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【文京区】注目の介護付有料老人ホーム【まとめ】

 評判の高い高齢者施設や老人ホームなど、カテゴリーを問わず高齢者向けの住宅全般を幅広くピックアップし、実際に訪問して詳細にレポートしている「注目施設ウォッチング」シリーズ。

 15もの大学があり、文の京(ふみのみやこ)とも言われている文京区。夏目漱石や樋口一葉、森鴎外など、多くの文人が住んでいたことでも知られている。また、六義園や後楽園、小石川植物園など緑も多く、大学病院など大規模病院も充実しているため、住宅地としての人気も根強い。今回は、文京区の介護付有料老人ホームを紹介する。

地域に密着した「日常感覚」の介護付有料老人ホーム「杜の癒しハウス文京関口」

 「杜の癒しハウス文京関口」は最寄り駅の有楽町線・江戸川橋駅から徒歩2分。有楽町や池袋など主要駅にも出やすく、家族も面会に来やすい利便性の高い立地だ。椿山荘までも徒歩圏内で、地蔵通り商店街で日常の買い物も楽しめるという。

 高齢者施設が地域と良好な関係を保っていると、外出時のトラブルや体調の変化に近隣の人が気付いて対応してくれることもあるという。目の前の地蔵通り商店街の人も顔見知りで、何か異変があれば知らせてくれるそうだ。地域が見守りの役割を担ってくれているのは入居者にとっても家族にとっても心強い。

「商店街の方が顔を知ってくれていて、連携が取れているので、外出してもらっても安心です。実際にちょっと転んでしまった時に連絡をもらったことがあります。防災協定も結んでいますよ」(施設長の柳沼亮一さん、以下「」は同)

 地域のお祭の際には、敷地を神酒所として利用してもらっているという。町会との防災協定では、施設を災害時に避難場所として提供すること、施設で何かあった際には助けてもらうことなどの約束を交わしている。消防署とも連携を取り、炊き出しなども含めて災害を想定した訓練を定期的に行っているそうだ。

「5階は自立した暮らしを営める方がお住まいです。スタッフと一緒にお酒を飲むこともあります。引っ越してきたという感覚で、できるだけ自分でできることはしていただいて、介護が必要になった時だけ私たちが対応します」

 元気な入居者も多く、世界一周旅行に出かけた人もいたそうだ。職員との交流も程よい距離感で活発に行なっているという。

 高齢者向け施設に入居することを一大事と捉え、生活が一変することへの不安を持つ人も多いそうだ。しかし、柳沼さんは、ここに“引っ越し”てきて、日常を続ける感覚でいてほしいと考えているという。柳沼さんたちスタッフは、入居者と家族との関係にも気を配っている。

「おじいちゃん、おばあちゃんがこちらに入ることによって、ご家族と仲良くなればいいと思っています。必要な介護を私たちがすることによって、今まで通り、威厳を持って、大切にされている関係で家族と接してほしいんです」

  1・3階は重介護居室、2・4階は介護居室、5階は自立介護居室に分かれていて、状態の近い人が多いため、周囲に気を使うことなく生活を送ることができるという。 全ての居室のベッドの枕元やトイレ、浴室にスタッフルーム直通の緊急コールボタンを設置。イオン発生器も標準で装備され、臭い対策もされている。

「臭いには気をつけています。外部の委託掃除は入れずにスタッフが隅々までしています。介護の仕事で『環境整備』は重要なポイントです。掃除をすること、お話をすること、レクリエーションをすることも大切な要素です」

 人それぞれ生活の様式が違うので、掃除の仕方を部屋ごとに変えているとのこと。臭い対策に悩まされている高齢者施設は多いが、ここは隅々まで見せてもらったが、臭いが気になることは全くなかった。

