生乾きのにおいを防ぐ洗濯法 部屋干し5時間以内に乾かす裏ワザ
洗濯物を部屋干しすると、嫌な生乾き臭がしたことがありませんか。実は、部屋干しの生乾き臭の2大原因は、汚れと菌。汚れが落とし切れていないと、せっかく洗濯をしても菌がわずかな汚れをエサにして、におい物質を作り出してしまうのだ。
生乾きのイヤなにおいの原因は「汚れ」「菌」
この生乾き臭、一体どうして発生するの? この疑問に答えてくれたのは、ライオンのお洗濯マイスター・大貫和泉さんだ。
「生乾き臭の2大原因は、汚れと菌です。洗濯をしても汚れが落とし切れていないと、菌がわずかな汚れをエサにして、におい物質を作り出すのです。また、洗濯後、衣類が湿った状態が続くと、衣類の水分で菌が増殖します」
つまり、長時間濡れたままにしておくと、においが発生する原因になるのだ。一度くさくなった衣類からにおいをとるには、つけ置き洗いが効果的だという。
「40℃以下の水に洗濯1回分の洗剤と液体酸素系漂白剤を入れ、においの程度によって30分から2時間程度つけ置きします。その後、洗濯液ごと洗濯機に入れて、丸洗いをするとにおいはとれます」(大貫さん)
においを作るのは菌。この菌をいかに撃退するかが、生乾き臭予防の鍵になる。
菌が増殖しやすいタイミングごとに防ぎ方を教えてもらった。
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洗濯前:そもそも洗濯槽の中が危険!
菌対策は、洗濯する前から始まっている。というのも、そもそも洗濯槽の中や裏側に菌が潜んでいるからだ。ライオンのお洗濯マイスター・大貫和泉さんはこう言う。
「洗濯槽の裏側にいる菌は、洗濯時に内部に侵入し、衣類に付着することがあります。洗濯機の中は湿度が高く、菌が増殖しやすいので、洗濯槽の中も定期的に洗わないと、菌の温床になってしまいます」
さらに、菌をできるだけ外から持ち込まない工夫も必要だ。そのためには、洗濯前の汚れた衣類の置き場所が肝になる。
「洗濯槽の中は空っぽの状態でも湿度が高く、そこに汚れた衣類をため込んでおくと菌が増殖します。ですから、洗濯前の衣類は、通気性のいいカゴに入れておくのがベスト」(大貫さん、以下「」内同)
濡れた衣類を数日間洗濯機に入れたまま放置するのは、もってのほかだ。
洗濯中:ぎゅうぎゅう詰め&まとめ洗いで洗浄力ダウン
続いて、洗濯中は何に気を付ければいい?
「汚れた衣服を放置しておくと、汚れは落ちにくくなります。コーヒーのシミを1週間放置すると1割汚れが落ちにくくなるという実験結果もあります。さらに、洗濯機の容量に対して衣類を10割入れた場合と、7割しか入れない場合を比べると、10割では、3分の1しか洗浄力が発揮されないという実験結果も報告されています」
たとえ、8kg入る洗濯機でも、8kg分の洗濯物をぎゅうぎゅうに詰め込んで洗うと、汚れ落ちが悪くなるのだ。
入れる衣類は容量の7割程度におさえるのがおすすめだという。
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●しわを防いで洗浄力アップ! 洗濯ネットの賢い使い方
洗濯ネットは、大きめのネット1枚に数枚の衣料を入れてしまいがちだが、「1袋1枚」&「たたんで入れる」のが鉄則だと、前出の大貫さんは言う。
「衣類をたたんだ状態で、その大きさに合うネットに入れます。衣類より大きいネットに入れると下にずり落ちてしまい、衣類の重なり部分が増えてしまいます。そうすると、汚れ落ちが悪くなり、さらにしわも増えるので、アイロンがけも大変になります」
洗濯後:すぐに干し、早く乾かす工夫を!
最後に、洗濯後は何を注意すればいいのだろうか。
「菌にとって、梅雨時の高温多湿の部屋は居心地がよく、洗濯物に含まれる水分も大好物。つまり、洗濯物が乾くまでの時間が長いほど菌は増え、においが発生しやすくなります」
そこで、少しでも乾燥時間を短くして菌を増殖させないことが重要になる。部屋干しの場合、5時間以内に洗濯物を乾かしきれば、においが発生しづらいという。では、どうしたら早く乾かせるのか。ポイントは、置き場所だ。
「大前提として、空気の流れがある場所、風通しのいい場所に干すことが肝心です。物干し台を置くなら、部屋の中央に、ピンチ式洗濯物ハンガーなどを吊るすなら、部屋と部屋の境目の鴨居などがおすすめです」
一方、カーテンレールや壁際は、風通しが悪いのでNG。そもそもカーテン自体にほこりや汚れがついているので、せっかく洗った衣類に汚れがついてしまう。また、洗濯後の衣料に菌を増やさない、ついても除去する方法もある。
「濡れた状態の時に、衣類用の除菌・消臭スプレーをかけておけば、付着している菌が少なくなります」
洗う時に抗菌洗剤や酸素系漂白剤を使い、乾かす最中にも、除菌スプレーを併用するのがおすすめだ。