シニアにおすすめ”アプリ”5選|お薬手帳、孫の写真…スマホで生活を楽しく便利に!
シニアのスマートフォン(以下、スマホ)利用率 が7割を超え、高齢者にとって生活に欠かせないツールになりつつある。そこで、高齢者のスマホ事情に詳しい専門家に、シニアの生活をより便利にしてくれるおすすめアプリと、使うときの注意ポイントを伺った。
高齢者のスマホ利用率8割へ
60~79才の男女1万人への調査※1によると、モバイル端末の所有率は92.9%、そのうちメインで利用しているのは77.0%が「スマートフォン」という結果に。
シニアの約8割がスマホを活用する時代、さらにスマホ生活を楽しく豊かにしてくれるのが“アプリ”だ。
※60~79才の男女1万人を対象とした調査「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」(MMD研究所 )
https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1877.html
アプリとは?
アプリとは、アプリケーションソフトウェアの略。スマホにダウンロードして使うもので、メールや地図、写真の加工などさまざまなものがある。せっかく持っているスマホを電話機能だけでは宝の持ち腐れかも。便利なアプリを導入してさらに活用すべきだ。
そこで、シニアにおすすめのアプリについて、デジタルコンシェルジェ・赤木円香さんに教えてもらった。
シニアの暮らしに役立つおすすめアプリ5選
デジタルコンシェルジェ・赤木円香さんは、MIHARU(ミハル)を主宰し、高齢者向けにデジタル機器のサポートなどを行う「暮らしの相棒サービス」を展開している。
高齢者の暮らしに寄り添い、スマホに関する多くの悩み事を聞いてきた経験から、シニアの人に本当に役立つアプリを厳選。5つのおすすめアプリを紹介してもらった。
1.『Googleフォトスキャン』:紙の写真を綺麗にデータ化
https://www.google.com/intl/ja/photos/scan/
赤木さんのもとには、「アルバムに収めきれていない紙の写真を整理したいけれど、どうしたらいいかわからない」というシニア世代からの相談が多いという。
「スマホのカメラで紙の写真を撮ると、光の反射などで見づらくなってしまうこともあります。それが、このアプリを使って撮影すると、簡単に綺麗に撮れてスマホに保存できますよ」(赤木さん、以下同)
「紙の写真を数秒でスキャンしデータ化できるため、手早く保存できスマホでいつでも見直せて便利です。ご家族のLINEグループなどに送れば、『懐かしいー!』などの会話で盛り上がることもできますよ」
実際に昔に撮った紙の写真を撮影してみると…。
2.『GO』:タクシーの配車アプリ
病院への送迎などタクシーを利用する機会も多いシニア世代に便利なのが、タクシーを呼ぶための配車アプリ。さまざまな配車アプリがある中で、赤木さんがおすすめするのが『GO』だ。
「電話でタクシーを呼ぶと必ず迎車料金が加算されますが、このアプリなら、エリアや選ぶタクシー会社によって、迎車料金がかからないこともあるのでお得ですよ。
地図で今いる場所を指定してタクシー会社を選ぶと、近くを走っているタクシーを呼べます。現金での支払いもできるので、スマホに決済に抵抗のある方でも気軽に使えます」
3.『みてね』:写真や動画をアップできるアプリ
「お孫さんがいる方におすすめしたいのが写真を共有できるこのアプリ。このご時世、なかなかお孫さんに会えない方も多いと思うので、写真で繋がれるこのサービスはとても人気があります」
『みてね』は、無料・無制限で写真や動画のデータを高速でアップロードできるアプリ。写真の説明コメントを入れられるほか、写真を見たら感想を入力することも。離れて暮らす家族が思い出アルバムを共有できる。
「『孫がこんなに大きくなったのよ』と、私に『みてね』の画面を嬉しそうに見せてくださる方もいます。おばあちゃんおじいちゃんを笑顔にするアプリだと思います」
4.『EPARKお薬手帳』デジタル版お薬手帳のアプリ
https://okusuritecho.epark.jp/renew/
「『お薬手帳』もスマホのアプリ版があるんですよ。薬局でお薬手帳の提示を求められたとき、スマホを見せるだけなので手軽ですし、まさに“デジタルシニア”っぽくてかっこいいですよね」
『EPARKお薬手帳』は、全国の薬局で使えるお薬手帳のアプリ。病院・薬局の検索や予約、血圧や体温など体調の管理や、予防接種やワクチン接種の記録もできる。また、カレンダー機能に「服薬アラーム」が付いているので薬ののみ忘れ防止にも。
「スマホで撮影した処方箋の画像を行きつけの薬局に送信もできます。薬局での待ち時間の時短にもなりますよね」
5.『NHK防災』:災害情報が入手できる防災アプリ
https://www3.nhk.or.jp/news/news_bousai_app/
災害のときは情報をすばやく入手することが重要。いざとうときのために、「防災アプリ」を入れておきたい。
「防災アプリは、地震や津波などの特別警報や、台風や洪水といった土砂災害など情報を、利用者の現在地や登録地点に基づいて最適化して配信するサービスです。
命に関わる場合もあるので、操作がしやすく、正確な情報を早く得られる信頼性の高い防災アプリがすすめです」
『NHK防災』は、最新のニュースや災害情報をいち早く届けるNHKの公式アプリ。気象や災害情報を地図で確認でき避難情報なども得られる。
災害時に逃げ遅れてしまう原因は、避難情報が行き渡らなかったことに原因があるといわれる。
「ラジオやテレビでも情報は得られますが、スマホのアプリなら、避難先や外出先などでも確認できるので災害時は便利です。いざというときに備え、普段から使い慣れておくといいでしょう」
アプリを使うときの注意ポント3つ
1.通知をオフにしたほうがいい場合も
アプリは「通知」といって、さまざまなお知らせや情報が自動的に通知される機能がある。
「すべてのアプリで通知されると煩わしいことも。メールやLINEなどコミュニケーションアプリなど必要なもの以外のアプリの通知はOFFに設定しておくといいでしょう」
2.ホーム画面は整理して使いやすく
「あまり使っていないアプリは、ホーム画面から削除したり、場所を移動させたりして整理するといいでしょう。ホーム画面をシンプルにするとアプリが見やすくなり、使いやすくなりますよ」
3.サービスがすべて無料のアプリを選ぶこと
「スマホを購入したときに、ショップの人にすすめられた不要な課金アプリをダウンロードして、そのまま料金を支払っているシニアの方も多いんですよ。
私たちがスマホのアプリや料金設定を一緒に見直しさせていただくと、月額の利用料が2000~3000円安くなった方もいます。
また、自分でダウンロードするアプリはたいてい無料のものが多いですが、中には課金制のものも。すべてのサービスが無料で使えるかを確認しましょう。アプリをダウンロードする前に、口コミなどを読んで安心なアプリか確認することも大切です」
教えてくれた人
シニアのデジタルコンシェルジェ・赤木円香さん
MIHARU代表として、シニア向け暮らしの相棒サービス「もっとメイト」を提供。孫世代の若いスタッフがシニアに寄り添う「相棒」として定期的にシニアの自宅に訪問し、デジタル支援や買い物代行、お話し相手など多岐にわたる暮らしのサポートを実施している。シニアが“明日を楽しみに思える”サービスを届けることを心掛けている。https://www.miharu-inc.jp/
取材・文/本上夕貴
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