→地域に密着した「日常感覚」の介護付有料老人ホーム<前編>
→地域に密着した「日常感覚」の介護付有料老人ホーム<後編>

先進医療施設が近隣!看護師24時間常勤の介護付有料老人ホーム「ネクサスコート本郷」

 JR御茶ノ水駅周辺には東京医科歯科大附属病院や順天堂医院、日大病院など、大学病院や先進医療施設が数多く集まっている。ネクサスコート本郷は御茶ノ水駅から徒歩6分、日本サッカー協会の手前にある。近隣の大学病院等に通院している入居者も多く、日常の利便性と体調の変化があった場合の安心感の両方を享受しているという。

 恵まれた立地だけではなく、職員体制や様々な病状に対応できるのもこちらの特徴。入居者2.5人に1人以上の介護職員・看護師が配置され、日々の生活のサポートをしているという。また、胃ろう、在宅酸素、認知症、気管切開、中心静脈栄養、尿バルーン、ペースメーカー、鼻腔経管、たん吸引、透析など様々な病状にも対応してくれるそうだ。ただし、病状によっては対応できない場合もあるので、入居前によく相談しておくことが必要だ。

 もちろん、病気だけではなく、「一人での生活が不安」「食事や入浴に介助が必要」「嚥下障害がある」「自力でトイレが使えない」「ベッドから起き上がれない。寝返りに介助が必要」といった生活上の悩みにも対応してくれる。看護師が24時間常勤しており、万一に備えて各居室だけではなく、共用スペースにも緊急用のコール装置を設置しているという。

 介護職員、看護師は入居者の健康管理に力を注ぎ、日々の体調チェックで常に健康状態を把握してくれるという。また、協力医療機関の医師が訪問診療し、健康相談や療養上、必要な処置をしている。もし、治療の必要が出てくれば周囲に数多く存在する地域の医療機関とも連携してくれる。また、誤嚥性肺炎の予防や嚥下機能の維持・改善のために、訪問歯科医や歯科衛生士、看護師、職員が連携して口腔ケアに取り組んでいるそうだ。

 看護師の他に入居者の健やかな日々を支えているのが常勤の理学療法士。理学療法士がいくつかの施設を定期的に巡回してリハビリを担当している高齢者向けの施設はあるが、こちらのように常勤体制にしているところはまだまだ少ない。ネクサスコート本郷を運営する株式会社ネクサスケアは全国で17の有料老人ホームを運営しており、いずれの施設でも理学療法士・常勤の体制を整えているそうだ。

 居室は全室個室でバリアフリーの居室には、様々な配慮がなされている。自動水栓機能のついた洗面台には足を入れるスペースが確保され、暖房・脱臭機能付の温水洗浄トイレは車椅子でも出入りしやすいように間口を広くとってある。また、天井に設置された空気清浄活性器が発生させる高濃度マイナスイオンと微量のオゾンには、森林浴、除菌・脱臭、集塵効果があるそうだ。

 ネクサスコート本郷は都心にありながら、充実した共用施設を持っている。機能訓練室としての役割も果たす大ホールでは、日々の食事の他、書道や絵手紙セラピーなど各種レクリエーションも活発に行われている。

 周囲に大学病院や先進医療施設が多数ある立地と一人ひとりに対応するための人員配置。2006年の開設以来、仕組みを整えて安定したサービスを提供しており、家族にも安心感を持ってもらっているそうだ。

→先進医療施設が近隣!看護師24時間常勤の介護付有料老人ホーム<前編>
→理学療法士が常勤!機能訓練が充実の介護付有料老人ホーム<後編>

設備が充実、展望大浴場も備えた介護付有料老人ホーム「クラーチ・エレガンタ本郷」

 東京大学の赤門がある本郷は、言わずと知れた文教地区。東京メトロ南北線の東大前駅1番出口を出ると、すぐ目の前に「クラーチ・エレガンタ本郷」が見える。

 同じ建物に「メディクス本郷クリニック」が併設されているので、日々の健康管理はもちろん、急な疾病にも対応できるという。また、施設内には24時間態勢で看護師が常駐している。何かあった場合、夜間でも看護師が素早く対応でき、併設されたクリニックの医師と連携できるため、適切な処置が可能だという。周辺には東大病院など総合病院が複数あり、平日には予約制で半径5キロ以内の医療機関へ車で送迎するサービスもあるそうだ。

