これからが美味しい季節!ねぎ|種類、白髪ねぎの切り方、基本のしたごしらえ、保存法
食材や薬味として重宝するねぎは、年中常備したい野菜。そのおいしさを生かすために知っておきたい、種類・部位別の特徴や下ごしらえ、保存方法を紹介します。
目次
ねぎの栄養成分と効能
ねぎには多くの種類があり、関東では根深ねぎなどの「白ねぎ」、関西では九条ねぎなどの「青ねぎ」が好まれてきた。現在はどちらも全国に広まっているため、料理に合わせて使い分けるとよい。
「緑の部分の色がきれいで、身にハリがあるものを選ぶと新鮮でおいしいですよ」と豊満さん。
ねぎには白と緑の部分があるが、じつはどちらも葉。太陽に当たった部分が緑に、土に埋まった部分が白くなる。白い部分は甘く、緑が濃くなるほど辛みが強い。
「ねぎ特有の辛みは、アリシンという栄養素によるもの。生活習慣病の予防や、疲労回復に効くビタミンB1の利用効率促進機能があるといわれています」(豊満さん)
甘みを出したいときは、大きく切って加熱するといい。また、ねぎの内側のぬめりも加熱で甘みが出るため、洗い流さずに調理を。
ねぎの代表的な種類
代表的なねぎの種類とおすすめの調理法を紹介する。根深ねぎは炒めもの、九条ねぎは鍋向きといわれる。
根深ねぎ
関東で最も出回っている品種で、「長ねぎ」とも呼ばれる。白い部分が多いが、食感はかためで辛みが強いため、薬味にしたり、焼きねぎや炒めものなどに向く。
小ねぎ
葉ねぎを若採りしたもので、「万能ねぎ」として市販されているものもこの一種。細いのが特徴で、辛すぎず、比較的安価。薬味やトッピングとして便利に使え、パスタなどの洋風料理にも合う。
九条ねぎ
別名「葉ねぎ」。根元まで青く、やわらかい。緑の部分やぬめりが多く、加熱すると甘みが強く出るため、鍋やすき焼きなどにおすすめ。ゆでて、ぬたにしても美味。
根深ねぎ部位別の特徴
白いほど甘く、緑が濃いほど辛く香り高い。
●緑の部分
いちばん辛みが強く食感もかたいため、お年寄りやねぎが苦手な人は食べづらいことも。ぬめりによる甘みが出るよう、加熱調理するとよい。
●分岐している部分
辛みと甘みのバランスがよく、加熱するととろみが出て、汁ものや炒めものにおすすめ。分岐する部分に土が残りやすいため、洗うときは入念に。
●緑部分寄りの白い部分
繊維が細かくやわらかいが、外側の皮にはコシがある。煮ものや汁ものにすることで、外側までやわらかくなる。
●根元寄りの白い部分
もともとの甘みが最も強い部分。肉厚で繊維がしっかりしており、火を通すととろみのある食感になる。生でも食べやすいため、薬味として使うならこの部位を選ぶとよい。
代表的なねぎの調理法
白い部分の代表的な切り方、白髪ねぎの作り方は以下の通り!
白髪ねぎの切り方
1:ねぎの中心に切れ目を入れる
ねぎの白い部分を約5㎝幅に切り、繊維に沿って中心に切れ目を入れる。
2:中の芯を取り除く
切り込みを開き、中にある芯を取り除く。芯はみじん切りなどにして料理に使ってもよい。
3:白い部分を重ねて千切りにする
残った白い部分を広げて重ね、繊維に沿って千切りにする。繊維がしっかりしているため、できるだけ細く切ると食べやすい。
基本の下ごしらえ
臭みを抜くなら「さらしねぎ」、香ばしさを出すなら「焼きねぎ 」。
さらしねぎの作り方
薬味として使う場合は、水にさらして臭みを抜く。極薄切りにしたねぎをさらし布巾に包み、ボウルにためた水の中で揉む。約10回を目安に、ねぎがふわっと丸まるまでしっかり揉むこと。
焼きねぎの作り方
香ばしさや旨みを引き立てたいときは、焼きねぎにするのがおすすめ。フライパン(オーブン、焼き網でも可)に薄く油をひき、軽く焦げ目が付くまで焼く。そのまま食べても、料理の下ごしらえとして焼いてもよい。
保存方法
カット&密閉して冷蔵庫へ。立てて保存するのがポイント ねぎは立てて保存することで鮮度が保たれ、長持ちする。2~3等分にカットしたらラップで密閉し、冷蔵庫に立てて入れる。細かく切ってある場合は、ラップで包んで冷凍も可。
教えてくれた人
豊満美峰子さん/女子栄養大学大学院了。同短期大学部の食物栄養学科教授。調理学を専門に教鞭をとる。書籍・雑誌の監修や著書も多数。
撮影/下重修