アトピー、口唇ヘルペスの発症も!6月の紫外線は要注意
梅雨時期はどんよりと曇った日が多く、それほど紫外線の強さを感じない。しかし、「1年でいちばん紫外線が降り注ぐのは、実は6月」だと気象予報士の饒村曜(にょうむらよう)さんは言う。
「二十四節気の1つ、夏至を含むこの月は太陽高度が高く、もっとも紫外線が強いのです」
そう、6月の紫外線量の多さは盲点なのだ。
「梅雨寒という言葉があるぐらい気温があまり上がらないため、長時間外にいられるので想定外に浴びてしまいがちです。逆に真夏は気温が高く、日差しが明らかに強いため、充分に対策を講じられますが、この季節は無防備になってしまうのです」(饒村さん)
紫外線は曇りの日でも降り注ぐ。
「分厚い雲に覆われてどんよりと曇っているならさすがに少ないですが、薄曇りぐらいであれば多いですね」(饒村さん)
では、今年の梅雨はどんな傾向にあるのだろうか。
「今年はあまり雨の降らないカラ梅雨になりそうです。つまり、太陽高度の高い、強い紫外線が体にそのまま降り注ぐ“梅雨の晴れ間”が多くありそうなので、例年以上に注意が必要です。外出時は紫外線情報に注意し、日傘をさすなど肌の露出を避けたり、UVカットクリームを使用するなど対策が必要です」(饒村さん)
シミ、しわだけじゃない!今年はアトピーや口唇ヘルペスも注意
紫外線は体にどんな悪影響を及ぼすのか。『和(なごむ)皮ふ科クリニック』院長の間山真美子さんに聞いた。
「紫外線はシミやしわの原因になるだけではなく、直接、細胞のDNAを損傷させてしまうので、繰り返し紫外線を浴びることで皮膚がんになる危険が高まります」
そして今年は春の寒暖差が体に追い打ちをかける。
「すでに体力を消耗しているため自然治癒力が低下しており、湿疹やじんましん、アトピーを発症したり、悪化したりするケースが目立ちます。強い紫外線を浴びることは、それらの症状を深刻化させる因子にもなり得ます。また、疲れやストレスのほかにも、強い紫外線によって皮膚の免疫が低下して、口唇ヘルペスが発症する場合もあります」(間山院長)
おすすめは晴雨兼用傘
やはり6月からはUVケアが必須なようだ。そこで最新の日傘情報を日本洋傘振興協議会の田中正浩さんに聞いた。
「以前は黒い日傘がいちばんUV効果が高いといわれていましたが、最近は技術の向上によって色による違いはほぼないので、選択肢が広がっています」
田中さんはこの時期、晴雨兼用傘を使うといいと提案する。
「晴れや曇りの日は紫外線を防ぎ、梅雨の急な雨にも対応できます。1本持っておくととても便利だと思います。ただし、雨に濡れた時はしっかり乾かしてからたたまないとUV効果に影響してしまいます」
日傘は生地にUV加工を施しているため、汚れを落とそうと表面をゴシゴシとこすったり、たたむ時にキュキュッとこすり合わせるのは避けるべきだ。
「きっちりと細くたたむかたが多いですが、そうすると強く摩擦してしまいます。生地にUV加工をしているという意識を持っていただけると、いい状態を長く保てると思います」(田中さん)
最後にこれから沖縄に行く人は、特にUV対策に注意が必要だと饒村さんは言う。
「沖縄は6月中旬には梅雨が明けます。つまり、太陽高度が高いうえ、紫外線を遮ってくれる雲がない日が続くのです。つまりは毎日が“梅雨の晴れ間”なのです。
しかし旅行者は“まだ6月”という意識があり、UVケアを怠りがちです」
今年は梅雨明けが早いため、たとえ気温が高くなくてもUV対策をしっかりと行いたい。
※女性セブン2018年6月21日号
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