 こちらの特徴の一つは共用施設の充実ぶり。図書コーナーには本や雑誌、新聞が揃っており、自由に使うことができる。

 見晴らしのいい屋上にはガーデニングコーナーがあり、そこで収穫したハーブを施設内の食事で楽しむこともあるという。東京大学の農学部の緑が見え、とても心地の良い空間だ。

 同好会や習い事も盛んに行われているという。カラオケ同好会をはじめ、絵画や書道、陶芸の教室などが開かれていている。他にも麻雀や囲碁のセットもあり、入居者同士のコミュニケーションの場になっているという。また、シアターでは映画の上映会が開かれる他、音楽サークルの練習やコンサート会場、体操教室などにも利用されている。吹き矢や子どもに人気の体を動かせるゲームなど、入居者のリクエストで導入されたものも多いそうだ。

 アクアビクスや水中での歩行運動ができるプールも完備。水の中で行う運動は、膝や腰への負担がかかりにくく、リハビリにも効果的だという。水流を発生させることができる本格的なもので、リラクぜーションのためのジェットバスとしても合わせて利用できるそうだ。

 居室には緊急時のコールボタンや、部屋の中で一定時間移動がないことを感知して事務室へ通報する生活リズムセンサーも備え付けてあるそうだ。安全面への配慮をしつつ、絵画や写真を飾れるピクチャーレールをつけるなど、生活にうるおいをもたらす工夫もバッチリだ。

 居室全体がバリアフリー設計になっていて、洗面や脱衣、洗濯のためのスペースがゆとりをもって作られている。トイレは車椅子での利用を考慮して、間仕切りを可動式にしたそうだ。出入り口を広く確保できる仕組みにして、入居後の状態の変化にも対応できるようにしたという。

 最後に紹介したいのが、最上階にある食事ができるダイニングと大浴場。周囲に高い建物はなく、抜群の眺望だ。スカイダイニングでは旬の食材や有機野菜を使った料理を朝、昼、夜に提供。朝は和食か洋食、昼と夜は複数のセットメニューから選べるようになっているという。治療食にも対応しているそうだ。

 大浴場には神経痛、リウマチ、腰痛、肩こり、冷え性などに効果・効能が認められている「光明石」湯を使用。リラクゼーション設備として眺望を含めてお風呂を楽しめる。

 東大前駅ほぼ直結の恵まれた立地にありながら、展望大浴場やプールのあるジム、屋上庭園まで備えているクラーチ・エレガンタ本郷。文京区の恵まれた環境を思う存分享受しながら生活ができそうだ。

→設備が充実、展望大浴場も備えた介護付有料老人ホーム<前編>
→設備が充実、展望大浴場も備えた介護付有料老人ホーム<後編>

 申し分ない住環境を誇る文京区の各施設。同じ介護付有料老人ホームだが、それぞれの特徴は大きく異なっている。緊急事態宣言が解除された今、以前のように気軽に見学に行ける状態になることに備え、気になる施設をピックアップし始めてみてはいかがだろうか。

撮影/津野貴生 取材・文/ヤムラコウジ

※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。
※過去の記事を元に再構成しています。サービス内容等が変わっていることもありますので、詳細については各施設にお問合せください。

→このシリーズのバックナンバーを見る

●特養に早く入所する裏ワザ|判定会議で優先順位を上げる方法や狙い目

●施設内「感染リスク」の高い危ない老人ホームの見分け方

●新型コロナで要介護認定はどうなる? 要介護申請の流れをおさらい

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