大切な人への贈り物に!「皇室ゆかりの逸品」伝統と信頼の25品、購入方法
高品質とステータスの証である『○○御用達』。その代表格である「宮内省御用達」(※1)は、明治24年に「宮内省用達称標出願人取扱順序」として制定されたものだが、昭和29年に廃止されている。だが、皇室の御用を務めてきた伝統を受け継ぐ店や会社は今も健在で、皇族方のご愛用ブランドへの信頼は今も高い。そして、食品や日用雑貨など私たちにも手が届くものが多いのも魅力だ。そこで、令和元年を締めくくるギフトにも最適な品々を、購入法つきで紹介します。(※1)宮内省は、昭和22年まで存在した、現在の宮内庁の前身。
皇室行事の神事や晩餐会でも不可欠の3品
天皇陛下の即位に伴う皇室の重要祭祀「大嘗祭(だいじょうさい)」の神事で使われた品種と同じ米や、「饗宴の儀」の晩餐会の御膳についた箸など、特別感あふれる品々が…。
■「祝い箸」 箸勝(はしかつ)本店
昭和25年に宮内庁御用達となった「箸勝本店」は、現在でも神事用お箸や慶事行事の祝い箸、両陛下が日常お使いの白木箸などを納めている。上写真は平成2年の「大嘗祭」で使われた神饌(しんせん)用具一式で、令和の「大嘗祭」にも納めたという。特に「饗宴の儀」で使われた寿箸の「白柳両細箸(しろやなぎりようほそばし)」は、一方を神が、もう一方を人が使い「神と人を結ぶ」ことで五穀豊穣や家内安全を祈る意味合いがあり、お正月にも最適だ。20膳2000円。
住所:東京都千代田区外神田3‐1‐15
電話:03・3251・0840
FAX:03・3251・4084
(電話とFAXで注文可能)
HP:http://www.hashikatsu.com/
■「とちぎの星」 JA全農とちぎ
今回の「大嘗祭」では、東西の斎田(さいでん)(※2)で収穫された新米が神前に供えられた。その1つが、栃木県高根沢町で収穫された「とちぎの星」だ。日本穀物検定協会による平成30年産米の食味ランキングで2年連続「特A」を獲得した銘柄。5kg実売価格3981 円(編集部調べ)。
栃木県内の量販店かJAタウン(https://www.ja-town.com/shop/c/c1L00/)でネット購入可能
(※2)斎田とは、大嘗祭のお供えで使う新米を収穫する田のこと。
HP:http://www.tc.zennoh.or.jp/
■「四季桜とちぎの星・純米酒」 宇都宮酒造
上で紹介した「とちぎの星」を醸した日本酒。4年前に栃木県出身のお笑い芸人が「この米で造ったお酒も飲みたい」と話したことがきっかけで誕生。「大嘗祭」の米に選ばれてからは売れ行き好調で品薄だったが、12月中旬に再発売予定。720ml 1250円。
住所:栃木県宇都宮市柳田町248
電話:028・661・0880
HP:https://shikisakura.co.jp/
調味料や嗜好品にも光る老舗のこだわり食品11品
普段遣いの調味料から食品、好物の嗜好品まで、皇室の台所や食卓を飾る品々。歴史ある老舗の心が光る、確かな味を楽しみたい。
■「超特選純米吟醸酒 惣花(そうはな)」 日本盛
やや甘口で、芳醇な香りが特徴の純米吟醸酒。大正、昭和、平成の「天皇即位式」に御用酒として納入されたほか、「宮中祝宴の儀」や「宮中晩餐会」などにも使用。この10月に行われた令和の天皇の「饗宴の儀」でも提供された。1800ml(化粧箱入り)3000円ほか。
住所:兵庫県西宮市用海町4-57 ネット購入可能 (http://shop.nihonsakari.co.jp/shop/)
HP:http://www.nihonsakari.co.jp/
■「献上 三輪(みわ)」 三輪山本
創業300年を誇る三輪そうめんの老舗。江戸時代に皇室や幕府に献上した歴史があり、昭和3年に宮内省御用達となった。その献上品を再現したのが「献上 三輪」。太さ0.8mmの極細麺は、コシがあってのどごしも抜群。150g×12包で1万円。
住所:奈良県桜井市箸中880 ネット購入可能(https://www.miwa-somen.jp)
HP:https://www.miwayama.co.jp/
■「吉野本葛(ほんくず)」 黒川本家
江戸時代初期の創業から400年続く、吉野本葛作りの老舗。昔ながらの伝統製法で作られる純白の本葛粉は当代随一と評され、全国の一流といわれる料亭や和菓子店で愛用されている。明治初期から宮内省御用達となり、昭和天皇も葛湯としてご愛飲されていた。最近でも、国賓をおもてなしする時などに宮内庁から注文が入るという。130g 800円。
住所:奈良県宇陀市大宇陀上新1921
電話:0745・83・0025
