下半身太りもすっきり!?【股関節】を締め直す簡単トレーニング4選
年々増えていく体重、太くなっていく脚、下がっていくお尻…。イライラするし心も体も不安定。「寄る年波には逆らえないわ」と嘆く前に、「股関節」を締め直すトレーニングにチャレンジを。あの頃の元気とプロポーションを取り戻せるかも?カリスマ整体師・南雅子さんと、くびれ母ちゃんこと姿勢改善コアトレーナーのYumicoさんに、股関節トレーニングを教えてもらった。
股関節トレーニングの効果とは?
「股関節が正しい位置にあれば、お尻やお腹まわりなど、歩くときに本来使われるべき筋肉を正しく使うことができるようになるので、普通に生活しているだけでも下半身太りが改善するほか、下がっていた内臓が引き上げられてくびれができやすくなります。代謝が上がって消費カロリーもアップするので、股関節を締め直すだけで、高いダイエット効果が期待できます」
こう話すのは、くびれ母ちゃんこと姿勢改善コアトレーナーのYumicoさんだ。ダイエットのほか、猫背や冷えの改善にもつながるほか、自律神経も整ってイライラの解消も期待できるという。
→股関節のゆがみを簡単にチェックする方法|猫背タイプ?反り腰タイプ?
股関節を締め直すには、どうすればいいのか。長い時間をかけてズレた関節を元に戻すのは難しいように思えるが、多くの場合、1回行うだけで効果が実感できると、整体師の南雅子さんは言う。
「1分程度でできるものが多く、どれも行ってすぐに、血流が改善して体がポカポカと温かくなるという人が多い。なかには、たった1回行っただけで太ももが2cm細くなった人や、ウエストが4cm細くなった人もいます」(南さん・以下同)
1.「お尻トントン」寝たままできる初級編
これまで12万人以上に施術してきた、南さんがおすすめするのが、寝転がったまま股関節と骨盤を整えるストレッチ。
まず、うつ伏せになって両手で頬づえをつき、両脚を肩幅より広く開く。次に片方のひざが90度くらいになるように曲げる。このとき、何度かつま先を伸ばすストレッチをすると、やりやすくなる。ひざを曲げた状態から、かかとでお尻をトントンと叩くようなイメージで、さらにひざを曲げる。反動をつけてもいいので、リズミカルに5回×5セット行う。終わったらひざを伸ばして、ななめ上に向かって「フゥー」と息を吐いてリラックス。反対側の脚も同様に行う。
「ポイントは、股関節の前側を床に押しつけるようなつもりで、脚のつけ根をぴったりと床につけること。かかとがお尻につかなくても、繰り返しているうちにできるようになります」
優しく股関節を整える「お尻トントン」
【1】うつ伏せになって頬づえをつく。両手のひらを合わせてV字に開き、指先であごを支え、両脚は肩幅より広く開いておく。
【2】片方のひざ(イラストでは左ひざ)が90度くらいになるように立てる。このとき、数回つま先を伸ばしてストレッチしておくと効果が出やすい。
【3】ひざを立てた状態から、かかとでお尻を叩くように、リズミカルに5回ひざを曲げる。5回を1セットとして、5セット繰り返す。
【4】ひざを元に戻し、ななめ上に向かって「フゥー」と息を吐く。反対の足でも同様に行う。
2.【コロンコロンストレッチ】あぐらの姿勢で股関節を対称に
こわばった股関節をほぐして、左右のゆがみを整えるには、あぐらをかいて左右にゆれるだけの簡単ストレッチがいい。
両足の裏をくっつけてあぐらをかき、左右の手はそれぞれひざにのせる。このとき、親指の爪で中指の第一関節を触って輪をつくるような形にすると、肩や腕に余計な力が入りにくい。そのまま、ひざの位置が高い方のひじを曲げながら、その方向のひざに体重をかけ、ななめ45度前に体を倒す。ふくらはぎが全部床についたら体を元に戻し、反対側も同様に行う。コロンコロンとリズミカルに、交互に5回ほど繰り返す。
「あぐらをかいてみて、左右のひざの位置を比べてみてください。もし左右対称になっていなければ、高い方の股関節がズレている証拠。高い方を念入りに行うといいでしょう」
●左右のゆがみをほぐして正す「コロンコロンストレッチ」
【1】左右の足裏を合わせてあぐらをかく。まっすぐ前を見て、骨盤が床に対して垂直になるようなイメージでお腹を引っ込める。左右の手はそれぞれひざの上にのせて胸を開く。
