夏の絵手紙 初心者の心得、コツ|絵手紙作品例プレバト出演・花城祐子さんが伝授
「絵手紙って、もらうとうれしいものなのです。だから、絵手紙を描くことを“難しい”と思うのではなく、“楽しい”と思って始めてほしいですね。
何か特別な道具がないとできないとか、絵がうまくないと無理、そんなふうに思っている人も多いようですが、描けるならペンでも色鉛筆(水溶性ではないもの)でも割り箸でも何でも構いません。
何を描くかは、その日あった出来事や、身の回りの小さな発見や喜びを伝えるような気持ちで選ぶといいでしょう。絵手紙を出す相手を思い浮かべて、その人の好きなものを描くのもいいですね」
初心者向け絵手紙を描く5つの心得
【1】題材は身近なものから
【2】絵も字も大きく大胆に
【3】言葉は短く、飾らない
【4】道具は何でもOK
【5】送る相手を思い浮かべる
40才から始めた絵手紙でテレビ出演するまでに
カルチャースクールなどで数十年、絵手紙の描き方を教えている花城さんが、絵を描き始めたのは40才の頃。夫の転勤がきっかけだ。
「それまでは普通の主婦で、3人の息子の子育てをしていました。それが夫の転勤で九州へ行くことになったのです。それで、離れて暮らすことになった母に、近況報告を兼ねて手紙を出し始め、その後は単身赴任の夫へ送るようになりました。自分にとっては日記代わりのようなものだったと思います」(花城さん・以下同)
驚くべきことに、花城さんはそれ以前に絵を習ったことはなく、絵手紙を描き始めた頃は、家にあったマッチ棒をペンにして描いていたという。
その後、人に教える立場となりいまに至るが、絵手紙を始めた当初、花城さんも手探りだったのだ。
「現在の絵手紙の主流は、墨と筆を使って描く方法です。いまは私も主としてすずりで墨をすって、筆でものの輪郭線や言葉を表現しています。これには墨の濃淡、にじみが美しく出せるからという理由があります」
初めて絵手紙を描くコツは…
描くときのコツは大きく大胆に描くことだ。
「たとえば、学校で習う静物画のように全体像をとらえて描く絵だと、色を塗るのもそれだけ難しくなります。小さく描くのではなく、大きく描けば迫力があって、効果的です。その際に言葉を入れる余白を考えておくことは必要です。
あまり難しく思わないで、よく観察して見た通りを描けばいいのです」
さらに、旬のものを題材にしたり、身近なものを描くことで、親しみが湧いてくる。何よりも、春夏秋冬を感じて楽しみも広がるはずだ。
「それに、描きながらその時々の自分の気持ちを見つめることができるので、心が豊かになります。絵手紙は、人の目を気にしたり、人と比べたり、下手かうまいかで決めるものではありません」
だから、長く続けてほしいと花城さんは言う。
「うまく描けないからとすぐに諦めてしまってはダメ。継続することがとても大切です。続けてきたことへの満足感、人に喜んでもらえることに対する喜びなど、結果はきっと後からついてきます。誰でもはじめはうまく描けなくて当たり前。はじめからうまくいったら天才です」
スマホで撮った写真を残す代わりに、気分を変えて絵手紙を描いてSNSにアップするのもおすすめだ。
次回は、絵手紙に使う道具や具体的な書き方、絵手紙のモチーフの実例などをお伝えする予定だ。
教えてくれた人
絵手紙作家・花城祐子(はなしろさちこ)さん
俳句の夏井いつきさんなど人気の講師が出演する『プレバト‼』で絵手紙の査定を担当。『絵手紙花の会』主宰。朝日カルチャーセンター、NHK文化センターなどで絵手紙を指導。ほかにも個展や著書、テレビ出演などを通して絵手紙の魅力を発信している。
※女性セブン2020年6月18日号
https://josei7.com/
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