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この記事へのみんなのコメント

  • 現実の在宅看取りは疑問が一杯です。

    認知症介護士などの資格を持っていらっしゃる著者は、現在は在宅看取りをめざすとはいえ、遠距離で、通い介護ですよね。私も姉妹で母を在宅看取りしました。訪問看護婦、ヘルパーがとてもよくやってくれたこともあり、半年弱の介護期間で、最後の1ヶ月以外は週に1回から3回程度の通い介護でした。基本的な介助、生活支援はヘルパーがしてくれますから、もっぱら母の話し相手と、ヘルパーに頼めない細かいことの手伝いだけで、おそらく在宅とはいえ、肉体的負担は非常に軽かったと思います。だからこそなくなるまで見とれたわけです。 問題は、24時間体制を組むため、交代で泊まり込みを始めた最後の1ヶ月です。ここで、全ての問題が噴出したと言えるでしょう。 実感したのは、在宅介護はナースコールのない病院に入院させるようなものだと言う事。実際には、最後の1ヶ月以前でも、母は独居でしたから、1人でナースコールもなく、頑張ってきたのだと思います。在宅では、家族だけでなく、患者本人にもたくさんの負担がかかります。それでも、在宅で過ごしたいという強い意思が本人にある内は良いのですが、寝たきりなり、末期癌の痛みが薬では抑制できなくなった時に、果たして在宅である意味があるかどうか、疑問は一杯ありました。 家族と本人に、人間らしい最期をというお題目はいいのですが、実際には、担当する在宅医療の医師と看護婦の理念に振り回される部分も有り、必ずしも本人や家族の希望が聞いてもらえないのも事実。これはホスピスや病院でも似たようなもので、では在宅の苦労は何のためであったかと、今でも悩みます。 実際在宅で看取りまでする家族は少数派で、ほとんどはある程度在宅で、最期は病院か施設と言う事が多いそうです。それは実際にやってみると納得がいきます。医療の責任も、精神的負担も、親が死んでいく事実も、全て家族だけで受け止める負担は、肉体的にも精神的にも大きく、特に夜間は自分達だけでやる必要があり、その労作の問題も、結局母と向き合う時間を奪っていきます。病院に全て任せて、じっとそばにいた方が十分な時間が取れたかもしれないと思うほどです。 24時間体制の訪問医療と看護は、私も契約していましたが、実際には、呼んでも来るまでに20分から1時間かかりますし、そもそも緩和ケアをする以上、全ての処置は家族かやれる範囲になっていますから、呼ぶ必要がないのが現実です。つまり直る症状なら呼びますが、これは死ぬかもしれないという状況では、死なせるのが目的ですから、呼ぶ意味がどこにあるのか。実際介護の全行程で呼んだのは4回。内1回は母が1人で、ポータブルに降りたらベッドに戻れなくなったときで、連絡うまくつかず、2時間近く待たされた後、ようやく介助が来ました。後の2回は、後から「こういうことであたふたするなら、ホスピスの方がいいですよ」と言われました。つまり本来は呼ぶべき条件ではなかったと言うこと。そして最後の1回は、死んだから呼んだのです。 医師に至っては、死んだときに呼んだだけ。それも夜間でしたし、年末だったので、主治医は来ません。 担当した事業所は医療ケアチームに責任感がないとか、仕事ができないとか、そういう理由ではないのです。そういう意味では望みうる最高のスタッフだったと思います。少なくともルーティーンの日中のケアは非常にきめ細やかで、だからなんとかやれたと言う事はあります。ただ夜間はそうは行かない。結局これが日本の在宅の限界であると思います。 この状況を飲み込めない家族なら、在宅は期待外れでしょう。とても負担の重い介護で、得るものもほとんど見いだせないでしょう。 正直死んだ後の対応は、確かに在宅なら時間が取れます。下手をすれば、死んでいく親を、たった1人で、なすすべもなく見送り、(そのとき苦しんで暴れたりしたら、本当に大変)そして看護婦にも医師にも頼れず、焦燥と呆然とした状態で1時間以上放っておかれるという意味での時間なら、十分にとれますよ。この時間をどう受け止められるかが在宅を選ぶかどうかの分かれ道ですね。病院で受けた不満と、真逆の意味での不満でしょう。どっちがいいかと言うだけのことです。在宅はバラ色ではないですよ。

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