッフの訪問介護を受けることになります。要介護度が高くなるほど費用がかさむ場合があります」(山崎さん)
他に、軽度の要介護者の入居先として「健康型有料老人ホーム」がある。
実際に老人ホームでの介護が必要になった際に、どんな点に注意すればいいのだろうか。
『週刊高齢者住宅新聞』編集長・西岡一紀さんは、入居前に見学に行くのが大切だと話す。
「パンフレットだけを見て決めるのは大変危険です。必ず現地に足を運び、昼と夜2回行くなど時間帯を変えて見学してください。特に食事の介助はその施設の良し悪しを判断する材料になります。見学日時や場所に制限が多い場合には、『あまり見せたくない部分がある』と考えたほうがいい」(西岡さん)
施設内すべてを見ることができたとしても、食堂やラウンジなど共同スペースが不衛生なら要注意だ。
「掃除が行き届いていない施設は介護サービスも手薄になっている可能性があります。入居目的、予算、エリアなど明確な方針を持たないまま選んでしまうとトラブルの原因になります。親が元気なうちにゆとりを持って話し合い、知識と情報を集めておきましょう」(山崎さん)
※女性セブン2015年1月22日号