HP:http://www.yoshinokuzu.com/
■「昆布〆たらこ」 竹丸渋谷水産
昭和天皇に何かおいしいものを、という依頼から、宮内庁へ納める品として作られたもの。鮮度のよいたらこを、北海道産昆布とこだわりの塩、良質な倶多楽(くつたら)湖の伏流水で漬け込んだ。無着色、塩分控えめの上品な味わいが特徴で、大阪府知事賞や水産庁長官賞など数々の賞を受賞している。180g入り2222円から。
住所:北海道白老郡白老町字虎杖浜179-5 ネット購入可能(https://www.shibuyasuisan.com)
HP:https://www.kojohama.com/
■「山本極上銘々味附海苔 梅の花」 山本海苔店
同店2代目当主が焼き海苔に味をつけて初めて創製した「味附海苔」を、明治2年の明治天皇京都還幸の際に納めたのを機に、宮内省の御用を賜る。制度廃止後も新海苔の献上を続けるなど縁は深い。写真はそんな由緒を引き継ぐ味附海苔の最高級品だ。小缶(8切5枚18袋詰)3500円。
住所:東京都中央区日本橋室町1-6-3 ネット購入可能(https://www.yamamoto-noriten.co.jp)
HP:https://www.yamamoto-noriten.co.jp/
■「御用蔵(ごようくら)醤油」 亀甲萬(キッコーマン)
昭和14年、宮内省に納めるしょうゆの専用醸造所として御用蔵を建設。平成23年に同社の野田工場の敷地内に移築したが、現在も原形に近い形で再現された蔵で宮内庁に納めるしょうゆを醸造している。その御用蔵で造られている「御用蔵醤油」は、良質な国産原料を使用し、木製の桶で熟成させたしょうゆの逸品だ。1本(250ml)502円。
住所:千葉県野田市野田250 ネット購入可能(https://www.kikkoman-shop.com)
HP:https://www.kikkoman.co.jp/
■「本枯節(ほんかれぶし)」 山七
本枯節はかびづけと乾燥を何度も繰り返し、半年以上もの時間をかけて作られるかつおぶしの最高級品。かつおの水揚げ日本一の焼津では、昭和25年から「新嘗祭(にいなめさい)」に供える神饌に使用するかつおぶしを焼津鰹節伝統技術研鑽会が謹製し、献上してきた。それに最も近い製品が、山七の本枯節だ。基本的に小売りはしないが、希望者には直売可。1kg(4~5本相当)5000円。
住所:静岡県焼津市田尻2212–12
電話:054・656・1777 電話とFAX(054・656・1778)で注文可能
HP:http://yama7.jp/
■「国産大豆 八丁味噌」 カクキュー
北海道産大豆のみを使用した八丁味噌。木桶に仕込み、天然醸造で2年以上熟成させる限定品で、濃厚な旨みと少々の酸味、渋みのあるコクが特徴だ。同社の八丁味噌は明治25年に宮内省への納品が始まり、明治34年から御用達に。800g 1800円。
住所:愛知県岡崎市八帖町字往還通69(八丁味噌) ネット購入可能(http://www.kakukyu.jp/shopping/)
HP:http://www.kakukyu.jp/
■「ロイヤルブレンド」 珠屋(たまや)小林珈琲
コーヒー業界で唯一、昭和27年から宮内庁御用達になり、現在も「園遊会」や「饗宴の儀」などの行事で用いられている。そんな皇室用のブレンドに最も近い味に仕上げられたのが「珠屋小林珈琲ロイヤルブレンド」だ。ブラジル、コロンビア、キューバ産などの生豆を職人技で焙煎し、酸味と苦みのバランス、豊かな香り、後味の爽やかさを追求。豆と粉、2タイプある。200g 1150円。
住所:東京都中央区日本橋小伝馬町16-5(珠屋櫻山) ネット購入可能(http://onlineshop.tamaya.coffee/)
HP:http://tamaya.coffee/
■「米沢牛登起波漬(ときわづけ)」 登起波牛肉店
登起波漬は、米沢でいちばんの老舗牛肉店オリジナルの、米沢牛を地みそと酒粕に漬け込んだ名物。下写真は昭和天皇が皇太子時代に山形を来訪した折に2樽献上した際の手紙。その後、当時の浩宮殿下(今上天皇)も召し上がられたという。ももとロースの2種類あり、もも220g 3000円~。
住所:山形県米沢市中央7-2-3 FAX0238・23・1501での注文か、ネット購入可能(https://www.yonezawabeef.co.jp/order_tokiwaduke.html)
HP:https://www.yonezawabeef.co.jp/
■「マルカン酢(復刻版)」 マルカン酢
