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沢田亜矢子「ガボール・アイ」あべ静江「手術」…芸能人が実践する老眼対策

「ずっと欲しかった時計がやっと手に入ったのに、文字盤が細かくて見えない。老眼になる前に戻りたい」と福山雅治(52才)がため息をつけば、小泉今日子(55才)は「老眼が進行して“近くの愛”に気づけなくなった。見えるのは遠くの愛だけ」と苦笑いする。

 才能にあふれるタレントにも、年を重ねることで表れる体の変化は平等に訪れる。特に台本を読み、相手の話を聞くのが仕事である彼らにとって、目と耳はいわば商売道具。若々しい姿でテレビに映る“あの人”は、どう老化に立ち向かっているのか。とっておきの方法をこっそり取材した──。

沢田亜矢子:1日5分の「ガボール・アイ」

「すごくない?」

 視力検査表の前でつぶやいたのは、女優の沢田亜矢子(72才)だ。

 国語辞典の小さな文字にピントが合わないとか、50代後半から兆候があったのですが、本格的な視力の衰えを感じ始めたのは、70才も近くなった頃。近くのものにピントが合わないし、きちんと見えるのは遠くのものだけ、という状況が日常になりつつありました。そんなときにテレビ番組で老眼の進行を遅らせるトレーニングに挑戦する機会があり、渡りに船とばかりに眼科の先生のもとで1か月トレーニングに励みました」

 沢田が主に取り組んだのは、「ガボール・アイ」というピント矯正シートを使った老眼改善法。ランダムに並ぶさまざまな形のしま模様を目で追いながら同じ模様を見つけていく、言わば目だけを使った“神経衰弱”だ。なぜこのトレーニングで視力が回復するのか。
実践を指導した二本松眼科病院の平松類さんが解説する。

「私たちがものを見るときは、目だけでなく脳も使っています。まず眼球の網膜が光を捉え、電気信号として脳に伝わる。その後、脳で処理された画像が視界として認識されます。つまり画像を見分ける訓練をすることで脳の処理能力が上がり、視力が向上するのです」

 沢田はこれを1日5分、毎日欠かさず続けた。

「約3週間後に検査を受けると、0.6だった視力が1.0に。思わず、『やらせじゃないの!?』と思ってしまったほど(笑い)。驚いたことに老眼とともに近眼も改善されていた。気がつけば老眼鏡を使わず裸眼で台本を読めるようになっていました」(沢田)

目の筋肉を鍛える「人差し指ストレッチ」

 驚異的な回復の背景には、もう1つ理由がある。平松さんは沢田に、目の筋肉を鍛えることも推奨していたのだ。

「脳の処理能力の低下に加え、視力が落ちる原因となっているのはピントを合わせるときに使う『毛様体筋』の筋力が衰えたり固まったりすること。特に本を読んだり料理をしたりするために手元を見たり、集中しているときは無意識のうちに1点をじっと見ているため、毛様体筋が凝り固まりやすくなります」(平松さん)

 これを解消するために沢田が行ったのが「人差し指ストレッチ」だった。

「人差し指を顔から30cmの距離に立て、そこに視点を合わせて5~10秒見つめた後、今度は2m先を5~10秒見つめることを交互に繰り返し、目の筋肉を鍛える方法です。毎日、10回ずつ続けるだけでいいと聞き、街中で信号待ちのときなどに取り組んでいました。最初は景色がぶれて見えていたのが続けるうちにくっきりと見えてくるのが印象的でした。コロナ禍でステイホームが続き、ついサボってしまいそうになりますが、継続しなければ視力は保てない。いまでもなるべく毎日行うよう、心がけています」(沢田)

藤原紀香:ホットタオルと鮭で視力回復

<加齢にどう向き合っていくかはいつも考えているのですが、目に関しては蒸しタオルで温めてから冷やして疲れをとっています>

 これはアラフィフになってなお、抜群の美貌とスタイルを誇る藤原紀香(49才)がトークイベントで明かした目のエイジングケアに関する秘訣だ。

 平松さんも声を揃える。

「特に現代人は、スマホの使いすぎなどで目のまわりの筋肉が凝り固まっている人が多いため、周囲を温めて筋肉をほぐすことは重要です。水を絞ったタオルを電子レンジで40℃くらいに温め、目に1~3分ほど当ててください。血流がよくなり、疲労物質が流されて目の筋肉の働きが改善。ピントの調節機能が回復します」

 使うのは必ずしもホットタオルでなくてもいい。タレントの大桃美代子(55才)はお湯で温めた大きめのスプーンで目のまわりをマッサージし、大幅に視力が向上したことをテレビ番組で語っている。目そのもののケアに加え、気を配りたいのが食事内容だ。

「目のアンチエイジングに効果的なのは鮭を食べること。紅鮭の紅い色はアスタキサンチンという抗酸化物質によるもので、老化の原因になる活性酸素を抑制する働きがあります。同様に抗酸化作用のあるビタミンCやE、紫外線の活性酸素を除去する効果のあるルテインも積極的に摂りましょう」(平松さん)

 アスタキサンチンは紅鮭だけでなく、えび、かになどに、ルテインはほうれん草に多く含まれている。ビタミンCやEは野菜を積極的に食べることで補いたい。

老眼鏡をおしゃれにとりいれる方法も

 トレーニングや生活改善によって視力が回復する例が多いとはいえ、いま日常生活に支障が出ているのであれば、老眼鏡の導入も検討すべきだ。

「かけることそのものへの抵抗感や『老眼鏡をかけると老眼が進むのではないか』という心配からがまんして裸眼のまま生活する人もいますが、逆効果です。無理をしてものを見ようとすると目の筋肉はますます疲労し、目にとってよくありません。老眼鏡をかけるのに早すぎるということはありません。ただし、眼科に行き、自分の視力に合ったものを選ぶこと。度数の合わない老眼鏡は不調の原因になります」(平松さん)

 韓国で作ったおしゃれな老眼鏡をインスタグラムにアップした梅宮アンナ(48才)のほか、「老眼鏡をかけるとデカ目になる」とSNSで写真を添えてコメントした梨花(47才)など、率先しておしゃれに取り入れる芸能人も多い。迷ったら、彼女たちにならって眼科で相談してみるのもひとつの手だろう。

あべ静江:手術で階段を下りるのが楽に

 手術によって老眼を治療する方法もある。

「手術室から出た瞬間、『うわっ、見える!』とびっくりしました」

 笑顔でそう話すあべ静江(69才)は2020年12月に受けた検査で、白内障であることが判明。視界が急激にぼやけるようになったため、2021年1月に右目、2月には左目の手術を受けた。

 白内障の原因である水晶体の混濁を除去するとともに、2つ以上の焦点にピントが合うレンズを眼内に入れる「多焦点眼内レンズ手術」だったという。

 平松さんが解説する。

「多焦点眼内レンズは複数箇所にピントが合わせられる特徴を持ち、近視や遠視、老眼すべてを矯正してくれる効果があるレンズです。白内障手術と同時にできるのでレーシックのように追加治療ではないというのがメリットです」

 手術後、白内障はもちろん老眼と乱視も大きく矯正された。

「手術前は、歩道と車道の段差や小さな高低差がもやがかかったように見えづらく、階段も注意しながらゆっくり下りている状態でした。夜になるとさらにひどくなり、人物もグレーのシルエットでしか見えず、顔の識別もできない。こうした状況が改善されたのは本当に喜ばしいこと。マネジャーや周囲の人たちからは目が若返ったとも言われます。視力は外見にも直結するのだと実感しました」(あべ)

※女性セブン2021年4月8日号

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