新型コロナ防ぐ6つの生活習慣|免疫力高める歯磨き、入浴法
食事法や粘膜対策など、新型コロナウイルスに対抗するための秘策をお届けしてきたが、今回は免疫力を高める「生活習慣」について、専門家に解説いただいた。入浴法から睡眠、歯磨きまで、ちょっとした工夫でウイルスに克つ体へ―。
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新型コロナ防衛策1「40℃前後の風呂に10分入る」
新型コロナウイルスに打ち克つために免疫力を高めるうえでは、生活習慣を改善することも大切だ。『それでは実際、なにをやれば免疫力があがるの?』(ワニブックス)の著者で純真学園大学客員教授の飯沼一茂さんは以下のように語る。
「熱すぎない40℃前後のお湯に、約10分入ると、1℃体温が上がるといわれている。より血流をよくして細胞を活発化させるためには重曹や“重炭酸”の入浴剤もおすすめです。体を芯から温めて、末梢の血管やリンパ管を開くことで、リンパ球が血液とリンパ液の中をスムーズに循環するようになり、免疫力がさらにアップするのです」
新型コロナ防衛策2「ストレスをためない生活を」
ストレス状態が続くと「ストレスホルモン」とも呼ばれるコルチゾールが過剰分泌され、免疫機能の低下につながる。入浴でリラックスすることは、ストレス解消という面でも免疫力アップにもつながるのだ。
「いまの時代、病気の9割はストレスがつくるといわれている」と、日本養腸セラピー協会会長の真野わかさんも語る通り、しっかりお風呂に入る時間を確保し、日頃からなるべくストレスをためない生活を心がけたい。
新型コロナ防衛策3「入浴の2時間後には寝る」
入浴によるリラックス効果は、「睡眠」の質にも影響する。睡眠中に分泌される成長ホルモンがきちんと機能していると、体の修復機能が高まり、免疫細胞が作られて免疫力がアップするからだ。
「睡眠中、私たちは深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠を繰り返しています。成長ホルモンを出したり、免疫力を上げる副腎皮質ホルモンを出したりするのは、ノンレム睡眠の間。免疫力アップには、特に寝始めて最初のノンレム睡眠が大切です」(芝大門いまづクリニック院長・今津嘉宏さん)
そのため、スムーズに眠りに入ることが重要なポイントになる。
「入浴後、2時間ほどして体温が下がり始めると眠くなります。そのタイミングで就寝すると、質のよい睡眠が得られます。夜10時~2時は免疫ゴールデンタイムです」(星子クリニック院長・星子尚美さん)
新型コロナ防衛策4「朝日を浴びて、体内時計をリセットする」
よい睡眠には、入浴だけでなく、朝の習慣も欠かせない。
「朝、日の光を浴びて体内時計をリセットすることも、その夜の寝つきのよさにつながります。睡眠時間は6~7時間が目安です」(佐々木さん)
新型コロナ防衛策5「歯磨きで免疫力が上がるわけ」
新型コロナウイルスの予防策として、手洗いやうがいの重要さが盛んにいわれているが、実は歯磨きもおろそかにしてはいけない。
「口やのどにも善玉菌として働く常在菌がいて、病原体の侵入をブロックしてくれています。しかし、口の中が汚いと悪玉菌がすみつきやすいので、こまめな歯磨きで口腔内を健康に保つことを意識してほしい。歯の健康が全身の健康につながることについては、さまざまな論文が出ています。ただし、磨きすぎて口の中の粘膜を傷つけるのは避けてください」(佐々木さん)
うがいにも注意すべきポイントが。
「うがいにはウイルスなどの異物を洗い流すだけでなく、粘膜の保湿効果もあります。口の中を“クチュクチュうがい”した後で、のどの奥を“ガラガラうがい”する。口からのど全体を洗いつつ、潤すことも意識してください」(佐々木さん)
新型コロナ防衛策6「花粉症はいますぐ治療」
この時期、花粉症に悩まされている人は、新型コロナウイルスにも要注意だ。
「花粉症は、花粉を異物だと判断した体が過剰に反応し、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどのアレルギーや炎症を引き起こすもの。そのため花粉症の人は粘膜が荒れやすく、ウイルスなどの病原体が入りやすくなっている。しっかり花粉症の治療をしておかないと、新型コロナウイルスにも感染しやすい状態のままです。しかも花粉で目がかゆくなり、ウイルスがついた手でこすってしまうと、目からウイルスが侵入することもあり得ます」(佐々木さん)
教えてくれた人
飯沼一茂さん/『それでは実際、なにをやれば免疫力があがるの?』(ワニブックス)の著者で純真学園大学客員教授。真野わかさん/日本養腸セラピー協会会長、佐々木欧さん/秋葉原駅クリニック・医師、今津嘉宏さん/芝大門いまづクリニック院長、星子尚美さん/星子クリニック院長
※女性セブン2020年3月12日号
https://josei7.com/