創業370年の老舗が造るマルカン酢は、まろやかな風味の穀物酢。明治41年に宮内省御用達となり、現在に至るまで愛用されている逸品だ。その穀物酢を家庭で使いやすいサイズにしたものが、この復刻版。クセがないので、和・洋・中、どんな料理にも使いやすい。1本(900ml)300円。
住所:兵庫県神戸市東灘区向洋町西5-6 ネット購入可能(https://shop.marukan.com/)
HP:https://www.marukan.com/
引き出物やおみやげ、お茶請けにも最適!皇室御用達の菓子3品
慶事の引き出物にご愛用の金平糖(こんぺいとう)から、天皇家が複数回購入されているお気に入りのゼリー菓子、御用達洋菓子店の名物クッキーまで、職人の技が光る。
■「金平糖」 緑寿庵(りょくじゅあん)清水
京都で172年以上続く日本で唯一の金平糖専門店では、60種類以上の金平糖が、熟練の職人により1種類2週間以上かけて作られる。じっくりと育て上げられ、月日が経っても色褪(あ)せず形が変わらない金平糖は寿菓子として、代々皇室が慶事を祝う際の引き出物とされてきた。写真の「究極のヴォーヌ・ロマネ ヴァン・ルージュの金平糖」は12月に予約限定発売される。至難の技を駆使した逸品は、事前予約で地方発送可。180g 8500円。
住所:京都府京都市左京区吉田泉殿町38-2
電話:075・771・0755
HP:http://www.konpeito.co.jp/
■「びわのしずく」 ピース製菓
びわをまるごと1個透明なゼリーの中に閉じ込めた、見た目も食感もみずみずしいおみやげ品。平成15年の「第54回全国植樹祭」と平成22年の「千葉国体」では当時の天皇皇后両陛下が、平成12年の「きらめき総体」では当時の皇太子殿下が、それぞれご購入された。10個入り1550円。
住所:千葉県館山市北条1866 ネット購入可能(http://www.awa.or.jp/home/peaceseika/cart/hanbai.html)
HP:http://www.awa.or.jp/home/peaceseika/
■「フールセック」 コロンバン
宮内省大膳寮でお菓子作りをしていた門倉國輝氏が退職後、パリで修業し、創業したのが「コロンバン」。創業当初から洋菓子業界唯一の御用達ブランドで、濃厚なバターを贅沢に使用したサクサクのクッキーをワンボックスに詰め込んだ「フールセック」は、同店を代表する焼き菓子。現在もクッキーの一部を納入している。33枚入り2000円。
住所:東京都渋谷区神宮前6–31–19 ネット購入可能(https://shop.colombin.co.jp)
HP:https://www.colombin.co.jp/
晴れの日から普段遣いまで寄り添う皇室ご愛用アイテム6品
慶事の引き出物に使うお菓子入れ(ボンボニエール)から、和紙製品、ルームシューズ、傘まで、熟練職人が生み出す上質な日用品は使い心地も抜群だ。
■「銀製ボンボニエール」 宮本商行
明治13年創業の宮本商行の銀製品は、御用達として宮家の食卓を飾り、誕生祝いを贈る際に用いられる品として知られている。今回の即位に伴う「饗宴の儀」でも、金平糖入りの銀製ボンボニエールが引き出物の1つとなって話題を呼んだ。そのボンボニエールに近い品として注目なのが、写真の「梓(あずさ)・ハマナス ボンボニエール」。春先に発売された天皇皇后両陛下のお印、梓とハマナスをあしらった銀製のお菓子入れだ。重さ約58.6g・8万9000円。
住所:東京都中央区銀座1-9-7-1F ネット購入可能(https://www.miyamoto-shoko.com/product/detail?id=9-17)
HP:https://www.miyamoto-shoko.com/
■「和紙」 山形屋紙店
明治12年創業の同店は、日本中の和紙と和紙製品が集まる和紙と和風小物の老舗。本社屋の裏手には、大正元年に建てられた重厚なレンガ造りの3階建ての蔵が立ち、大正2年の関東大震災や、昭和20年の東京大空襲からも、和紙を守ってきた歴史を持つ。皇室にはさまざまな和紙や特別なご用命の品を納めているが、日本各地の手漉き和紙の名刺や便箋などが充実しているのも魅力。各産地で漉かれた和紙の中でも、比較的リーズナブルで求めやすいのが「もみ染め和紙」(写真右上)。1巻270円。
住所:東京都千代田区神田神保町2-17
電話:03・3221・7829
HP:http://www.yamagataya-kamiten.co.jp/
■「ルームシューズ」 サナックス