【2】片方のひじ(イラストでは右ひじ)を軽く曲げ、曲げた方のひざに体重をかけるようにして、ななめ45度前に体を倒す。ふくらはぎが全部床についたら【1】の姿勢に戻り、反対側も同様に行う。【1】【2】を交互に5回繰り返す。
3.【四つん這いストレッチ】股関節を整え“はめ直す”
43才で3人の子供を育てる「くびれ母ちゃん」こと姿勢改善コアトレーナーのYumicoさんが紹介するのは、ちょうどネジやボルトを締め直すように、大腿骨を正しくはめ直すストレッチ。
まず、四つん這いになって、両手は肩よりも手のひら1枚分くらい前につく。ひざは肩幅より少し広めに開き、かかととつま先は内側に向ける。そのまま腕を伸ばしながら、お尻を自分の真後ろに引くのを30回繰り返す。
「繰り返すうちに、股関節がほぐれて、正しい位置にはまるようになります。お尻をプリッと突き出すようなイメージで引くと、内ももが伸びるのが感じられるので、それが正しいフォーム。ただし、万が一痛みがある場合は無理をしないように」(Yumicoさん・以下同)
●股関節の“ボルト”を締め直す!「四つん這いストレッチ」
【1】肩幅より少し広めに脚を開いて四つん這いになる。肩から手のひら1枚分くらい前に両手をつき、かかととつま先は内側に寄せておく。腰が反らないように気をつける。
【2】内ももが伸びるのを意識しながら、お尻をプリッと突き出すように、自分の後ろに向かってゆっくりお尻を引く。【1】の姿勢に戻り、30回繰り返す。
4.【脚パカ筋トレ】股関節のインナーマッスルを鍛える
最後に、股関節のインナーマッスルを鍛えるトレーニング。
「骨盤と大腿骨をつなぐ『大腿方形筋』というインナーマッスルを鍛えるトレーニングです。ここを鍛えると、寛骨臼にはまった大腿骨を安定させることができる。すなわち、股関節が正しくはまった状態をきちんとキープできるようになるのです」
まずは右腕を枕のように頭の下に置いて横向きに寝る。左手は腰に当てて、股関節とひざがそれぞれ90度になるように曲げておく。このとき、左右のかかとはぴったりくっつけて、骨盤が床に対して垂直になるように気をつける。
次に、かかとはつけたまま、左ひざをゆっくりと持ち上げるようにして脚を開く。これを左右各20~30回くらいを目安に行う。
「お尻はプリッと突き出したまま行ってください。脚を開くときに、体が背中の方に倒れると効果が得られないので、骨盤は常に床と垂直にキープして。お尻の下の方の筋肉が収縮しているような感覚があればOKです。普段意識することのないインナーマッスルを鍛えるので、はじめのうちは難しいでしょう。お尻や太ももの筋肉に頼らず、股関節の内側を意識しながら繰り返し練習してみてください」
Yumicoさんによれば、ストレッチで締め直した股関節やそのまわりの筋肉などが適応するまでには、最短でも3か月ほどかかるという。
「歯の矯正と同じように、骨の位置を正していくとなれば、ゆがみがひどい人ほど時間がかかり、長ければ1年近い時間を要する場合もあります。インナーマッスルを鍛える感覚をつかむのも難しいので、根気よく続けてほしい」
ゆがみがち、ゆるみがちな場所だからこそ、きちんと整えて鍛えれば、体も心も見違えるほど変わる。ダマされたと思ってやってみれば、劇的な変化が体感できるかも。
●見た目よりハード! 「脚パカ筋トレ」
【1】骨盤が床に対して垂直になるように横向き(イラストでは右側が下)に寝て、下になっている方の腕を枕にする。反対の手は腰に当て、股関節とひざがそれぞれ90度になるように脚をそろえる。
【2】お尻をプリッとさせ、かかとをつけたまま、骨盤が傾かないように気をつけながらひざをゆっくりと開く。【1】の姿勢に戻り、【1】【2】を20~30回ほど繰り返す。反対側も同様に行う。
教えてくれた人
カイロプラクティック・整体師 南雅子さん
整体エステ「GAIA(ガイア)」主宰。『死ぬまで歩くには1日1分股関節を鍛えなさい』(SBクリエイティブ)など、著書多数。
姿勢改善コアトレーナー Yumicoさん
現在オンラインレッスンも行う「YumiCoreBody」代表。『くびれ母ちゃんの骨からボディメイク 3DX BODY』(ワニブックス)など著書多数。
イラスト/鈴木みゆき
※女性セブン2021年4月1日号
https://josei7.com/
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