大地震発生!運命の選択|ベッドと家具の配置安全なのはどっち?
大地震などの災害は、いつ起きるわからない…。予め備えておくことで命を守るために、知っておきべきことをお伝えする。
ベッドと家具の配置、安全なのはどっち?
早速問題。ベッドと家具の配置、揺れが起きても安全なのはどっち?
A:頭側にベッドと垂直に置く
B:足元側にベッドと平行に置く
※正解は、以下をご覧ください。
「津波発生時を除き、同じ震度の地震が発生した場合、昼と夜では、夜の方が被害が大きくなります」
と、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さんは言う。
夜の場合、停電すると暗闇の中で避難しなくてはならない。地震の揺れだけでなく暗闇の恐怖も重なり、パニックに陥るケースが多いからだ。
「夜間に地震が発生した場合、8割強が寝室で被害に遭っています。就寝中のため、突然の揺れに対処する間もなく、倒壊や落下物の被害を受けたり、停電で避難が遅れ、室内に閉じ込められてしまうからです。ですから、家の中でも、特に寝室の地震対策は、日頃からしっかりとしなければなりません」(和田さん・以下同)
停電時に自動点灯する“保安灯”を設置しよう
基本的に、木造家屋は1階から崩れることが多いので、寝室は2階の方がよい。さらに、震度5強を超えると、たんすや本棚などの家具が倒れる可能性が高いので、なるべく寝室に家具は置かないようにしたい。しかし、住宅環境によっては、寝室に置かざるを得ないケースもある。
「その場合は、倒れてきた家具につぶされたり、入口を塞がれないように、家具を置く場所を工夫しましょう」
となると、ベッドの頭側に家具や物は置かない方がいいのだろうか。
「大事なのは向きです。家具は前に倒れるので、Bのイラストのように足元に置くと転倒した家具の下敷きになる危険性があります。Aのように、頭側でもベッドに対して垂直に配置した方が、転倒しても下敷きになる可能性は低いんです」
ということで、今回はAが正解。Bのようにベッドに対して平行に配置する場合は、ベッドと家具の間を家具の高さよりも広くあけた方がよい。
さらに転倒しないよう家具を固定すること。釘などを用いて壁や床などに固定できればいいが、賃貸住宅などでできない場合、家具の下に敷くだけで滑りや転倒を防いでくれる粘着テープや耐震マットなどの固定具を活用しよう。
「枕元に懐中電灯を用意するだけでなく、停電時に自動点灯する保安灯を寝室などのコンセントに設置してください。これがあるだけで安全に避難できる確率が上がります」
寝室に厚底の運動靴を用意しておくのもおすすめ。これらの備えがあれば、夜の避難時も慌てず行動できるはずだ。
教えてくれた人
和田隆昌さん/災害危機管理アドバイザー
イラスト/大窪史乃
※女性セブン2020年6月18日号
https://josei7.com/