皇室御用達の靴職人・高橋直道氏が手掛けるのが、美しい革製スリッパ。優れた技術とデザイン力でその品質が認められ、皇室御用達として天皇家にも納めてきた。革を使い分けるこだわりと人間工学に基づいた設計で、長く履いていても静電気が発生せず、疲れないのが特徴。写真上が本革2万4500円、中央がオーストリッチ6万円、下が本クロコダイル革18万円。
住所:東京都足立区神明2–9–23 ネット購入可能(http://www.sanax-plan.com/shop/products/list.php)
HP:http://www.sanax-plan.com/
■「サムシングブルー・ペア碗皿」 銀座香蘭社(こうらんしゃ)
香蘭社は佐賀県有田町で設立された陶磁器メーカーの老舗。古伊万里、色鍋島、柿右衛門の3様式を融合させた「香蘭社調」と呼ばれる陶磁器は、世界中で認められ、パリ万博をはじめ多くの賞を受賞。明治29年には宮内省大膳寮より御用品製造を拝命し、「宮中晩餐会」や「園遊会」で使用される食器などを納めてきた。鮮やかな瑠璃(るり)色のペアカップは、プレゼントにも人気だ。8000円。
住所:東京都中央区銀座6–14–20 ネット購入可能(https://www.koransha.co.jp/shop/)
HP:https://www.koransha.co.jp/
■「縁結(えんゆう)」 ホワイトローズ
雨の日でも相手の顔がよく見えるような傘を、という美智子さまのご提案で誕生したホワイトローズのビニール傘。平成22年の「園遊会」で使われ、ビニール傘とは思えない気品あふれるデザインが注目を浴びた。その一般向け商品として発売された「縁結」は、独自の製法で強度や持ちやすさがさらにアップ。収納袋付きで8000円。
住所:東京都台東区寿2-4-8 ネット購入可能(http://whiterose-net.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=2077211&csid=0)
HP:https://whiterose.jp/
■「婦人用雨傘」 前原光栄商店
熟練の職人が、昔ながらの手作りで上質な傘を作り続けているのが前原光榮商店。50年程前に美智子さま愛用の傘を修理したことからのご縁で、皇室に傘を納めるようになった。現在もオーダーで受注し、修理も行っている。上写真の傘は、美智子さまが修理しながら使われている傘に近い8本骨タイプ。洗練されたシンプルなデザインが魅力で、長く使い続けたくなる傘の銘品だ。2万円。
住所:東京都台東区三筋2-14-5 ネット購入可能(http://www.maehara-e-shop.jp)
HP:https://maehara.co.jp/
こちらも注目!皇室参観スポットで買える限定おみやげ
令和元年の皇室ブームの中、皇居や京都御所を訪れる人が急増中。そんな皇室参観の際、記念に買いたいおみやげの中でも気になるのが、皇居外苑・京都御苑でしか買えない限定品。特に以下の2品はよく選ばれている。
■皇居外苑でしか買えない、皇居周辺で採れた蜂蜜を含む「皇薫蜜(こうくんみつ)」
明治34年創業と日本で2番目に古い藤原養蜂場(岩手県盛岡市)は、毎年3月になると東京養蜂に向かう。皇居の広大な自然の中を自由に飛び交うミツバチが界隈の花々から蜜を吸い、皇居近くのビルにある巣に戻ってきて蜂蜜を作る。そんな皇居周辺で採蜜した蜂蜜に、多少の百花蜜(ひゃっかみつ)を加えたものが「皇薫蜜」。皇居外苑の楠木正成像近くの楠公レストハウスの売店で購入できる貴重な限定品だ。
同売店にある皇薫蜜は「そめいよしの」「ゆりの木」「みかん」の3種。各150g入り1204円。皇居以外では藤原養蜂場本店及び同社のネット通販で購入可能(https://www.fujiwara-yoho.co.jp/shop/index.html)
HP:https://www.fujiwara-yoho.co.jp/
■京都御苑でしか買えない、菊模様の焼印が上品な麩焼煎餅「菊華仙(きつかせん)」
麩焼煎餅は、さっくりとした食感とほどよい口どけが持ち味。なかでもオモテ面に砂糖しょうゆの蜜を薄く引いた菊の模様の焼印を入れ、ウラ面に金箔を優雅にあしらった、美しくて上品なのが、俵屋吉富(京都市上京区)謹製の「菊華仙」。俵屋吉富は、宝暦5年(1755年)の創業以来、代々、禁裏御用(*3)を務めてきた。同商品を買うなら、京都御苑の中立売御門近くにある中立売休憩所売店にて限定販売中。京都御所参観記念に求めたい。
(*3)禁裏御用とは、宮中にものを納入する商人の幕末までの呼び名。
HP:https://kyogashi.co.jp/
撮影/横田紋子
※女性セブン2019年12月5・12日号