高齢者におすすめのコンビニ食品|食材の彩りを意識して栄養を豊かに!
茶色ばかりの食卓では栄養も偏りがち
食材の色には、体を守るさまざまなパワーがあり、抗酸化作用や免疫力を高める効果が期待できる成分が含まれる。こういった成分は“ファイトケミカル”と呼ばれ、とくに年齢を重ねた体に必要な「カロテン(黄色)」、「クロロフィル(緑色)」、「アントシアニン(紫色)」といった抗酸化成分が含まれるため、「食事の彩りが大事」と語るのは、管理栄養士の中村美穂さん。コンビニで食品を買う際も、黒、緑、赤、黄、白の5色が入るように選ぶと、自然と栄養バランスが整うと教えてくれた。
美容や健康の知識に富んだ専門家に、親世代にすすめたいコンビニフードを教えてもらうこの企画。今回は、管理栄養士で、国際薬膳調理師でもある中村美穂さんに、高齢者におすすめのコンビニ食品を教えてもらった。
「高齢の方が食品を選ぶときに意識したい栄養素は、たんぱく質と脂質、塩分、食物繊維。たんぱく質は、体を作るもとになり、筋力量が低下する高齢者にも欠かせませんが、若い頃に比べ食事量が減ってくると、不足が心配されます。脂質は、内臓脂肪が気になる方は、動物性脂肪を控えめに、抗酸化作用が期待できる不飽和脂肪酸が多い青魚やオリーブオイル、ナッツ類などから適度に摂りましょう。塩分は、高血圧の方は特に、摂りすぎに注意が必要です。そして、食物繊維は、腸内環境を改善し、免疫力アップや内臓脂肪の低下、血糖値、血圧の安定など健康面への影響が大きいため、意識して摂る必要があります」(中村さん・以下同)
『うの花 90g』(ローソン)
●豆乳入りでさらに高たんぱく
豆乳を加え、しっとりなめらかに仕上げたうの花。こんにゃく、人参、油揚げなどの具材が入っていて食べ応えがある。90g入りで107kcal。たんぱく質は4.1g。
「おからは大豆の栄養(たんぱく質、ビタミン、ミネラル)に加えたっぷりの食物繊維が摂れ、高齢者の食事には積極的にとってほしい食材。ただ、手作りするのは面倒で、食べきれないという方にも、昔ながらの和風おかずのうの花煮をしっとり仕上げていて食べやすくなっています」
『具たっぷりクラムチャウダー』(セブンイレブン)
●ミネラル豊富なあさりが入った濃厚スープ
生クリームを使い、野菜のうま味、甘味、コクが感じられる、食べ応えのあるクラムチャウダー。ペースト状にすりつぶしたあさりを加えたスープは、あさりのうま味と風味が感じられる。1食当たり203kcal。
「あさりはたんぱく質に加え鉄や亜鉛などミネラルが豊富で、高齢者にもおすすめ。野菜や乳製品などがバランスよく摂れるチャウダーは食べやすさもあり、おすすめです」
『1/2日分の野菜!コク旨キムチ鍋』(セブンイレブン)
●ぽかぽか体が温まる野菜たっぷり鍋
1日に必要な野菜の1/2が摂れるキムチ鍋。キムチを炒めてから2種類の唐辛子、魚介のうま味を加え、専用のキムチ醤と絡めてコクと風味を引き出してある。1食243kcal。
「鍋料理は栄養バランスが良く、体も温まり寒い時期のおすすめメニューですが、手作りすると食材があまりがち。コンビニは鍋メニューが充実しており、1/2日分の野菜が摂れるシリーズはバリエーションも多く飽きません。キムチは食物繊維と発酵による乳酸菌が摂れ腸を元気にする効果が期待できるおすすめの食材です」
『アップルマンゴー』(ローソン)
●砂糖無添加の濃厚なデザート
110g入っていて70kcal。水っぽさがなく、形がしっかりしており、解凍しても水分がでにくい。素材そのままなのに、甘くて濃厚な味。
「冷凍フルーツシリーズのマンゴーやブルーベリーはアンチエイジングにおすすめの果物。マンゴーはβカロテン、ビタミンC、食物繊維などを野菜同様に摂れて、鮮やかな黄色と食感や香りの良さで食欲もアップ。カット済みで必要な分だけ使えます。ヨーグルトにのせても」
管理栄養士:中村美穂さん
フードコーディネーター。国際薬膳調理師。保育園栄養士として乳幼児の食事作りや食育活動、地域の子育て支援事業等に携わる。独立後は料理教室「おいしい楽しい食時間」を主宰し、書籍や広告等へのレシピ提供や講演活動など幅広く行っている。
撮影/黒石あみ 取材・文/竹腰奈生