もし買い物中に地震が発生したら…出口にすぐ向かうのはNG!とるべき正しい行動とは?
地震はいつやってくるかわからない。もし買い物中に発生したら…。ケガをしないため、命を守るためにはどうしたらいいのだろうか。正しい行動をとれるよう、今すぐ覚えておきたい心構えを専門家に教えてもらった。
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慌てて建物の外に飛び出してはいけない
●素早く商品棚から離れる
「スーパーマーケットやデパート、ショッピングモールで被災した場合、棚から商品が落ちてきたり、展示品などが倒れてくる恐れがあります。かばんなどで頭を守りながら、素早くショーケースや商品棚から離れましょう」
と語るのは、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さんだ。
慌てて出口に向かって走ったり、建物の外に飛び出したりしてはいけない。転んだり、落下物によりけがをする可能性が高いからだ。
●揺れがおさまったら広い場所で待機する
「揺れがおさまったら、通路やエレベーター前のスペース、階段の踊り場など、物が倒れてきたり落ちてくる恐れのない広い場所で待機しましょう。その後、店員の指示に従って避難します」(和田さん・以下同)
コンビニで被災した場合は?
では、店内に待機できるような広い場所がなく、商品棚でほぼ埋め尽くされたコンビニエンスストア(以下コンビニ)で被災した場合はどうしたらいいのだろうか。
●コンビニの商品棚は独自の安全基準で設置されている
前述のスーパーマーケットなどの例を考えると、商品棚の間は危険そうだ。しかし、コンビニに限っては、ちょっと話が違うという。
というのも、大手コンビニチェーンは災害時、トイレや水の提供など、被災者支援を行う指定公共機関となっている。そのため、地震発生時に店内で被害が出ないよう、強度の高いガラスを使ったり、棚の高さも低く抑えたうえでしっかり固定するなど、独自の安全基準を設けているのだ。
●レジ回りの揚げ物ショーケースは危険
「震度6強~7の地震発生後のコンビニ店内の様子を見ても、商品棚はほとんど倒れていません。それよりも危険なのは、レジ回りにあるコーヒーマシンや揚げ物用のショーケースなどです。これらは大地震の際、倒れているケースがほとんど。地震発生時にレジ付近にいたら、すぐに離れた方がいいでしょう」
ただし、ワインボトルなど割れ物が近くにある場合は話は別だ。倒れて割れたガラスが飛び散ることも考えられるので、それらの商品棚の近くにいる場合は、すぐに離れた方がいい。
●雑誌コーナーの前か、レジの反対側スペースが安全
ちなみにコンビニ店内で最も安全なのは雑誌コーナーの前か、レジと反対側のスペース。揺れがおさまるまではここで待機するのがおすすめだ。
まとめ
●スーパーマーケット、デパートなどでは、慌てて外へ向かって走らない。
●棚から商品が落ちてくる恐れがあるので、頭を守りながら商品棚から離れる。
●揺れがおさまったら、広いスペースで待機、店員の指示に従い避難。
●コンビニの棚は倒れにくい。棚より、レジ回りのショーケースに注意。
●ボトルなど割れ物の棚からはすぐに離れる。
●コンビニで安全なのは、雑誌コーナーの前からレジの反対側。
教えてくれた人
和田隆昌さん/災害危機管理アドバイザー
イラスト/大窪史乃
※女性セブン2020年9月3日号
https://josei7.com/
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